表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界コンビニ、ネコ耳おっさん繁盛記! ハードモードな異世界で、目指せっ! コンビニパワーで、皆でハッピーもふもふスローライフ?  作者: MITT
幕間2

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

143/368

閑話休題「メシマズエルフの食料改革」②

 ……そして、一夜明けて。

「森エルフの集落へお弁当持って表敬訪問 With カレー炊き出しのサービス付けちゃうぞ隊」が編成されて、出発する。

 

 メンツは、僕と料理の鉄人サントスさん、いつも二人一緒の仲良し運転手ミミモモ、用心棒キリカさんの4人、いや5人だ。

 

 それと、イケメンエルフのソクラン君。

 

 お店の留守番は、テンチョーと商人ギルドのラナさんと、ミャウ族のバイト戦士、ロロとミクって子達。

 まぁ、ミャウ族の二人はお掃除や品出しくらいしか出来ないけど、やる気はあるので、採用した。

 

 なんか知らないけど、ミャウ族の子達って、名前二文字で二人一セットって事が多い……。

 

 テテ、トトとか、ルル、モルとか……理由は良く解らないけど、生まれてくる時、高確率で双子になるので、二人セットで育つから、そんな感じになるんだとか。

 

 まぁ、双子っても所謂二卵性双生児で兄弟姉妹みたいなもん……ミミモモもそんな感じ。

 ……なるほど、まさに異世界の住民って感じだ。

 

 それと、商人ギルドの代表って事でパーラムさんも同行している。

 商人ギルドとしても、森エルフ族との交流は望んでいたようで、願ってもないチャンスって事で、割と嬉々として同行を願い出てきた。

 

 パーラムさんは、一言で言うと、有能かつ腹黒。

 まぁ、悪い人じゃないし、見た感じはゆるふわ系キラキライケメン。

 

 その背後には、常にきらきらとしたエフェクトが浮かび、歩くと背景に花が咲く。

 少女漫画から出て来たようなイケメンである。

 

 鹿島さんが送りつけてきた全自動無限軌道車は、ボイスコマンドで、ジャングルの道なき道だって、物ともせずに走る超ハイテク、ハイパワーマスィーンだ。

 

 ミミモモのお気に入りで、一人乗りなのに無理やり二人で乗っていくのはいつもの光景だ。

 

 僕らは、後ろに連結させたリアカーの荷台に荷物と一緒に詰め込まれてる。

 それでも、てくてく歩くのに比べたら、全然楽。

 

 日中は相変わらず、クソ暑いけど、そんなの今に始まったことじゃないし、アマゾニアで買ったUSB扇風機をモバイルバッテリーに繋いだヤツを何台も荷台に持ち込んでるんで、割と涼しい。

 

 ……ちなみに、無限軌道車にはUSB端子が付いてるので、スマホやモバイルバッテリーだって充電できる。

 スンバラシイね。

 

 リアカーのタイヤも、銃弾を打ち込まれてもへっちゃらと言うヘビーデューティパンクレスタイヤ仕様。

 ジャングルの道なき道だと、さすがにたまに窪みとかにハマって、スタックしてリアカーも動けなくったりするけど、パワーオブパワーな犬耳ガール、キリカさんがいるから、問題ない。

 

「……これはまた、凄いですね……。荷車に5人も乗って、こんな大荷物を積んでいるのに、軽々と引っ張ってどんどん進んでいくなんて……」


 ソクラン君が感心したように歓声をあげる。


「ホントなら、もっと早く進めるんだけどね……。道なき道で、道を切り開きながらだから、時間がかかってしょうがない。エルフの集落までって、ここからだと、どの程度かかるんだい?」


「そうですね……。僕らは移動する時はいつも、木の上を伝っていくので、それだと3-4時間くらいですかね。このペースだと、着くのは夕方ですかね。あの鉄の馬も休ませたりする必要もあるでしょう」


「機械に休憩なんて要らないから、休憩なしでもいいんだけどね。といっても、僕らの方が持たないから、お昼になったらお弁当タイムかな。まぁ、トイレ休憩とかいつでも取れるから、遠慮なく言ってね。けど、そんな近くだったんだ……。それだと君らだと日帰り圏内だったんじゃない?」


「そうですね。ワタリの者の話や、狩りで遠征した若い者達の間で、噂にはなっていたんですよ。けど、長老や年寄りがそんな得体の知れない所には近づいてはいけない……とか言っていて……」


 そいや、ソクラン君もむしろ逃げ出そうとしてた位だったからなぁ……。

 ランシアさんが、来てくれたから、安心したみたいだったけど。


「そうなると、ますますちゃんと挨拶しないとだよね。ねぇ、長老さんって何が好みなのかなぁ……色々積んできたけど、口に合うとイイね」


「そうですね。僕らもあなた方とは是非、友好関係を結びたいですからね。美味しい食事の為にもっ! 贈り物は……お酒とかいいんじゃないですか? いつも先祖伝来の薬草酒をものすごーくマズそうに飲んでますから。実際、ものすごくマズいので僕らはお酒飲まないんですが……ビールやワインは最高でした。あれを飲めば、きっと長老も解ってくれますよ」


 そんな風に締めくくられて、思わず笑ってしまう。

 美味いものに国境も世界の壁も無いからね……そんなもんだ。


 実際、ビールとワインも大量に積んで来ていた……物で買収する気満々だけど、そう言う事ならきっと効果抜群だろう。


 そんな話をしていると、車両が急に止まる。

 ミミモモが困ったように、こっちを振り返るので、前方を見ると、デカい木の幹が倒れて、完全に道を塞いでいるのが見えた。


「って……おっと、また丸太が道を塞いでるのか……キリカさん、出番ゴーだっ!!」


「はいなーっ! うちに任せときぃ!」


 キリカさんが、進路上で、道を塞いでたデッカイ丸太を軽々と持ち上げると、無造作にポイしちゃう。

 うーむ、相変わらずパワフルだなぁ……小型のショベルカーくらいなら、勝負出来るんじゃないかな? キリカさんって。

 

 ちなみに、さっきからキリカさん大活躍。

 リアカーがスタックしたり、無限軌道車が木に刺さっちゃって動けなくなっても、力技で解決してくれる。

 

 力技なら、うちの従業員ナンバーワン!

 

 でっかい蜘蛛とかトカゲも出てきたけど、あっという間に愛用のモーニングスターで蹴散らしてくれた。

 

 このメンツだと、戦闘員と呼べるのはキリカさんだけだけど、むしろキリカさん一人で余裕だ。

 伊達に、ソロ旅商人とかやってない。


 僕? まぁ、蜘蛛が出た時点で、パーラムさんと抱き合って、震えてました。

 パーラムさんも虫系モンスター苦手、思わぬところで共通点がっ!!

 

 ちなみに、僕らが通ってきたところは立派な道ができている。

 いいね! エルフさん達と交流するようになれば、きっとこの道が生きてくるだろう。

 

 商人ギルドがウォルフ族やミャウ族と色々契約して、仕事とか持ってきてくれたり、色々売りつけたり買い取ったりして、商売してるのに、森エルフ族は手付かずだったのは、シンプルに集落へ繋がるまともな道がなかったから。

 

 まぁ、エルフさん達が全般的に内気シャイってのもあるみたいだけど、たまに街道まで出て来て、野営地の行商人と物々交換……なんて話もよく聞く。

 

 エルフは、魔法に長けていて、手先が器用なので、マジックアイテムや細かい木工細工品とかを作るのが得意。


 特に弓の出来栄えには定評があって、軽くて丈夫、美しいデザイン……ドワーフ職人は、この手の繊細なものはイマイチ不得手なので、エルフ職人の手による一品物の弓は大変な希少価値があるとされている。

 おまけに、その手の一品物は大抵、魔弓と呼ばれる魔術効果がかかった物なので、市場に流れると大抵とんでもないお値打ち物となる。


 薬草を調合した独自の健康茶やら、薬とかも作れるので、意外とエルフ製の物品ってのは需要があるらしく、商人ギルドとしても、山に住む山エルフとの商売で、味を占めていたので、森エルフともなんとか取引出来ないかって考えていたらしいんだけど。

 

 里の場所も良く解らないし、道もない……確かに普通の人族には、厳しいわな。

 森エルフ族やミャウ族は木の上と言う、人族が真似できない独自ルートがあるからなぁ……。


 僕も猫系獣人だけど、そこまで身軽じゃない……木の枝から木の枝へジャンプで伝ってって……そんなお猿さんみたいな真似出来ない……。


 ミャウ族も交流を始めてから、実はものすごく広大な範囲をテリトリーにする狩猟民族的な種族なんだと知ったし……。

 

「しかし、この車は素晴らしいですね。灌木も茂み、小さな木でも、軽く粉砕して、道を作りながら進む。しかも、そのこの速度で……。コンビニ周辺の森の中にいつのまにか、いくつも細い道が出来ていたのは、こう言うことですか」


 パーラムさんが感心しながら、そんな事を言う。

 

 ちなみに、バンパーの前には衝角みたいなのが付いてるので、茂みとかもバキバキ粉砕して、パーラムさんの言う通り、道を作りながら、ガンガン進める。


 言ってみれば、ブルドーザーみたいなもん……この衝角は、邪魔なものを粉砕して、除けてひたすら突き進む事を想定したアタッチメントらしい。


 これの全力の体当たりとか食らったら、多分ミンチよりひどい事になると思うが、頼もしい限りだ。

 

「あはは……ミミモモも結構あっちこっち行ってるみたいだからね。と言うか、鹿島さんの話だと、未開のジャングルで、自分で道を作りながら進むって想定してたんだって、まさにこんな所を走るには打ってつけ。自然には優しくないけど、頼もしい限りだよね」


 ……まぁ、こんなパワフルな車両なんだけど、動力は謎、エンジンルームは密閉されてて、ガッツリ封印されている。

 

 ちなみに、時々、警告音と共にバシューと吹き出される排気は水蒸気っぽいけど、ヘリウムか何かが含まれてるようで、直接その排気ガスを吸い込むとしばらく声が妙に甲高くなる。


 ……実害ってもそんなもんで、別に顔も黒くならないし、煙たくもないんだけど、直接吸い込まないようにはしてる。

 

 ……と言うか、何をどうやったらヘリウムガスなんてものが発生するんだろう?

 あれはあれで、なかなか貴重な資源なんだがな……。

 


 まぁ、その辺にはあまり、触れないほうが良さそうな代物なのは間違いなかった。


この外伝、新作の合間に書いて、書き上がり次第アップしてるんで、

たぶん、そのうち更新ペース落ちます。


隔日とか2-3日置きくらいになっても、勘弁してください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ