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異世界コンビニ、ネコ耳おっさん繁盛記! ハードモードな異世界で、目指せっ! コンビニパワーで、皆でハッピーもふもふスローライフ?  作者: MITT
幕間3

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閑話休題「テンチョー密着24時!」⑧

「やぁ、レインちゃん! どうしたの? 慌てて、店番じゃなかったの?」


 レインちゃん、よほど慌ててたらしく、ゼイゼイと肩で息してるっす。

 一体何があったのやら……。


「そ、それが……サトル様が……。休憩中にお酒飲んでて、グッデグデに泥酔しちゃって……」


「ええっ! 何やってんの! ……だから、注意してって言ってたのに……」


「す、すみません! 普通にアルプス山脈の天然水、美味しそうに飲んでると思ってたら、中身日本酒で……もうグッデグッデでお客さんに絡んだりしてたんで、後ろから踵落とし、エイッ! ってやって眠ってもらいました」


 ……あの男も、酒好きとか聞いてたけど、仕事中に飲むとかアホなんすか?

 レインちゃん見かねて、ぶん殴って制圧……やっぱ恐ろしい子っ!


「あー、うん。そう来たか……彼、酒好きなんだけど、酒に全然強くないからなぁ……だから、程々にって言ってたのに……。そうなると、しょうがないね。テンチョー、ごめん! 店番頼む……」


「うにゃーっ! 任せるにゃー! まったく、サトルのやつ……起きたら、一発ぶん殴るにゃー!」


「お手柔らかにね。レインちゃん、今日のメンツは?」


「ケリーさんと、商人ギルドのワッツさんと、私しかいないんですよ……。サトル様がいるから、大丈夫だと思ってたんですけど……ちょっとイイ感じの入っちゃったんで、しばらく起きないかなーと。でも、ワッツさんも本来はお昼上がりだったのに、無理言って残ってもらってるんですよね……」


「ワッツさん、今日は確か朝イチの開店準備からずっとだから、さすがにもう上がってもらわないと……。テンチョー悪いけど、店番入ってくれないかな? ごめん、本来は僕が埋め合わせするべきなんだろうけど……」


「気にするなだにゃー! テンチョーが入れば、余裕で回るにゃー! 御主人様はゆっくり休むといいにゃー」


「私たちも手伝いますよ。今日はなんだか、人も多いですからね……何があったんでしょう? ここに来るまでも、見慣れない人達があちこちに集まってましたよ」


「ちょっとオルメキア方面で大型魔獣の目撃情報があって、国境ラインの封鎖の上で、警備隊も総出で討伐するって聞いてる……。多分、そのせいで滞留が起きてるんだろうね。うーん、これはちょっとマズイな。なまじサトルくんが優秀だったから、頼り切ってたからなぁ……」


「サトル様も10日くらい休み無しでしたからねぇ。ちょっとお疲れのようではありましたよ」


「うーん、これは僕のミスだねぇ……。ごめんね、テンチョー」


「大丈夫! テンチョーもサボってたから、埋め合わせはするにゃ!」


「某も店の前の掃き掃除くらいなら出来るから、お手伝いするっすよー」


「モンジローくんまで……すまないねぇ……バイト代くらい出すから、頼むよ。皆も、ごめん!」


 まぁ、ダンナの頼みなら、誰も断らないっす!


 ……そんな訳で、テンチョーさん達とコンビニに戻る事になったっす。


「な、なんすか? これ……満員電車みたいになってるっすーっ!」


 思わず、驚愕。

 外からでも解るくらい、店の中がぎっしり大混雑。


 店の入口にもたくさん人が集まってて、大行列が出来てるような有様。


「うにゃーっ! お店、めっちゃ混んでるにゃー! レイン、ミミモモ、行くにゃーっ!」


 4人がお店に突撃開始っす。


 テンチョーさんがレジに入って、ミミモモが品出し、レインちゃんがお客さんの整理と手際よく進めていってるっす。


 某は……まぁ、箒とちりとり持って、お掃除っすね。


 中はもう戦場っす。

 某もコミケの売り子くらいやったことあるっすから、レジ打ちとかもやろうと思えば出来るんスけどね。


 まぁ、こんなド素人が一人入った所で、役には立たねっす。

 某のチートも、こう言う時は意味ないっすなぁ……。


「お出かけっすかー! タリラリラーン!」


 それにしても、テンチョーさん……伊達に店長さんじゃないっすなぁ。

 シュババババッって感じでレジ打ちやって、テキパキと指示出しして……まさに有能オブ有能!


 頼もしすぎる人っすなぁ。

 おまけに、戦わせたら、封印魔獣も一蹴するほどの無敵っぷり!


 某は……こう言う時は、無能オブ無能……悲しい。

 

 そんな感じで、ぼんやりしてると、遠くからパパパーとクラクション鳴らしながら、人混みかき分けて、真っ赤な配送トラックが登場したっす。

 

 ミミモモちゃん達が店の外に出てきて、交通整理を始めるっす。


 いつもの事なので、通りがかりの人も協力してくれたりして、トラックお店の前に到着。


 某、邪魔にならないように隅っこぐらし状態。

 

「うにゃーっ! 今日は和歌子だったのかにゃーっ! いつも配送ご苦労さまだにゃーっ! ミミモモ、レジ打ちはレインに任せて、まずは搬入するにゃー!」


「うっす! テンチョーちゃん、元気だね! あたしも手伝おうか?」


「テンチョー達でなんとかなるにゃー! 和歌子はその辺でのんびりしてればいいにゃー!」


「そうかい? なら……一服してるから、ゆっくりやるといいよ。どうせ今日はこれで上がりだしね……せっかくだから、車も置かせてもらって、一杯やっていくつもりだったのよ。そいや、タカクラオーナー、病院送りになったんだっけ? あの馬鹿、何やってるんだかねぇ……」


 和歌子姐さん……巨乳姐さんって感じの人っす。

 某、こう言う姐さん女房系も大好きっすー!


 年の頃は二十代後半……まさに女盛り! スリーサイズは、B90W60H85! ナイスバディッ!

 

 この人、某が目の前で脱ぎイラスト描いても、殴らないで笑って許してくれるような人なんスよね。


「まぁ、色々あったんすよ。和歌子姐さん……こんちゃーっす!」


「あら、珍しいのがいる。確か、モンジロー君だっけ? え? なに、君までお店手伝ってるの?」


「そうなんすよ。ダンナが入院してる上に、大忙し……義を見てせざるは勇なきなりって言うじゃないっすか……けど、某、あんまり役に立ってないんすよね……」


「あはは、その心意気だけでも十分じゃないの? そいや、アンタ……向こうじゃ警察のお尋ね者らしいじゃない。何やらかしたっての?」


「ちょっとばかり、表現の限界にチャレンジして、サツに目をつけられたんスよ。おまけに某の漫画の読者が、ガチで模倣犯やらかしたもんで、しょっぴかれて、ついカッとなって刑事さん殴っちまったんすよ」


 正確には、その模倣犯、この場に連れてこい! 某の怒りを思い知らせてやるとか騒いでたら、何故か抵抗するのかーとか言われて、羽交い締めにされたから、振りほどいたら、公務執行妨害でタイーホっすからね。

 

「なんだか良く解んないけど、ロックな人生歩んでるんだねぇ……嫌いじゃないよ、そう言うの……? あたしも大概ロックだからねぇ……。つか、今日はいつもみたいにエロい絵描かないの? あたしで良ければモデルになってあげるわよ? なんなら、そこら辺の物陰でも行く? 君みたいな如何にもシャイボーイって感じの子も悪くないし……」


 そう言って、シャツの襟ぐり引っ張って、胸の谷間を強調する和歌子さん。

 なんと言うか……エロい人っすねぇ……素敵だわ、この人。


「はっはっは! 女子の生ヌードなんて見たら、某、ぶっ倒れるっす! 某、おっしゃるとおりシャイなんスよ。それにアレやると女子に嫌われるって、いい加減学習したっす!」


「ふーん、あたしは別に気にしないけどね。でも、タカクラオーナー、いつも紋次郎くんは凄い人だって、言ってるわよ。実際、タダもんじゃない……まったく、貧相なもやしに見えて、とんでもないね……」


「う、うん。某は……漫画描く以外に取り柄なんて無いっす! 女子にもじぇんじぇんモテましぇん!」


「女の子にモテたいなら、もうちょっと自分磨きをしないとねー。と言うか、あれでしょ? アンタ、オーナーが大ファンって言ってた悶々崎先生なんでしょ? オーナーの部屋にいっぱい並んでたからあたしも知ってるよ? と言うかあの突然打ち切りになった大人気マンガ「ドラゴンシューター」までアンタの作品だとか、知らなかったわよ……」


 ダンナのコレクション。

 某も見たんスけど、某が別のペンネームで描いてた一般向け作品とか……。

 世の中に1000部も出てないレア本や、絶版本やら、某でも驚くくらいのラインナップ揃ってて、驚いたっす。


 少年誌向けの「ファイヤー☆メン」「轟大文字」「うっちゃれ友瓦」名義作品はもちろん、女性誌向けの「ジュリアンナ・茶里」なんてのまで……。


 絵柄とかも変えてたのに、ちゃんと把握しててコレクションに加える。

 まさにファンの鑑っすよ。


 ちなみに「ドラゴンシューター」は「ファイヤー☆メン」名義で描いてた作品っすね。

 アニメ化まで決まってたのに、某がこっちに来ちゃったから、自動的に打ち切りになったそうっす。


 そのうち、続き描いてもいいかも知れないっすね。


「はっはっは、ダンナは某のファン……それも第一人者だったらしいですからなぁ。まぁ、某は……三次元の女子にはあんまり興味ないんスよ……」


「はぁ? あんだけ濃いエロ漫画描いてるくせに、何言ってんだかねぇ……全く女の子に興味ないって事ないんでしょ? どう? なんなら、アンタを男にしてやってもいいわよー?」


 ……そ、某タジタジっす! こ、これがガチモンの肉食系女子っ!


「そ、某は二次元に生きる……それでいいんスよ!」


「ふーん、女神の使徒って話も聞いてるけど、その割には結構、可愛いとこあるのね。聞いた話だと、月に落書きとか無茶苦茶やったらしいけど」


「あれは……ついカッとなりましてなぁ……」


「あらあら、ついカッとしちゃうんだ。意外とワイルドなとこもあるのね……」


「いやぁ、まんざらでも……ってどうかしたんすか?」


 店の横の喫煙所で話ししてたんスけど、和歌子さんが急に険しい顔になって、某を物陰に引っ張り込んだっす……。


「な、なんすか……突然……」


 和歌子さんのバインバインを背中に感じて、某の血圧急上昇中っ!

 

「静かに……今、コンビニに妙なモン持った奴が入っていった……」


「……なんすかね。この匂い……」


 ふわっと風にのって、異臭が漂ってきたっす。


 嗅ぎ覚えはあるんすけど……なんとも香ばしい感じの匂い。

 うん、なんだか懐かしい気もする匂いっすね。


「こりゃ、火薬の匂いだね。なんでここでそんな匂いが……? と言うか、いつもの犬耳連中はどうしたの? いつもだったら、あたしのトラックが来ると、連中が交通整理やって誘導してくれるのに、可愛らしい女の子達がアワアワしてるだけで、ここまで来るの大変だったんだけど」


「なんか大型魔獣が出たとかで、ラドクリフさん達、今、まとめて出払ってるんスよ……。今、街の警備を担当してるのは、素人同然の親衛隊の子達だけなんすよ……」


 タカクラの旦那も言ってたけど、親衛隊の子達って一応、武器持って魔法使えたりもするんだけど。

 戦闘訓練もほとんどしてなくって、戦力的にはお飾り程度だって言ってたんスよね。


 実際、動きとか見ても、軍人とか戦闘員と言うよりも、コスプレ女子高生とかそんな感じだし……。

 

 このタイミングで、爆弾持ったボンバーマンとかヤバいんじゃ。


「ああ、そう言う事かぁ……となると、今ってここのセキュリティ、かなり杜撰なんじゃない? オーナーも入院してるって話だし……」


 確かに、なんとなく嫌な予感がするっす……。


「ちょっと、某……中の様子に見てみるっすね……」


 テンチョーさんが居るから、よほどのことがない限り大丈夫……と思いつつも、某の目に飛び込んできたものはーっ!

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