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竜族族長の娘  作者: 五月雨 アルト
110/114

開幕はすでに

ルイ視点です。











--カタンっーー


 と、静かに扉の閉まる音がすると執務室と休憩室につながる扉がすぐさま開かれた。

開かれた扉からは概ね予想道理の面々が現れる。--先ほど出て行ったレイミアを除いた家族たちだ。

 その面々は黙ってこちらを見ているが、各々聞きたいことは同じであろうと当たりを付けて





 「--さて、お前たちが聞きたいことは大体理解しているし、隣で盗み聞きしていたようだから大体はお前たちも理解していると思うが--」


「...っかた......」


「? すまない、もう一度言って欲しい」


「...だから、聞こえなかったんだ」


「なに?...どういうことだ」


「竜族の血を引いていない母さんならともかく、此処に居る俺を含んだ兄弟全員がそっちの部屋の会話が聞けなかったんだ」





 その言葉に、私を含むすべての者が口を閉ざした。




 ......おかしいのだ。世界最強と謳われる竜族の者が"何の仕掛けもしていない"隣の部屋の音を拾えないなんて。



「魔法は?」


「僕が試したよ。それでもところどころノイズがかかったようになっていたよ。」


「...なるほど、つまり--」


「--僕たち以外の部外者が何処からか魔法で覗いていた...と、いうことだね。この部屋を覗いていたのか、里を覗ていたのかはわからないけど」



「......」



--あぁ、もちろんそのことに気が付いてすぐさま保護魔法を掛けたよ

アシュリーは話の最後にそういうとまた口を閉ざした。





 そもそも、この透視魔法や補聴魔法は、生物が持っている五感を補足するものが一般的だが、それとは別に、脳に直接情報をもたらし物事を"理解"するものがある。こちらの魔法は身体を補うのではなく、異物を投入させるようなものなのでとても危険とされている。故に、これらの魔法は魔法防衛組織により取り締まりがされている。世界で法的にこれらの魔法が使えるのはほんの一握りであり、それらの人々は名前が登録されているため、悪用すればすぐさま見つかるようになっていた。




 まあもっとも、未登録なものも探せばいるのだろうが、それらは余程の悪事の達人だろう。

未成年の未熟な魔法は安定せずある程度の者は大目に見られるが、成人すれば個人の意思関係なしにその者の魔力と使える呪文が自動的に登録される。故に、成人済みのものがそれらの魔法を未登録で使えるということは、その自動登録に認知されずにいるということだ。余程のステレス魔法の達人かそれらに関して強い協力者がいるのだろう。



--はたして、今回はどちらかわからないが、ますますあの子を一人で行かせるわけにはいかなくなった。




「アシュリー」


「わかってるよ、そのためにこうしてこそこそ隠れてたんだ」


「レオン」


「伝手はバッチリですよ」


「ノア」


「準備できてる...」


「アルフレッド」


「話している間に許可取ったぜ!」


「イレーネ」


「お友達は結構多いのよ? ふふふ...」






 各々の確認が済むと今一度ぐるりと各自の顔を見る。




皆同じような不敵な笑みを浮かべていることから確かな血の繋がりを感じた。





もちろん、自分も例外ではない





 さぁ、消えるのはどちらかな?




覚悟を決めて行かなくてはね




ここは御伽や遊びの世界ではないのだから......



一週間風で寝込んでました。皆様もB型インフルエンザにはお気を付けください。


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