表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界コンビニ、ネコ耳おっさん繁盛記! ハードモードな異世界で、目指せっ! コンビニパワーで、皆でハッピーもふもふスローライフ?  作者: MITT
第一章「猫テンチョーとコンビニ……異世界に建つっ!」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/368

第五話「キリカさんの異世界講座、はっじまるーよー!」③

「とにかく……この世界で、まっとうな商売やる以上、商人ギルドに加入するってのが基本なんやでー。もちろん、加入しなくても商売出来なくもないけど、面倒事ばかり増えるから、あまりお勧め出来んよ」

 

「なるほどね……商人ギルドか。キリカさんが加入してるとは言え、やっぱり僕も加入すべきかな?」


「せやな、奴隷のうちがライセンス持っとるとは言え、マスターはんも加入しといた方がええと思うで! モグリの商売人や闇商人共と、同類扱いされても困るやろ?」


「そうだねぇ……でも、ライセンスってやっぱ、一国限定みたいな感じなのかい?」


「違うでー。商人ギルドは冒険者ギルド同様、原則中立の大陸規模の組織なんや。AやSランクにもなれば、国境はフリーパスやし、どこ行っても色々優遇されるでー! 国によっては、兵隊が護衛してくれたりもするんやで!」


 ……すげぇな商人ギルド。

 国家の枠を超えた超国家相互互助組織とか、そんなもん地球にすら無いぞ?

 

 冒険者ギルドってのも、相当な規模だろうけど……多分、その商人ギルドは、国家にも匹敵する一大勢力なのだろう。


 ……なにそれ怖い。

 

「……それって、どの国も例外なし? 帝国ってのは、獣人を目の敵にしてるって話だけど、ライセンス持ってれば、僕らが近づいても平気なのかい?」


「んー、うちら獣人はなぁー。どう言う訳か、昔から帝国に、やたら目の敵にされとるんや……。帝国だけは、例えS級ライセンス持っとっても、うちら獣人がうかつに近付こうもんなら、色々難癖つけられて、良くて財産没収されて、国外追放。最悪、その場で殺されかねんらしいからな。ギルドからも獣人の商人は、帝国とその勢力圏内には、なるべく近づかんように通達が出とるくらいなんや……」


 ……酷い差別だな。

 英雄王をだまし討した挙げ句、グダグダに終わった侵略戦争……。

 

 獣人を目の敵にしてるようなその国是……帝国ってのが碌でも無い国だってのは、僕にだって解る。

 

 自分らの国よりデカい国土の国を侵略して……とか、普通に考えて無理ゲーだろうに……。

 殲滅戦争とか、やられる側だって、追い詰められたら死に物狂いの抵抗をしてみせるなんて、常識だっての……。


 結果的に、安定してた世界に、混乱と混沌をばら撒いてって……どんな悪の帝国だよ。 

 こう言う利害関係を突き抜けて、訳の解らんことをする独裁国家とか、考えうる限り最悪の国だよな……。

 

 もうひとつの法国ってのは、宗教国家らしいし……宗教ってのも、大概クレイジーだからな……。

 帝国が弱った隙に、これ幸いと聖戦とか言って、戦争仕掛けたりしてるあたり、思いっきりクレイジーだと見ていいだろう。


 この世界の人族の国……まともな国の方が少数派だとは……酷い話だな。

 

「……なるほど、僕ら獣人にとっては、帝国が厄介な存在なのはよく解ったよ。ところで、商人ギルドの加入となると……やっぱ、街まで出向かないといけないのかい? それと加入試験とかあったりするのかな?」


 ……正直、街には行ってみたい。

 

 異世界の街とか、どんなのが売ってるのかとか……どんな人達が住んでるのかとか。

 そりゃあ、興味も湧く……魔法とかも、使えるなら使ってみたい!

 

 魔法学園とかあったりしないのかな?

 

 従業員だって、5人は少ない……。

 どうも何かと物騒なところみたいだから、専任の警備要員だって欲しいし、仕入れ専門の輸送要員やその護衛だって必要になるだろう。


 この付近のことだって、自分の足で歩き回ってみれば、色々発見があるかもしれない。


 ミャウ族っても、ミミとモモはいい子みたいだけど……いかんせん身体が小さいから、戦力としては微妙だ。

 

 それに、多種多様な人種がいるなら、普通の人族とかもスタッフに入れた方が良いのは間違いない。


 でも、歩いて一週間となると遠いな……往復で二週間。


 僕が店を空けることが出来るまで、皆の熟練度を上げて、留守を任せられるようにする。

 可能なら、さらなるスタッフの増員も……バイト募集の張り紙貼っといたら、誰か来てくれるかな?


 ……うん、お金儲けもだけど、そこはやっぱ優先しないとだね。

 

 商売ってのは、一人じゃ出来ることなんてたかが知れてる。


 如何に、信頼できる有能な従業員を多く揃えるか、それがキモと言っても過言じゃない。

 ……人は大事、大事……ホントに。

 

「せやな……試験っても、最低限の読み書き計算が出来るかどうかの確認とか、そんなもんやで。あとは加入料を納める……それくらいかなぁ……。ホントは、商人ギルドの支部くらいまで、出向かないとアカンのやけど。この街道は、モグリの商人の取締でギルドのモンが巡回してたりもするからな。うちもいることやし、そいつにギルドに入りたいって言って、現場で加入手続きってのでも、構わんらしいで!」


 なんだ、その……漁協の鑑札みたいなのは……。

 

 まぁ、そうなるとそこまで厳格なものじゃないってことか。

 この世界の文字は……どう見ても、ミミズがのたくったような暗号にしか見えないんだけど。


 何故か、その意味は手に取るように解った……なんか、僕にもマルチコミュニケーションスキルってのが持たされてるのかもしれない。


 ……要するに、あんま深く考えなくても良いのかもね。

 

 とにかく、今ある商品だけでも売り切って、この世界で活動するための、軍資金を手に入れる。

 そして、商人ライセンスを手に入れて、大手を振って商売人ライフを始める!


 まずはそれだな……いやはや、キリカさん情報のおかげで、やることがしっかり見えてきたね。

 

「んじゃ、世界情勢は大体解ったから、次は自己紹介でもさせてもらおうかな。僕は高倉健太郎……年は37歳……おっさんだよね。種族はご覧のようにネコ耳族だね。このコンビニのオーナー、要するに一番偉い経営者ってとこだな……これで解るかな?」


 元は普通の人間だったって事は、テンチョー以外には伏せといた方が良さそうだった。

 この世界の情勢を聞く限り、人間と獣人の間ではそれなりの溝があると思っていいだろう。

 

 まぁ、ネコミミと尻尾が生えた以上、この世界では、僕は人間ではなく獣人扱いされるのは間違いない。

 立ち位置としては、問答無用で獣人側。

 

 キリカさん達もこんな風に最初からフレンドリーだったのは、自分達と同じ獣人だからってのが大きいんだと思う。


 普通の人間……人族からはどうせ、人間扱いされなさそうだし、うん、きっぱり人間やめます!


 僕は、ケモミミの為に、ケモミミを友として生きるケモミミフレンズ……これでいいや。

 

 そういや、考えてみれば、もし日本に帰れるあてがあっても、これじゃ帰れないよな。


 ……ネコ耳猫尻尾おっさん。

 

 誰得な上に、いいとこテレビのバラエティ番組に出してもらえるとか、そんなんだろう。

 珍獣扱いとか御免こうむりたい。

 

 元々、帰れるなんて思っちゃいないし……。

 テンチョーはネコ耳少女になって、ベタベタだし……大事なコンビニもここにある。

 

 ……なんだ、僕の大切なものは、ほとんど全部、ここにあるじゃないか。

 

 親父達は……東京23区の一等地のマンションもあるし、年金もらってるし……。

 別に心配はしちゃいない……異世界で元気にやってるって、伝えるくらい出来たらいいんだけど。

 

 まぁ、そこまで望むのは贅沢ってもんか。

 

 前向きに……この世界で生きていくことを考えよう。


「要するに、マスターがボスって事なんやろ? その辺は解るでー! ミミ、モモ……この人がお前らのマスターさんやで! ちゅうか、いつまでも食っとらんで、自己紹介くらいせいや! せっかくマスターはんが人語話せるようにしてくれたのに、お前ら美味い美味いとしか喋っとらんやんけ!」


「は、はいっ! わ、私……モモです……。あ、あの……い、いじめないでくださぃっ!」


 ロングヘアのおチビさん。

 

 最初の返事だけは勢いあったけど、右肩下がりで小さな声になってしまい、最後の方は蚊の鳴くような声。

 おまけに、じんわりと目尻に涙を浮かべてる……。

 

 ……な、なんかキュンってなった。

 守ってやりたい……思わず、そんな衝動に駆られる小動物系ロリ。

 

 ……思った以上に、破壊力あるな。

 おじさん、思わずドキッとしちゃったよ。

 

「い、いじめないよ……大丈夫だからっ! ねっ! 泣かないでっ!」


 なんか、僕が悪いような気がしてきた……実際、悪いのは確かなんだけど……。

 とりあえず、笑いかけると安心したように、はにかんだ笑顔をみせてくれる。

 

「は、はい……あ、あの……美味しいご飯……ありがとう……ございました」

 

 かわいいっ! 衝動的に、ギュッとしたくなったけど。

 それやったら、事案です! パワハラですっ!

 

「そ、そんな恐縮しなくてもいいよっ! ちゃんとお仕事してくれるなら、毎日ご飯もちゃんと食べさせてあげるから!」

 

「……ホ、ホントですか! それに私、皆さんと言葉……通じてるんですね……。なんだか、嬉しいですっ!」

 

 うん、すでに採用済みだけど、改めて採用決定!

 なんかステータス見た感じだと、治癒術とか元素魔術とか書いてあったし、この娘って魔法使いなのかも。

 

 いいぞ! いいぞ! 逸材ゲット! 強制雇用バンザイッ!


MITT作品恒例のロリキャラ、モモちゃんです。

特徴:かわいい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ