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異世界コンビニ、ネコ耳おっさん繁盛記! ハードモードな異世界で、目指せっ! コンビニパワーで、皆でハッピーもふもふスローライフ?  作者: MITT
第三章「コンビニオーナーの異世界改革!」

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第二十六話「おもてなし大作戦!」①

数日、お休みいただきましたが。

とりあえず、新作書きながら、こっちも書いてたら、

いつのまにか、二万文字くらい溜まってたので、再開します。

 かくして、僕らはコンビニに帰ってきた。

 

 ラドクリフさん達も帝国のスライム共を殲滅後、ミャウ族の縄張りラインとなってる大きめの川にまで、後退。

 橋の周辺に野営地を作って、そこを防衛拠点として……しばらく留まるつもりらしい。

 

 と言っても、防衛ラインの主力は例の四台の無人戦車が24時間体制で張り付いてくれてるし、ミャウ族からも人を出してくれたそうで、ラドクリフさん達も10人ほどを残して、順次撤退の予定らしい。

 

 なにせ、あの辺川以外なにもないからなぁ……。


 そんな長々と何十人も駐留となると、テント暮らしじゃ何かと大変だし、ラドクリフさん達警備隊の本来の仕事、街道警備が疎かになってしまう。

 

 その手の長期間の最前線防衛任務なんてのは、もう疲れ知らずの機械に任せるのが一番だよな……。

 

 そんな訳で、サントスさん特製のマイルド仕様カレーを食べながら、皆で食堂に集まっているところだった。

 メンツとしては、留守番部隊を率いていたランシアさん、途中で僕らの護衛として合流して、一緒に戻ってきたキリカさん。

 

 アージュさん、リードウェイさんやプラドさん達も一緒だった。

 

 案の定、今回の騒ぎに動員されてた和歌子さんもまざってるんだけど、ドワーフ軍団達と別のテーブルで酒盛り中。

 

 ちなみに、ゼロワンも目の前の広場にデーンと降りてきて、その勇姿を見せつけてくれている。

 初めて、明るいところで間近に見たんだけど、5mくらいのやたら角ばった真っ黒いマルチコプターの親玉と言った感じ。

 

 ……見た感じは、ローターが五個もあるせいか、黒くてデカいヒトデみたいにも見える。


 ちなみに、ローターのうち四つは、上昇下降、バランス制御用と傾かせることで推進力に変える……要するに、クアッドコプターと呼ばれるドローンと変わらない。


 残りの一つは、高速推進用に使われたり、メインローターの故障の際に、機体バランスを取るためなんかに使うらしい。

 

 一見、トラックに積めるような大きさじゃないように見えるんだけど、ローター部分は切り離せるようになっていて、バラバラの状態でトラックに積んできたんだとか。

 

 ちなみに、燃料はやっぱり水で、タイヤ式の専用メンテナンスロボットなんてのが周りをウロウロして、弾薬補充やら、点検やら勝手にやってるようだった。


 異世界の戦場で、メンテナンスフリーで戦えるようになってるとか、もはや呆れるくらいの話ではあった。

 

 話によると、メンテナンスが終わり次第、もっと敵地奥深くまで高空侵入して、帝国軍の動向を探ってきてくれるらしい……。

 機械ってのは疲れ知らずだから、こっちはもうヘトヘトなんだけど、全くお構いなしのご様子……。

 

「オーナーはん! お疲れやったなぁ……こっちも大変だったで! いきなり、日本からお店の電話に鹿島ねーさんから電話かかってきて、オーナーが帝国軍に襲われてるなんて、話しされてな! そうこう言っとる間に、トラックが何台もやってきて、例のオッドボールの旦那が総員起こしで、せいれーつ! なんて始めるし……。うちも帝国のスライムいっぱいやっつけたでー! 10匹から先は覚えとらんわ!」


 サントスカレーを食べ終わって、激甘で有名なMAXIMUMコーヒーで一心地付いていると、キリカさんが話しかけて来た。


 迷彩柄の戦闘服姿は相変わらず見慣れないし、今も腰に拳銃ぶら下げてて、ものすごく違和感ある。

 ちなみに、今やウォルフ族の戦闘員は皆、こんな感じの銃火器装備で……ひょっとしたら、この大陸でもトップクラスの戦闘力を持ってるような気もする。


 もっとも、顔も夜間迷彩のなごりで、心なしかガングロ風……まずはお風呂行って顔洗おうねっ!


 ……なんて言うと、なら一緒に入ろうやーとか言い出しそうだから、言わないけどね!


「私も、色々大変でしたよ! 昨夜は非番だったんですけど、非常事態ってことで、冒険者全員、皆集められて、警戒態勢……キリカ達が戻って来て、やっと警戒態勢解除で……。なんだか、凄い戦いだったみたいでしたね」


「ごっつかったでー! うち魔法は使えんけど、めちゃくちゃ遠くにいるスライム共を一方的に撃ちまくってるうちに、全滅してもうたんや……。銃ってのがヤバい武器だっての解っとったけど、ここまでとは思わんかったわ」


「そんなに凄いんですか? 弓とか魔法みたいなもんだと思ってたんですけど」


「すごいでー! このゴーグルかけると、自分が何処狙ってるか解るように、マーカーが表示されてな。さらに、敵がそこにいるから撃てって、四角いのが表示されてるから、そこに重ねて撃つ……そうすると、スライムが蜂の巣になるって寸法や!」


 ……まるっきり、FPSみたいだな。

 この調子だと、キリカさんも単純にマーカーにターゲットマーカー重ねて撃つだけ……みたいな調子だったんだろう。


「キリカさんもお疲れ様。僕もさすがに今回は死ぬかと思ったけど……。アージュさんとかも頑張ってくれて、テンチョーや、皆のおかげで無事に戻ってこれたよ。もちろん、キリカさんも! ありがとうっ!」


「うちは大して役に立てんかったよ。何より、そんなスライムが群れなして、攻め込んできとったなんて、思ってもおらんかった。そんな危なっかしいところへオーナーを行かせてもうたなんて、うちらの判断ミスや……油断しとったわ……すまんなぁ」


「そこは、気にして欲しくないなぁ……。それに、野営地への物資輸送に、ミミモモだけ連れて行くって言う最終判断を下したのは、他ならぬ僕自身だからね。誰かを責めるつもりはないよ」


「まぁ、今更、気にしてもなんも始まらんしな。しっかし、あのデカい空飛ぶヒトデみたいな機械は凄いなぁ……。本当に30分であそこまでテンチョー連れてってくれたんやろ? でも、日本の連中……ちょっと準備良すぎやろ……絶対、帝国軍のこと、知っとったんやと思うで! うちらも知っとったら、オーナーはんを行かせたりせんかったよ! もしかして、囮に使われたんと違うか?」

 

「いやいや、だからさぁ……行く行かないの判断は、僕がしたんだってば! 結果的に囮みたいになったようなもんだけど……それは、平和ボケてた僕の自業自得だよ。何より、僕があの場に居たから、サントスさん達を無事連れ帰ることが出来たんだ……。ミミモモにお任せとかだったら、みんな死なせてたんじゃないかって気がする」


「せやな……あの状況で、オーナーがおらんかったら、誰一人戻ってこれんかったし、今頃うちらが奇襲されとったかも知れへんな」


「……それとキーツさん達の事。ごめん……僕には、どうすることも出来なかった」


 ……今回の件。

 確かに、ミミモモ達やサントスさんは、無事に帰せたんだけど……。


 犠牲者ゼロという訳には行かなかったのは、紛れもない事実だった。

 

 キーツさん達、警備小隊の皆は……スライム共の最初の犠牲者になってしまった。

 その事については、誰も何も言わなかったんだけど……キリカさんにだけは、ちゃんと言っておきたかった。


「……気にせんで良いで。キーツもオーナーはんを守って、戦って死んだんやから、本望やろ。うちらにとっては、戦って死ぬのはむしろ、名誉な事なんやで! 戦って果てても、その魂は神狼フェンラルドの軍勢の一人として、召し抱えられるって言われとるんや……誇るべきやろ」


 そう言って、キリカさんも笑顔で応えてくれる。


 気を使ってるのか、本当にそう思ってるのか解らないけど……彼女は僕を責める気は毛頭ないらしい。

 現場で会ったラドクリフさんも「そうか……」の一言と、僅かばかりの瞑目だけで、それ以上は何も言わなかった。

 

 ……彼らにとっては、仲間の死だって、日常茶飯事なのだから……。


「けど……僕が油断してなければ……もしかしたら」


「だから、過ぎた事を気にしてもしょうがないっちゅーねん! それに相手が悪いわ……帝国のスライムには、うちらも散々煮え湯を飲まされとる……あいつらは、うちら獣人を殺すために進化したような奴らなんやで!」


「そうですね……気配もしないし、音も立てない……。私達エルフ族の耳ですら、奴らの接近には気付け無い。帝国のエルフの集落も奴らに襲われて、多くの同胞が命を落としたと聞いてます……」


 ランシアさんがうつむき加減でそう答える。

 エルフ族も帝国には、ずいぶんな扱いを受けているようだった。


「奴らは、帝国の侵略の尖兵やからなぁ……。けど、きっちり仇も取ってやったからな! 数千匹ものスライムをまとめてぶっ殺せたなんて、うちらにとっては前代未聞やで! 帝国もあれだけごっそり、虎の子のスライム共を失ったら、しばらく大人しくしとるやろな」


「……あれ全滅させたのって、そんなに凄いことなの?」


「凄いも何も……スライムが10匹もいて、取り囲まれるなんてなったら、普通は100人いても半分が殺されかねん……それくらいには厄介な相手なんやで! それが2000だか3000匹もいたって、なんやねんその数は! スライムがあれだけまとまった数で動いたら、誰も彼も訳がわからんまま、片っ端から食われて、集落一つどころか、一国が滅びるとかそんなんなってもおかしゅうないんやで! それを一匹残らず全滅させたなんて、帝国の奴ら今頃、口から泡吹いとるで!」


 そう言って、キリカさんが興奮気味にバンバンと僕の肩を叩く。

 サントスさんも、大鍋の前で腕を組みながら、ウンウンと頷いているし、他の人達も概ね似たような感じみたいだった。

 

「そうじゃな……我らが戦った敵の総大将。あれは恐らくレベル4……スライム共の上位個体の中でも生え抜きの代物じゃぞ。帝国軍のスライム全部かき集めても、アレ程強力な個体は10か20とかそんなもんじゃよ。あれ一体で戦局が傾くとかそれくらいの難敵なんじゃがな……。我の最強魔術ですら仕留められんかったと言うのは正直、誤算じゃった。あそこまで念入りに強化された個体をよく倒せたもんじゃ」


 ……まぁ、倒したのはテンチョーなんだけどね!


 ちなみに、テンチョーは、多少元気になってたんだけど、思い切り仕事明けで、20kmもの距離を爆走して、徹夜の挙げ句、帰り道も頑張ってずっと起きてたせいで、軽く限界突破してたらしく、戻るなり部屋に行って、バタンキュー。

 

 ご飯は起きたら食べるってんで、そのままにしてきた。

 モモちゃんが着替えやら身体拭いたりしてくれるってっ言ってたから、お任せだ。


 さすがに、それは僕がやっちゃダメな行為だと思うのよ。

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