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竜族族長の娘  作者: 五月雨 アルト
112/114

組分け










 あれからしばらく、私が驚きのあまりに放心していると、気がついた頃には式は終わり、数字の多い組から順に体育館から出ていく所でした。




 私の組は8組ある内の1組なので席を立つのは一番最後ですね。こう言うのは話を聞いていなくても前の人の真似をしていけばいいので良いですよね!


さて、私の前を歩くお隣さんはどんな方で.....








...............




..................







 え?






 思わずまたしてもフリーズしてしまいそうな思考回路を急いでただします。これが世に言う思考回路はショーと寸前って奴ですか。いけません、今は現実をどうにかしなければ...!




 何故今まで気が付かなかったのか、私の隣に座っていたのは、明らかに素行不良のギャルギャル様であられました......え、私この人の真似をして大丈夫でしょうか?



 見た目はつり目の美女で黒髪に金とシルバーのメッシュ、そして唇や耳には多くのリングや鎖系のピアスと言う...うん、とても若さをエンジョイしている見た目を、しております......よく言えば己を突き通す、悪く言えば素行不良......大丈夫でしょうか......




 え、と言うか今気が付きましたが、この列びですとこのギャルギャル様は私の前のお席の......あ、これは仲良くならないと集団リンチコースですね、わかります......




 と、とにかく教室に戻れば委員会係り決めやら交流会やらがあるはずです! 仲良くは無理でも当たり障りなく接してもらうくらいには行けるはず! ついでに自己紹介等も教室に行けば一斉にされるはず...! 名前を覚えてますよアピールで最初に攻めてみましょう!










ーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーー



 


~~ギャル視線~~






 私はルギャル・ラルセンという森の守りを主とする精霊一族の者です。



 今日から私は新入生としてこの国の学校に通うこととなるのですが、私にはこの学校の敷地に入る前から多くの不安が付きまといました。というのも、私は高貴で清楚な精霊一族というのに見た目が奇抜なばかりに常に誤解を受けて生きてきました。時には仲間はずれや軽いいじめを受けたこともあります。



この学校でもそうならなければ良いのですが......私には祈ることしかできませんでした......








ーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーー





 入学式が始まる瞬間、私は緊張を表面に出さないようにしながら入場の合図を待っていました。早く合図が欲しい、やっぱりずっと来ないで欲しい、やっぱり...そんなごちゃごちゃになった思考のなか、前を向いたのは合図が送られるおよそ5秒前、そしてーー




 私の前には清いオーラを発しながら堂々とその瞬間をお待ちになった女神様が居られました.....





 わ、私は何故今までこの女神の存在に気が付かなかったのでしょうか!? 精霊一族として気配や大きな力の流れには敏感な筈なのに......それほどまでに私は不安に苛まれていたというのでしょうか......あぁ、ごめんなさい女神様...貴女と言う大いなる存在に気が付かなかったのか私をどうか、どうかお許しください......






 私が自分の過ちに死にたくなる思いで席につき、式が終わるの待ち続けていると、最後の最後に私の横に座る女神様から視線が向けられていることに気が付いた。





 あ、終わった........




 女神様に私のこの奇抜な容姿を見られてしまった!! あぁ!! 私は何故今日に限ってマスクなどをしていないのでしょうか! しかもこの学校に通うに当たってプライバシーを侵害する魔法を弾くためにつけているピアスまでじゃらじゃらと......




 この奇抜な容姿のせいでこのかたに不真面目だと思われてしまったらどうしたらよいのでしょうか......




 



 私は泣きそうになりながら教室に戻り、私の組の担任という男の言葉にならい、挨拶をする。その自己紹介で私の後にお座りに成られている女神様がレイミアという素晴らしい、お名前だということを知りました。





 ですが......なぜ、何故私なんぞがレイミア様の前の席なのですかぁぁぁぁあああ!?




 レイミア様の視界に常に鎮座するなんてそんな、そんな畏れ多い事をするなんて......





今度こそ私は学校生活が終わったと思いました。






 が、しかしレイミア様はどこまで言っても女神様でした。







「あの」



「っ....! は、はい!!」


「ルギャルさんと言うのですよね?」


「わ、私の名前を...覚えて......!」


「勿論ですよ!...これからよろしくお願いしますね」



 そう、レイミア様は私に向かい挨拶をすると係りなども一緒にやろうと仰って下さいました......レイミア様は、見た目など、全く気にしておられなかったのです!!



 目に見えるものに惑わされず私の中身を見て、あろうことか私と仲良くしてくださると......!!



 あぁ......なんて、なんて素晴らしいお方なのか......




 レイミア様が私に話しかけてくださったお陰で、先程まで私達の事を遠巻きに見ていた者達がざわめき始め、レイミア様と何とか近づきたいと伺っていた者達が微笑んだレイミア様に恍惚とした表情を向ける。




 今まで何人もの生徒達がレイミア様の前後左右に座っている私を含めた者たちに鋭い視線を向けて来ていたのですが、レイミア様が自らその対象に話し掛けたことでその鋭さが霧散しました。







 きっとその事すらお見通しなのでしょうね.....





 レイミア様、レイミア様......









 私は............




ルギャルさんは精霊さんなので本当はとても穏やかという設定

そしてこの人の名前のなかにギャルをいれなければという使命感からこんな名前に......

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