0.はじめに
『和製ファンタジーにおける“魔法”の設定について』というテキストを、筆者が投稿したのは2014年2月のことです。したがって、かれこれ半年以上の月日が経っていることになります。
そのテキストの内容を繰り返すことは、書き手にとっても読み手にとっても不毛なことです(なので詳細を一々取り上げることは省きます)。
しかしいずれにしても、
「和製ファンタジーを取り扱うに際して、書き手はどのような考え方に依拠して“それらしい”魔法の世界観を作ればいいのか。また、どのような設定は省いてしまっても構わないのか」
ということを、そのテキストでは概説いたしました。
『和製ファンタジーにおける“魔法”の設定について』では、最終講にテキスト全体のまとめと、筆者ができなかったことを概括してあります。
その内容をもう一度確かめてみると、「属性魔術はどこまでを『属性』として取り扱うべきか分からないため、今回は考察しなかった」ということを述べていたことになります。
前置きが長くなりました。しかしとにかくこのテキストは、そんな「属性魔術とは何なのか?」という問題に果敢に挑戦してみようという筆者の野心のもとに成立しています。
で、いきなりで恐縮なのですが、本テキストには二つの注意点が存在します。
まず第一に、
「現段階で、筆者は属性魔術に関して体系的な説明方法を獲得していない」
という問題点があります。
この問題は実に説明が難しいので、続く「3.属性魔術の問いについての考察」で詳しく説明します。
そして第二に、
「体系的な説明ができない以上、本テキストは不定期更新になる」
ということが挙げられます。
すなわち、個別具体的な問題(それも、書き手の設定に影響するような問題)を逐一潰していきながら、なにかしら個々の問題に共通点(因果関係や相関関係、従属関係なども)があると判明すれば、それを体系の中へ組み入れる――、という方針を取ります。
一見泥縄式でとりとめのないことのように思われるかもしれません。しかし書き手が思い付きうる属性魔術というものは、やはりある程度類型が決まってしまうはずです。ゆえにこのような方針を採用しても、不毛な議論には陥らないものと考えられます。
能書きはこれくらいにして、先へ進みましょう。しかしまずは、魔術世界における大前提についておさらいしたいと思います。