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異世界コンビニ、ネコ耳おっさん繁盛記! ハードモードな異世界で、目指せっ! コンビニパワーで、皆でハッピーもふもふスローライフ?  作者: MITT
第五章「結成、クロイエ親衛隊!」

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第四十四話「三大貴族令嬢達の対決!」④

「あはは、なんだい? 尻尾気になる? たまに勝手に動いちゃうんだよね……」


 実際のところ、僕の尻尾は完全に暴走中……ご機嫌そのものって感じで、荒ぶってる!

 

「ふふっ、タカクラ閣下、ジロジロ見ちゃって、すみません。獣人と言っても、わたくし達とほとんど一緒なんですね。お耳と尻尾とっても可愛いですね。ツヤツヤな毛並みで本物の猫ちゃんみたいですわ」


「ありがとう。ロキシスの方では獣人は珍しいのかい? 海があって、刺し身とか食べられるって話だから、一度くらいは行ってみたいと思ってるんだけとね」


 お刺身食べたーいっ! 一応、コンビニ商品でお寿司なんかもあるんだけど。

 半日、常温でほっといても傷まないミラクル寿司なので、あんまり食べたいと思えない代物なのよね……。


 どうせなら、無添加、保存料不使用……本物のお魚のお刺身食べたーいっ!

 

「ロキシスでは、獣人はまず見ないですね。でも、閣下がご来訪なんてなったら、街を挙げて歓迎いたしますよ! 新鮮なお魚に海の幸、食べる物は最高ですし、年中温暖な気候なので、海で泳いだりもできますよ! どうでしょう……国内視察って事で、我がロキサス港へ是非! ラキソムからなら、定期船でラトラス川を下っていけば、すぐなのでお手軽ですよ?」


「ええっ! タカクラ閣下はですね! まず我らが北方の視察に来て頂かないと……ほら、やっぱり親族の土地なんですからね。あ、北方は土地が肥えてるし、土に塩っ気が無いから、食べ物も美味しいんですよー! なにより、こっちに比べると、とっても涼しくて過ごしやすいんですよー!」

 

 唐突に、セルマちゃんがドーンと横から割り込んできた。

 なんと言うか……自己主張が激しい。

 

 もっとも、初っ端まくら営業って考えると満更愚策でも無いんだよなぁ……。

 実際、それなりに仲良くなっちゃったしなぁ……ミカン美味かったよ!

 

「いえいえ、閣下! 実を言うと、ケントゥリ号も間もなく進水式なので、まずはこちらですねー! やっぱり、閣下の手でワイン樽をパカーンと割っていただかないと! あ、これ完成予想図です……父上から預かって参りましたので、どうぞ御覧くださーい!」


 セルマちゃんを、肘でぐぃーっと撤去しつつ、ラトリエちゃんも平然と続けてる。


 って言うか……やっぱ、そんな事になってた。

 もう僕の船作っちゃってたのね……これ、行かないと駄目っぽいな。


 と言うか、ケントゥリ号見てみたーいっ!

 自分の名前を冠したネームドシップとか、浪漫すぎるだろ!


 ラトリエちゃんから差し出された絵葉書みたいな完成予想図には、黒塗りのガレオン船みたいなのが描かれていた。


「なるほど、これがケントゥリ号……僕の船……」

 

 いやいや、すごいなコレ……マストが四本もあるし、甲板で舵輪を持ってる人がチマって感じに描かれてる感じから、軽く50mくらいはある。

 

 多分、排水量500トンとかそれくらいは、ありそうだった。


 現代日本なら、200m級、排水量数万トンの空母みたいなのとか、割と無造作に作っちゃったりしてるけど、この世界でこのクラスの大型船って、かなり先進的なはずだった。

 

 確か世界一周を目指したマゼランのビクトリア号ですら、100トン無いような船だったから、ケントゥリ号なら、外洋航海だって余裕で出来そうだ……。


 この世界の船って、基本的に岸が見えるような距離までしか沖に行かないで、大陸沿岸部に沿って航海する沿岸航海を前提にしてるから、帆船っても100トンとか50トンくらいがせいぜいなんで、500トンともなると、世界最大とかそんなレベルの船なんじゃないかな。


 比較のためなのか、隣に護衛艦みたいなのが描かれてるんだけど、チマって感じに見える。


「どうです? 興味出てきたでしょう? お父様も閣下には、色々借りがあるので、是非まとめて返したいと申しておりましたので……」


 あー、そういや輸送船団の買収で干乾びかけてた帝国艦隊に補給物資を回す交換条件として、帝国に拿捕されてたロメオの大型商船を、無条件で全部返せや! ってやって、まとめて取り返したんだっけ。

 

 あれって、ロキシウス侯爵配下の船だったんだ……確かにそりゃ、貸しにもなるか。


 なるほど、向こうはそれですっかり借りが出来たなーと。

 

 そう言う事なら、うちの娘をどうぞってやったり、ネームドシップ作る名分も立つわなぁ……誰だって、借りっぱなしは気分よくない。


「お、思ったよりもすごい船なんだね。船のことは詳しくないけど、これってかなり大きいんじゃ……」


「はぁい! その完成予想図に描かれてる小船は、三本マストの一般的な帆船なんですが、ケントゥリ号はあの女神の使徒「海狩人」の駆る超大型船『暮れなずむ大海嘯だいかいしょう』に用いられている技術を丸パク……ではなく、我が国最新の造船技術と最高の素材を使って作られた、世界最大級の船となる予定なのですわー!」


 ふぉおおおおっ! 世界最大級の船ってなにそれ! やっぱ、そんななんだ!


 ケントゥリ号、すごすぎるよ!

 それはみたいっ! 是非、みたいなーっ!

 

 なんか、丸パクとか不穏な言葉も聞こえたけど、多分、気のせいですよねー!


「す、スゴいな……。女神の使徒の船をパクる……じゃなくて、参考にしたなんて……。『暮れなずむ大海嘯』って確か、チートの塊みたいな船じゃないの? そもそもどうやって……」


 ……僕は直接見たこと無いけど、『暮れなずむ大海嘯』ってのは、帝国所属の船なんだけど、軽く200mくらいある超大型帆船なんだとか。

 

 船長は「タカアシ・ダン」とか言う女神の使徒で、とにかく釣りが大好き過ぎる一種の変人で、自分で釣りまくった魚を冷凍保存して、各地の港にフラッとやってきては、大量の海産物を卸していくことで知られている。


 帝国所属と言っても、母港としてる港が帝国の大軍港ドラクロワで、そこでもないと、接岸出来ないからってだけの話で、その使命はお魚の美味しさと釣りの楽しさの伝道とかなんとか言う話で……どう考えても、おもしろワールド属性の使徒としか思えない。

 

 ぶっちゃけ、間違いなく、本人が楽しんでるだけっぽい……。


「あの船も別に、理不尽なまでのオーバーテクノロジーの船って訳ではありませんからね。単に少しばかり大きくて、時代を先取りしているだけの話なんですわ。なので、物資補給調達と海産物の売り込みで、ロキシスに立ち寄った際に隙を見て、素材サンプルを黙って頂いたり、外観図を作成させていただいて、そう……「参考」にさせていただき、ケントゥリ号に採用したんですのよ。うふふ、さすが閣下、解ってらっしゃるようで」


「まぁ……技術の進歩ってのは、模倣から始まるものだからね。パクリって言うと聞こえが悪いけど、参考にするってのは、悪いことじゃない。むしろ、そこから既存の船より、一歩進んだ先進的な船を作り上げるって言う技術力を評価すべきだね。何より、この世界では沿岸航行が基本なのに、その大きさとなると外洋航海を想定してる……となると、これは文字通り冒険の為の船、そう言うことかい?」


 うん、男だったら憧れるよなぁ……。

 未知の世界、未知の大陸への船出……まさに、男のロマンっ!


「なるほど、タカクラ閣下はモノが見えるだけでなく、極めて柔軟な思考の持ち主のようですね。お父様も閣下をとても高く評価されておりましたが、わたくしも同感です。素晴らしい! ケントゥリ号は仰るとおり、その気になれば、大陸の沿岸が見えなくなる絶海の外洋を進み、大海原の向こう側にあると伝えられる新大陸への道を切り開く新時代の船となる……そんな風にも言われてます。どうですか? そんなロメオ最大最高の船、ケントゥリ号の進水式、ご参列いただけないでしょうか?」

 

「いいえ、タカクラ農園を見てもらうのが先でーす! 今年の初物採れたてを旦那様に一番に食べてもらうんですからねー! 旦那様ーっ!」


 ラトリエちゃんを再びドーンとお尻で押しのけて、セルマちゃんが割り込んでくる。

 

 お、おぅ……なんか強いね、君。


「……いえいえ、ロキシスは世界最大の大港湾都市、そんな北方の田舎なんかと訳が違います! 世界最大って言葉、惹かれません? やっぱり素敵ですよねーっ! お父様もですが、街の人々も商船団の皆様も、閣下には借りがあると言っているので、是非!」


 ラトリエちゃんも負けてない。

 笑顔を崩さず、セルマちゃんの前に手をかざして、グイグイ割り込んで、セールストークを続行中。

 その背後では、お尻同士をガッツンガッツンぶつけ合うと言う謎の攻防を繰り広げてる……。


「ほ、北方貴族連は、ロメオ最大の貴族連合なんですよ? もう、王都から北はいきなり、うちの庭みたいなもんですから、もう行く先々で大歓迎っ! あ、北方には温泉もあちこちにあるんですよー! 旦那様、温泉とか大好きだって聞いてますよ! ひろーい貸し切り露天風呂に二人っきりで入って、お背中流しちゃったりー! きゃーっ! 私ってば大胆ーっ!」


 ラトリエちゃんのブロックなんて、なんのそのって感じで押しのけて、更に前進してくるセルマちゃん!

 

 なんだか暴走気味だけど、そうか……北方には温泉があるんだよな。

 そこの温泉モドキじゃなくて、本物のかけ流し天然露天風呂……それも貸し切り……。


 おまけに、セルマちゃんのお背中流しサービス付きとか……そのタユンタユンを泡まみれにして、背中をタユンッと! って、どんな風俗だよっ!

 

 おぉぉおおお、妄想がッ! 捗るゥっ!

 

「ええっ! セ、セルマちゃん、そ、そう来るの? ならば、わたくしも奥の手っ! 閣下、ロキシスには当家のプライベートビーチがあるんですよ? そこでは誰もが生まれたままの姿で過ごす……そこで、このわたくしと……」


 少し照れてるのか、ほんのり頬を桜色に染めて、潤んだ目で見つめながら、そんな事を口にするラトリエちゃん。

 すっと、タイトスカートを整えながら、その太ももをチラ見せする。


 って言うか、生まれたままの姿で過ごす浜辺って、それってヌーディストビーチって奴なんではっ?

 そ、そこで何するんだろ? ……続きを待ってるんだけど、もじもじして、言葉が出てこないような感じ。

 

 ラトリエちゃん……やや小ぶりの胸ながら、このタイトスカート風の制服の上からでもハッキリ判るヒップラインはなかなかのビューティフォー!

 

 それに、すらっと長い足と白い太もももポイント高い! ランシアさんも素敵だったけど、この子のお御足もかなりいい感じだぞ?


 ……妄想捗り中。

 

 照りつける太陽、青い海、誰もいない白い砂浜。

 

 恥ずかしそうに大事なところを腕で隠したラトリエちゃんが、僕の前に立つと、ゆっくりと恥ずかしそうに、彼女の生まれたままの姿を晒す……。

 

 ハイ、アウトーッ!


 目がァー! 目がァッ!

 

 全く……妄想の中でも倫理光線とは、参ったねっ!

 絶妙なところで、その胸とお股の部分は、謎の光の直撃でガードされてしまったよ。


 危ない、危ないっ! 倫理光線仕事してるなぁっ!

 セルマちゃんと違って、実物はまだ見てないからなぁ……この感じだと、男に見せた事なんて無さそうだし。

 

 そう考えると、このシチェーションは……萌えるっ!

 

 いや、しかし、これは、どっちもいいっ!


 どっちも行きたい! 凄く行きたーいっ!


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