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異世界コンビニ、ネコ耳おっさん繁盛記! ハードモードな異世界で、目指せっ! コンビニパワーで、皆でハッピーもふもふスローライフ?  作者: MITT
第三章「コンビニオーナーの異世界改革!」

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第三十五話「明日へのプロローグ」②


「ははは……けど、僕も立場上そうなると、色々ロメオ王国や他国の情報も集めないとだなぁ……。どんな都市や村があるとか……人口やら税収とか、特産品。その辺なんにも解らないんじゃアレだしねぇ。現地視察とまでは言わないけど、詳しい地図とか資料とかあればいいんだけど」


 まぁ、各地の特色や人口とか把握出来たら、流通網の増強……かねぇ。

 もっと早く、豪快にモノや人をやり取りしないと……今んところ、蒸気機関車……だよなぁ。

 これで、サクラバとラキソム……コンビニ村を繋げる……イイね!

 パーラムさんに相談したら、ノリノリで乗ってきそうだ。


 それに、資源分布……蒸気機関車を導入するとなると石炭が重要だし、日本に売れそうな資源は、戦略的に極めて重要だ。

 鉄にアルミにレアメタル。


 原油はどの程度の質なのかはなんともいえないけど、あると言う事が解れば、交渉材料としては十分だろう。

 

「そうですね……我々もそれなりの情報を持ってはいますが。詳しい資料となると、ラキソムの支部から取り寄せることになりますし、そこまで詳しいかと言われれば……最低限の公開情報程度になりますね」


「ふふん、そこら辺は我らに任せてもらおうか。なにせ、クロイエと言う便利な奴がいるからな。……クロイエ、今から城とここを往復して、ケントゥリ殿が欲する我が国の資料をジャンジャン持ってくるのだ。配下に命じて、ここまで取り寄せておったら、いつまでかかるか判らん。ここは貴様が動くのが一番早いであろう」


「なにそれ、面倒くさーい。……アージュ、高倉先生を我が居城へ……と言う訳にはいかないの?」


「馬鹿者……ケントゥリ殿は、ここから軽はずみに動けない立場なのだぞ。元々、無理を言っているのは我々だ。幸い我ら専用の別荘まで作ってくれたからのう。まったく、あんな快適な居室を用意されたら、サクラバなんぞ、帰りたくなくなるではないか。元々この国の暑さは殺人的だと思っていたが……あのクーラーというものは、実に素晴らしい。あの涼し気な風を浴びながら、かき氷アイスを食べる……最高の贅沢であった」


「そ、そうよねー! お食事もお城より、美味しいものばかり……選り取り見取りで太っちゃいそう……。昨夜なんて、外は夜でも蒸し暑いのに、部屋の中は寝苦しくもなく、お布団もびっくりするほどフッカフカ……おまけにランプや魔術の光も無いのに昼間みたいに明るいお部屋。……お風呂も外だったけど、昔お父様と行った露天風呂みたいで……。至れり尽くせり……むしろ、こっちを本拠地にしたいくらいね」


「であろう? そこで貴様の能力をフルに活用して、城とここを行き来して、政務に必要な物や人を次々こちらに移すのだ! ケントゥリ殿にもその権限相応に、部下を付けねばなるまい。なぁに、手狭になったら、金にものを言わせて、いっそ出城でも作ればいいではないか。つまり、ここを第二の居城とし、サクラバの本城と二重生活を送る……どうだ? すまぬが、我はここに常駐させてもらうつもりでな。ウルスラ達もそのうち来るであろうから、奴らには、せいぜい最前線の守りでも任せればいい」


「さすが、アージュ! そうよね! ここなら、我らが宰相たる高倉先生のお側にいられるし、すぐ相談が出来る! そうしましょう! と言うか、私もここで暮らしたーい! 毎日、プリンが食べられるとかもう夢みたーいっ!」

 

 クロイエ様、別人みたいに口調変わってるんだけど……きっと、これが本来の姿なんだろうな。

 

 そうだよ……子供が肩肘張って、虚勢張ってとか……誰がどう考えてもおかしいだろ。

 

 少しでも、重しを肩代わりできたら……そう思ったんだけど。

 こんな無邪気なとびきりの笑顔を見せられちゃうと……我ながら上出来かな。

 

 ……かくなる上は、僕もちょっと本気出す。

 

 それにしても、最高級ベッドとクーラー、照明付きのお部屋はいたくお気に召したらしい。

 つか、君たち、それでいいの?

 

 ロメオ王国の本拠地……サクラバとか言うでっかい都市らしいけど。

 その首都機能をここに持ってきて、挙げ句に遷都するとか言い出したりしないよね? 

 つか、出城なんて作ったら、お金や人も今よりもっと集まって……。

 

 なんか、このコンビニ村がとてつもなく、巨大化していく未来が……コンビニも今の広さじゃ、限界が見えてきたし……パーラムさんもラキソムに二号店とか、出店しませんか……なんて話もしてるし。


 そう言えば……僕に休みとかってないのかな?

 ……この分じゃ、しばらく無さそうだな……うん。

 

 まぁ……いいか。

 休み無しなんて、今に始まったことじゃないし……。

 地味に、僕自身パワーアップしてるから、休み無く3時間睡眠とかでもケロッとしてる。

 

 ナポレオンも顔負けじゃん……。

 

 まぁ、明日は明日の風が吹く……難題も山積みだけど。

 そこはそれ……なんとかなんだろ。

 

「……んじゃま、そろそろお昼だし……サントスさん、お腹減ったから、なんか作ってよ!」


 VIP席から顔を出して、サントスさんに呼びかける。

 サントスさんもでっかい鍋で何やらグツグツ煮込んでるところだった。

 

「おうっ! 話し合いってのは終わったのか……なら、この新作カレーでも食うか?」


「いいね! カレー! それも新作か……きっとヤバいんだろうな」


「ああ、ヤバいぞ……楽しみにしておけよ!」


「そうじゃ、サントス、今夜もここで宴会するぞい! 名目はケントゥリ殿の我がロメオ王国宰相就任を祝ってってところじゃな」


「そりゃまた、めでてぇ話だな! なぁ、ここの酒蔵……こうも連日、宴会三昧だと、どんどん目減りしていってるんだが、そろそろまとめて補充しても構わんかな? 上客も出入りするようになったから、安酒だけじゃ問題だろ?」


「まぁ……そうだね。ビールとか日本酒とか、コンビニ取り扱いじゃ駄目なの?」


「……いやな。今朝の便でこの高級酒のカタログが届いてな。どれもこれも見るからに美味そうでなぁ……旦那も宰相とかなったら、お偉いさんの相手だってするんだろ? だったら、高い酒も置いておかないといけねぇだろ」


 ごもっともなようで、自分の欲望全開のサントスさん。

 まぁ、料理人ってのは美味い料理を食べるのも大好きって人達だもんなぁ……。

 美味い料理と旨い酒……やっぱ、そうなるんだよなぁ……解る。


「どれ、我にも見せてみろ! これは……かなりお高いようだが、金に糸目は付ける必要なぞなかろう。我もこの度クロイエ陛下の筆頭補佐官に就任してな。ケントゥリ殿に次ぐ権力があるのじゃぞ? お主の言う通り、これからここで各国のお偉いさんを歓待する機会も増えるであろうからな……異世界の高級酒でも飲ませれば、ガードも緩くなる……つまり、これも外交カードのひとつになるのだ。よって、払いは任せておけ」


「そいつは、頼もしいな。このワインってもオススメだぞ。要はぶどう酒なんだがな。こっちの酸味の効いたぶどうの絞り汁なんかとは訳が違うぞ。念入りに濾して、樽の中で何年も寝かせて、熟成させる……この10年物とか、相当美味いんだろうな」


「むぅ……迷うな。まったく、この調子では、我も安酒では満足できなくなりそうじゃな! と言うか、我が国の酒作りを生業としている者共にも、同じものを作れぬか打診せんとな」


「そりゃいいな! そんな旨い酒が量産できたら、大陸中から我が同胞共が押し寄せてきちまうぞ! つか、もう結構な噂になってるみてぇだからなぁ……」


「我が眷属共も似たようなもんじゃぞ……ワタリの奴らや帝国におった奴らが、我の呼びかけに応えて、次々とこの地へ向かっておる」


「……はっはっは! なんだ……この調子じゃ、俺達亜人天国になりそうな勢いだな……獣人共も加えたら、往年のバランティアの復活も夢じゃねぇな!」


 アージュさんがサントスさんと、贈答用の酒のカタログを見ながら、あーでもない、こーでもないと始めてしまう。

 まったく……この呑んべぇ共は……。

 

 しかし、亜人天国か……そんな事になってるんだな。

 

 この調子だと、ここに人、物、お金がガンガン集まってきそうだ……。

 やることがますます増えそうだな……まぁ、それなりに人も付けてくれるみたいだけど。


 人がいるなら、どんどん任せりゃいい話だしね……。

  

 軽く伸びをしながら、サントス食堂から表に出る。

 

 今日も暑苦しくて、いい天気……たまには雪くらい降っても良いんだけどなぁ……。

 常夏の国にいると、冬の寒さが恋しくなる……。

 

 コンビニの様子を見ると、中でケリーさんとミミモモが忙しそうに立ち回っている。

 

「あ、オーナーさん! す、すみませんヘルプですーっ! もう無理ですっ!」


 僕を見つけたケリーさんが割と必死な感じで、店から出て来ると、助けを求めてる。

 おおぅ……思いっきり、レジがパンクしてるし、お客さん大渋滞で店の中が満員電車みたいになってる!

 

 午前中は、ケリーさんとミミモモと言う下っ端三人衆とテンチョーのはずだったんだけど……。

 予定が前倒しになって、会議にテンチョーも呼びつけてたから、お店が完全に手薄になってたんだった。


 三人いりゃなんとかなるだろって、高をくくってたけど、なんとかなってなかった!

 テンチョー結局、煮干し食べてただけで、何の役にも立たなかったから、むしろお店の手伝いに回すべきだった。


 また、やらかしたよーっ!

 

「わ、解った! すぐ行く……キリカさん、テンチョー! コンビニが盛況すぎて、大変なことになってる! 今すぐ、手伝って!」


「ええで! うちも結局、何の役にも立たんで暇やったしなー!」


「うにゃっ! お手伝いなら任せるにゃー!」


 慌てて、店の裏口へと駆け出すと、テンチョーとキリカさんが追いすがって、無造作に追い抜いていく。

 さすが、早い早い……と思ってたら、その後ろからクロイエ陛下まで!

 

「忙しそうだから、私も手伝ってやろう! 仕事ならちゃんと覚えているから、安心していいぞ!」


「……バイト代出すよ。じゃあ、今日もちょっと手伝ってもらおうか!」


 そう言って、二人して笑い合う。

 曲がりなりにも一国の女王様とその宰相なんだけど……。

 

 仕事となれば、オーナーとバイト。

 ……まぁ、こんな関係だって悪くないさ。

 

 今日もイレブンマートロメオ支店は、とっても大忙しなのであるっ!

########################

 第三章「コンビニオーナーの異世界改革!」

         ――完――

########################



ご愛読ありがとうございます。

ひとまず、猫耳おっさん繁盛記は、この第三章の完結で一旦休載とします。


なお、この「猫耳おっさん繁盛記」についても、なんか綺麗に終わってますが……。

ここで打ち切りじゃなく、続きがありますので、ご安心を!


次章、第四章は……。


「異世界日本出戻り望郷篇――刻の果ての真実――」


となります。


ロメオ王国の宰相、コンビニのオーナー……二足わらじで、駆けずり回る高倉オーナーの多忙の日々。


先王リョウスケさんの足取りを追って、クロイエ様共々日本を訪れた高倉オーナー御一行。

当然のように、ひと騒ぎ起きて……!


様々な思惑、策謀が繰り広げられ、オーナーたちは一つの真実にたどり着く!

そこで一体何を見るのか? そして――?


そんなに空けないとは思いますが、乞うご期待っ!

あと、どれくらい続くのかって? うーん、70万文字は超えるんじゃね?


※お知らせ

新連載、始めました!


ランキングタグにリンク張っとくので、是非ご一読を!

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