表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界コンビニ、ネコ耳おっさん繁盛記! ハードモードな異世界で、目指せっ! コンビニパワーで、皆でハッピーもふもふスローライフ?  作者: MITT
第五章「結成、クロイエ親衛隊!」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

187/368

第四十三話「出撃! 親衛第一小隊!」②

「まぁ、要するにシャッテルン公爵令嬢が、僕の嫁さんってなると、シャッテルン公自体は、大変お得で美味しいことになるんだろうけど、他が黙ってる訳がないからね……要はロメオの政治闘争の引き金になりかねないんだ。場合によっては、君自身にも危険が及ぶかもしれない……」


 権謀術数渦巻く、宮廷闘争……はっきり言って、ロメオでもそんなのまったく、他人事じゃない。

 

 割と洒落にならないくらいには、水面下でいろんな思惑がうごめいているのだよ。

 最悪のケースとしては、セルマちゃんが邪魔な存在ってなって、暗殺工作仕掛けられて、命の危機にさらされるとか、そんな物騒な事もありえないとは言いきれないのだよ。


 なんせ、職業暗殺者……なんてのもいるからねぇ……。

 レインちゃんなんかの話だと、物騒な毒物なんかもごまんとあるって話だし……。


 こんな可愛い子がそんな政治闘争なんかに巻き込まれて、命を落とすなんて、冗談じゃないぞ。


「うーん、どうなんでしょお……? その二人にも娘さんがいて、私とも学院では同級生でしたからねぇ……。あの二人も親衛隊に志願してたんですけど、上手い具合に私の小隊が第一陣に選ばれるように働きかけて、まんまと二人を出し抜けたんですよ。私、こう見えて結構あざといんですよ。女といえど、強く狡猾にたくましく……我が家の女子に伝わる家訓なんですよぉ? でも、それって私の身を案じてくれてるって事なんですよね? 旦那様ってとっても、お優しい方なんですねぇ……改めて、好きになっちゃいます。えへへ……」


 ……そう言えば、そうだった。

 

 あの二人も宮廷晩餐会で、揃って同じ様に、うちに年頃の娘がいるから、嫁にもらってくれない? とか言ってきてたんだった。

 

 そして、同じ様に前向きに考えときましょう……そう答えたのだ。

 

 こらアカンで……ニューフェイス押しかけ嫁が三人とかなる可能性が大!

 やっべぇ、この世界じゃあの答弁って、NGだったのか。

 

 確かにアージュさんも言ってたよ。

 交渉の際、断る時は、他に解釈のしようがないくらい、はっきり断れと。

 

 どうも無意識のうちに日本での商談の時のクセが出てたみたいで、アージュさんが隣で聞いてて、この案件は断るべきだと助言されたのに、「前向きに考えてはおくので、いずれまた」なんて返答をしてたら、そんな返答があるかと、思いっきり怒られたのだ。

 

 確かに、「前向きに考える」=「そっちの条件次第だなー」と言う意味にも解釈できる。

 

 「考えときましょ」がお断りってのは、京都や大阪商人の常識で、日本人の感覚だと、相手を傷つけないように配慮した、やんわりとしたお断りって意味で使われる……政治家答弁でも毎度おなじみな文言なんだけど……。


 実際の所、僕も三大貴族との会談の際は、自分の立場上、その手の政略結婚などの話を受けるのは、色々と問題あると向こうにも納得してもらった上で、前向きに考えてはおくから、今日のところは……そう言って、話を打ち切ったつもりになってたんだ。


 でも、そんなもんこっちで通じる訳がなかったと。

 明確に断られなかった以上、何らかの受け入れ条件がある……多分、そんな風に考えちゃったのだろう。


 相手は僕が何を求めてるのか、必死で考える。

 

 どんな条件なのかは、よく解かんないけど、とりあえず強いカードをバンバン切ってゴリ押しとけば、僕も何らかの要望とか、交換条件なり出して来る……そうなれば交渉の時間。

 

 シャッテルン公爵は、そう考えた……多分、これはそう言う事なんだろう。

 

 実の娘を差し出すとか、そんなモン、古今東西最強カードだもんなぁ。

 

 初手から最強カードを切るとか、まさに勝負師。

 シャッテルン公も本気も本気の大攻勢を仕掛けてきた……そう言うことだった。

 

 実際、こんなん突っ返す訳にもいかず、受け入れざるを得ない。

 なんせ、この子……モノじゃないし。

 

 ……ここはひとつ、一歩下がる……戦略的後退が最善だよな。

 

 なにせ、今後のビックイベントとして待ち構えてるのは、クロイエ様の御親征。

 そんなビックイベントを前に、僕の嫁がどうのとか要らんことにかまけてる訳にはいかない。


 もちろん、国内政治基盤の強化って意味では、避けては通れないんだけど、こっちはすでに日程とか決まってしまっている。


 ぶっちゃけ、和平交渉会議っても会議が始まる時点、その前段階の予備交渉で全てが決まる……そんなもんなのだよ。

 

 国の代表同士の最終交渉なんて、その予備交渉がこじれた結果、最後の希望、一発逆転の望みを賭けてって感じになるか。

 

 もしくは、何もかも解決済みの上での茶番となるか……このどちらかだ。

 

 そして、その水面下の予備交渉を担当するのは、まさにこの僕なのだ。

 である以上、公務最優先……それはむしろ、当たり前と言える。


 オルメキア縦断なんて言う、国外遠征ともなると、遠征行の通り道になる国内の村とか町、オルメキアの国境警備とか、オルメキア側の町村の代表とかに話を通しておいたり、物資補給の手配やら休養先の選定とか、それら諸々の実地調査や交渉を担当する先遣隊が事前に旅立つって話にはなってる。


 その先遣隊に僕を入れてもらうことにして、一足先にトンズラこくか。

 

 隊長さんとして、親衛隊の面倒を見るって確かに引き受けたんだけど、先遣隊の交渉代表ともなると、限りなくそれは外交の世界……やはり対外的に顔が利く立場の者が随伴しないといけない。


 そうなると、なんだかんだで、僕が行くってのが話が早いのよね。


 ややこしい事になる前に、そうしてしまおう。

 どうせ、戻ろうと思えばクロイエ様に迎えに来てもらえば、一瞬だしね。

 

 この子は……どうしよう。

 この子だけ嫁候補入り、とかやったら、確実に政争の種になるし。


 適当に言いくるめて、保留にして、置いてけぼり。

 問題の先送り……これでいいや!

 

 つか、セルマちゃんもそれ以前の問題で、隊長さんなんだから、部下ほっといて、夜這いなんてやってる場合じゃないと思うんだよね。


 いずれにせよ、クロイエ様やアージュさんも交えて、相談だ。

 多分、それが最善手だろう。


「とにかくだ……セルマちゃん達も昨日は、到着が遅かったから、クロイエ様への挨拶もまだなんだろう? では、ひとまず、君に任務を与えよう……まず身だしなみを整えて、第一陣のメンバーを全員招集。僕と共にクロイエ様の元へご挨拶に伺うのだ。初の任務としてはなかなか光栄な任務だろ?」


 まぁ、この子の挨拶ついでに処遇を考えてもらう……そうしようっ!

 悪いが、さっそく隊長としての権限ってもんを活用するぜ?


「ハ、ハイッ! 光栄です! 仰せのままに致しますっ! って、そう言えば着替え途中でした……あ、あんまりこっち見ないでくださいねっ! やっぱり……恥ずかしいんですぅ……」


 着替え途中で下着姿だったことに、今頃気付いたのか、恥ずかしそうに、たわわな胸を揺らしながら、ワタワタとメイド服みたいな親衛隊の制服に着替え始めてる……。

 

 肩当てやら胸甲なんかもあって、赤ベース基調の武装メイドみたいな感じだけど、これがなかなか可愛い。


 なお、コスデザは、あの紋次郎大先生なので、スカート膝丈で短め、おヘソがチラリしてたり、フリフリいっぱいで絶妙に可愛い。

 

 やっべぇ、こうやって実物見ると破壊力抜群だな! さっすが、紋次郎大先生っ! 

 うんうん、やっぱりいいねぇ……!



「では、セルマイル二等親衛武官補、これより第一小隊招集の上で……えっと、どこに集まれば良いんでしょう?」


 ……なんと言うか、やっとお着替えが完了した……。

 きっちり、30分はかかったぞーっ!


 なんせ、この子……櫛すらも持ってきて無くて、髪の毛整えるのも、僕が手伝ってあげた。

 まぁ、尻尾の毛並み手入れ用のブラシくらいありましたからねぇ……なお、本来猫用ブラシであって、人間用ではないって事は黙っとく。


 本人は「裏編み込みの冠ハーフアップでお願いしますね!」とか言ってたけど、もうその時点で何言ってんのか、解かんねーっ! なので、無造作ストレートで妥協してもらった。


 いや、女子の髪型とかクシ入れるとか、勝手が違いすぎる……。

 きっと、世の男性諸君にとって、これが無茶振りでないヤツの方が少ないと思うのだけど、どうよ?


 さすがに、着替えくらい自分でなんとか出来るだろうって思ってたんだけど。

 

 思いっきり、モタモタ時間かけまくった挙げ句、ボタンを掛け違えてたり、スカート後ろ前逆だったり……もう、全然駄目っ!


 とにかく、なんとも不器用な子だって事は解った。

 

 今更なんだけど、この子……家では、侍女とかメイドさんとかが、お着替えさせてくれて、自分は突っ立ってるだけとか、そんなだったのかも。


 実際、下着以外の服着るのも、結局、僕が手伝わざるを得なくなって、当然ながらあっちこっち触っちゃったんだけど、全く気にする素振りもなし……。


 他人に着替えさせてもらうのに慣れ切ってるって感じで、まぁ、僕の予想は当たらずも遠からず……そんな感じだった。


 一人で服も着れないのに、夜這い敢行って……貴族ってのは、コトが済んだら、使用人呼んで、彼女に服を着せてくれたまえとかやってるのかな……。


 とにかく……なんか、すっごい疲れた。


「あ、ああ、集合場所? そ、そうだね……ひとまず一旦、コンビニ前に集まるでいいよ。それと……出る時は、裏口からって……解るかな? あと最後に、も一回クルッと回って!」


 僕がそう言うと、嬉しそうにバンザイしながら、くるっとターン。


 まぁ……パッと見、問題ないんじゃないかな? 僕も頑張ったぞ!


「うん、大丈夫かな? んじゃ、いってらっしゃい」


「はぁいっ! 旦那様! お着替え手伝ってくれて、ありがとうございましたっ! 裏口なら、解りますよぉ。事前にこの建物の見取り図は、当家の密偵より受け取ってバッチリ暗記してましたからね! では、行ってまいりまーすっ!」


 ……おおぅ、すでにシャッテルン家の手のものが入り込んでたのか。

 さすがに手が込んでるなぁ……つか、見取り図が作られてるって……どこから漏れたんだ? それ。


 外観である程度は把握できるだろうけど、こっそり建物の中まで忍び込まれてた可能性も……。

 しかし、密偵って誰だろうなぁ……冒険者とかに紛れてたら、判別なんて出来んぞ。


 セルマちゃんも割と素早い身のこなしで、部屋を出ていきかけると、最後にクルッと振り返って、にっこり笑顔でペコリと頭を下げて、まるで、勝手知ったるって感じで裏口から出ていったようだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ