表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界コンビニ、ネコ耳おっさん繁盛記! ハードモードな異世界で、目指せっ! コンビニパワーで、皆でハッピーもふもふスローライフ?  作者: MITT
第四章「萌える月夜の決戦」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

171/368

第三十八話「使徒降臨っ!」③

 もはや、シリアスさんとかどっか行っちゃって、大惨事なんだけど。

 

 それでも、まだ頑張ってる辺り、なかなか根性ある。

 

 それに、実に良いタイミングでツッコんでくれた……おかげで、ミリアさんをひん剥かずに済みそうだ。

 さすがに、意識のない女性をひん剥くなんて、いくら神の思し召しでも、避けたかっただけにありがたい。

 

 ちょっとは見直したよ?

 

「いやぁ、そう言われてもなぁ……。なにせ、女神様とは月イチでBL本渡しに行く時に女神時空で会ってお茶してる仲だしね。女神様、僕の大ファンとか言ってくれて、めっちゃ加護とかチート授かってるんだ! 聖光教会の人も全然信じてくれなかったんだけど……。とりあえず、試しに武器なんか捨ててかかってきてみる? 今なら、加護の一つ無敵時空バリアー発動中だから、君が超凄技持ってようが、全然効かないし、オイラのゴッドデコピン一発で軽く返り討ちになると思うけどね!」


「ば、馬鹿な……女神が……貴様のような奴を……そんな馬鹿な! ありえないっ! 女神を……女神を冒涜するなーっ!」


 サトルくんが絶叫すると、その両腕が炎に包まれる……炎を自在に操る女神の使徒。

 

 なるほどね……面白い手品だ。

 

 でも、これ無理臭くね? 相手は神だよ? 神。


「にゅふふ……わーおっ! やる気なんすな? だが、お前みたいなイケメン、この指先一つで十分だおっ!」


 そう言って、紋次郎くんはビシッとデコピンのポーズをキメる。


「貴様っ! ふざけるなっ! 使徒を舐めるのも大概にしろっ! 紅蓮の炎に包まれて、燃え失せろーっ!」


 サトルが拳を振るうと、拳の形をした巨大な火の玉が紋次郎くんに向かって炸裂する!

 

 けど、紋次郎くんに届く前に、それはスゥーッと跡形もなく消えてしまう。


「そ、そんなバカな! 僕の最終奥義……ファイナルフレアが手もなく……かき消された……だと?」


「やれやれ、言い残したい事はそれだけかい? ハァアアアっ! ユアショーック! ちょっと愛で空とか落としちゃおうかなー? いきなり、秒殺とかかわいそうだから、イッツァ・デモストレーション・ターイム! 刮目せよっ! ラブ・ミー・テンダァアアアアッ!」


 そう言って、両手を掲げた紋次郎くんが謎の虹色のオーラに包まれる。

 そして、空に向かって、デコピンの仕草を繰り返すたびに、衝撃波のようなものが放たれていく。

 

 一発撃つだけで、猛烈な突風が発生し、あたりに霧が立ち込める。

 

 空を見上げると低く垂れ込んでいた雲が真っ二つに割れていた……。

 雲が割れて、星空と空に浮かんだ大きな月が見える……って、なんか表面に当たってんですけど……。

 

 立て続けに、月の表面に何かがあたって、どエラいことになってるのが肉眼でも解る。

 

 もう絶好調って感じで、アクロバティックなポーズを次々キメながら、空に向かってデコピンを続ける紋次郎くん。

 見る間に月の表面の地形が変わって、そこには、猫耳の女の子がウィンクしてるような模様が描かれつつあった。

 

 なにこれ……尋常じゃないんだけど……。

 

 と言うか……紋次郎くん。

 実はめちゃくちゃ、ヤバいやつだった……。

 

 こんなの真面目にやりあったら、テンチョーでも危ういかも。

 

 なにこれ? なんなのっ! 意味、分かんないし!

 これは……もう神の奇跡だ……さすが悶々崎先生! 貴方は、とっくに神の領域に到達していたのですね!

 

「うひょひょっ! どう? ラテ・アートならぬ、月・アートとかやってみました! やっべぇ、オイラ……軽く宇宙進出しちゃったおっ! この争いだらけの悲しい世界に……夢と希望とそして萌えを! 人々に幸あらんと願いを込めてッ! なんてね……テヘペロッ!」

 

「ば、馬鹿な……この尋常ならざる魔力……つ、月の形を変える……だと? ふ、ふざけるな……貴様っ! ほ、本当に人間か……?」


 正確には、月に萌え絵を描いてみただけどね……。

 多分、あの絵……大きさ軽く数千キロ単位とかだと思う。

 

 いやぁ、これはもう人智を超えた奇跡……神の所業以外何物でもないね。

 

 今後、この世界の人々は、この月を見る度に、紋次郎先生の奇跡を思い出すことになるのだ……。

 僕は……今、神の奇跡を現在進行系で目の当たりにしている。

 

 って、やっぱ、おもしろワールドじゃねぇか!

 

 サトル君も……さすがにこれは、どうしょうもないと悟ったらしく、両膝をつくとガックリと項垂れる。

 

 まぁ、当然だよね……君も僕も、矮小なる只人の一人なのだ。

 神の右腕、思い知ったかい? ドヤァッ!

 

「ほっほっほ! どうですかなぁ? これが女神に愛された使徒の中の使徒! 坂崎紋次郎の真の実力っ! もはや、振るうまでもない圧倒的な力ですぞっ! さぁ、返答やいかに! ……とりあえず、そんなカッカしないで、お茶でも飲みながら、お話し合いでもしまっしょ? ねっ? 某、実はこう言うのってあんま好きじゃないんスよ……ううっ! ボクちゃんがこの右腕を押さえているうちに頼むぜぇ……鎮まれぇっ! 我が右腕ーっ! もう良いんだ……もうっ!」

 

 紋次郎君、ゴッドデコピンスタンバイ状態のまま、それをサトルの目前に突き付けて、震える左手で右腕を抑えようとしている……右腕が暴走寸前とか、そんな演出なのかな……?

 

 とは言え、その威力は多分、サトル程度なら真っ二つどころか、肉片一つ残さず消滅する……ソレくらいには破壊力抜群だろう。

 

 たまたま、紋次郎くんの右腕の延長線上にいたランシア隊の女の子が腰を抜かしたようになって座り込む……。

 

 それを見たランシアさんが血相を変えて、彼女に横っ飛びタックルをカマして、その射線から逸らす。

 そのまま、二人して抱き合って、ガタガタと震えている。

 

 あのランシアさんが、ここまで怯える時点で尋常じゃない……。

 腕利き魔術師なだけに、この紋次郎君が指先にどれだけの魔力を集中させてるのかが、ひと目で解ったのだろう。

 

 うん、これは誤爆でだって、もらっちゃいけない。

 僕だって、直撃食らったら、蒸発する……逃げろ、サトルくん!

 

 もう、意地とか張っても意味がない! 死ぬな! 生きるんだ!


 サトルもそれを悟ったらしく、焦点の合ってない目で、力無く首を縦に振るとそのまま、土下座。

 

 あ、サトルくん……終了のお知らせ。

 

 その様子を見て、紋次郎くんも爽やかな笑みを浮かべると、デコピンスタンバイを解除して、僕に向かってバチコーンとウィンクしながら、サムズアップ!

 

 ひとまず、感謝の意を示すべく、ゆっくりと歩み寄ると、その肩にポムと手を乗せてサムズアップ!

 

 御見事ーッ!

 

 サトルくんは……もう顔面蒼白で、ガクブル状態で地面にうずくまってる……よく見ると、金色だった髪の毛も真っ白になってる。

 

 もうベッキベキに心折れてる感じだった……もはや、先程までの強気も傲慢もどこにもなかった。

 

 いやぁ……マジで、すげぇな紋次郎くん。

 こんなバーサーカーみたいなヤツを戦わずして、その心をへし折る事で無力化したよ。

 

 こないだのスライムの時も、モンジロー先生がいれば、一蹴だったのかも……。

 

 いや、それどころか、スライム大帝とかレベル5だかなんだかも秒殺だろ……こんなんがいるんじゃ、女神様も大帝とか、いつでも処理できるから、どうでもいいかってなっても不思議じゃない。

 

 モンジロー先生……アンタってヤツは……アンタってヤツはっ!


 すげぇよ! マジパネェ!

 

 と言うか……モンジロー先生、もうずっとダンジョンに引きこもっててイイですっ!

 

 か、神の右腕は萌え絵を描くためだけに使ってくださいぃいいいっ!

こういうのって、「デウスエクスマキナ」って言います。(笑)


主要ヒロインのイメージイラスト紹介を追加してます。

この最新話見てるような人なら、ネタバレも大丈夫でしょうから、ご覧あれ。


ヒロイン勢で気に入ったのがいたら、感想欄辺りで推し宣言でもしてくださいね。

外伝くらい書きますんで。


アージュさんとか、思った以上にイメージ通りのいいキャラ作ってくれました。

今日日のAIもやるねぇ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ