アルフレッド少年の思想
今回はアルフレッド・リントヴルム視点です
俺にはかわいい妹がいる
俺達の最後の兄弟と思われる赤ん坊がつい、5ヶ月前に産まれたのだ
その子は滅多に産まれてこないという竜族の女の子
そしてその珍しさを遥かに凌ぐ真っ白さ
俺知ってるよ?
肌や鱗や髪が白くて血の色や血管の色以外の色がなくて真っ白なのは『アルビノ』って言うんだよね?
アルビノは太陽の光、紫外線に弱いらしいけど俺の妹は違う
俺の妹は 太陽なんかに 負けない
とても美しい白を太陽の光で反射させ
まるで自分を脅かす『もの』はこの世に存在しないとでもいうかのように、堂々として天を見つめていた
生後1ヶ月のころにまやかし草を自分の魔力で粉末状にしてしまったのは吃驚した
畏怖した
そしてなにより
感動した
あぁなんてすべてにおいて綺麗な子なんだろう
って
正直産まれて間もない赤ん坊に何をいってんだって思われてもおかしくないけどあの子を、レイミアをみたらきっと皆そう思うだろう
この子には誰も、神すらも敵わないって...
でもね、俺はそれでも心配なんだ
世の中には神にすら刃を向ける馬鹿な奴が少なからず居るでしょ?
そんなやつらが俺の大事な大事な初めてできた可愛い妹に物理的に刃を向けて
万が一
億に一でもそれが当たって怪我でもしたら
あの子の綺麗な白に朱が伝ったら
あぁ、想像しただけでも吐き気がするし
存在しない想像の産物を滅多刺しにして、俺のできる限りの強力な魔法をぶっぱなして
それでもまだ足りないからできるだけ苦しんで死ぬように放置してやりたくなる
そんなことが起こらないように俺が守らなきゃ
万が一だろうが億に一だろうがすべての危機の可能性を0にしなければ
あぁもうすぐだ
あと少しで里に帰ってあの子に会える
あの子が産まれる前は早く通いたくてしかたが無かった学校が今はとても邪魔で仕方無い
もしも俺が居ないときに何かあったらと思うと歯がゆくて仕方無い
里には両親も兄弟も居るがそれでも自分が近くに居たいでしょ?
最初の2ヶ月くらいは仕方無いからレイミアを学校につれていきたかったけど
家族と沢山口論をしたけど、それでも結局
他種族が沢山いる学校より一族最強と吟われる父と世界が誇る最古魔術学校創立以来の天才と言われている兄達がいる里の方が安全だと説得された
でも一番の決めては母の一言だった
普段温厚で優しい母さんが泣きそうに歪んだ顔で殺気を隠さず可愛い息子を殺したくないなんて言っていたせいもあり連れていけなかった
母さんの発言は消して冗談では無かった
それほどレイミアが大事なのだろう
確かにいまの俺では守るどころか危険にさらしてしまっていたかもしれない
強くならなくちゃ
賢くならなくちゃ
皆レイミアが大好きで、愛しくて、大事なのは同じなんだ
心配で
心配で
頭が、心が、可笑しくなりそうだけど...
俺が守れるようになるまで
レイミアを守る役目は貸しておこうと思う
何か元気っ子っぽく書きたかったのに何か黒い気がします...
この一家は病みすぎな気がする