メイドさんの活動日記・その三
男新キャラです!
うん、それだけ!
記載日・赤の日/光
私の友達?であるクリスが来てから一ヶ月が経ちました。
血狂いを領地に留めておくのは阻止したかったのですが、いると便利なのは認めたくないところですね。
でも、最近は勝手が過ぎます。
私とアリア様の仲を勘ぐったり、いらないと言っているのに巨大な魔物を狩ってきたり、アリア様の作った物を勝手に持ち出したり、挙句の果てにはアリア様で遊んだりと目に余ります。
その上、今日にいたってはアリア様を寝間着で屋根の上に放置するという蛮行に及んだのです。
アリア様は風邪をひいてしまいました。
クリスは縛り上げて吊るしておきましたが、どうせすぐに抜け出すでしょう。
今日はこの後、アリア様の看病をしなければなりません。
回復魔法で治せればよいのですが、生憎回復魔法はそこまで万能ではないのです。
一応書いておきましょう。
\(^◇^)/(アリア様、このエモジというのはなんですか?)
回復魔法とは?
回復魔法は大きく分けて二つあります。
一つは身体回復という傷を治すモノです。
こちらを使えるのは一部の者のみで、大抵が国軍所属となっています。
その点で言えば、クリスは身体回復が使えるので異常ですね。
まあ、私もかすり傷ぐらいなら癒せますけど。
それはさておき、この身体回復の欠点を上げるとするなら、回復中は激痛であるということですね。
その激痛で、貴族がショック死したなどという逸話もあるらしいです。
ホントかどうかは知りませんが。
で、もう一つは状態回復という内面の異常を癒すモノです。
毒や呪いといったものを消す浄化魔法などとも言われます。
こちらは一般的なモノで、魔力があれば大抵の者が使える魔法です。
欠点は魔力消費が激しすぎるというところですね。
一回使うだけで魔力過剰使用で倒れるという欠点です。
しかも、魔力が足りない者が使いすぎると寿命が短くなるという結果も残っているのです。
世の中、良いことだけというのはあまりないモノですね。
◇◇◇
記載日・青の日/光
アリア様が風邪をひいてから三日。
いっこうに風邪が治りません。
事ここに至って、やっとクリスも反省し始めました。
もしかしたら風邪ではないのかもしれません。
フェリエナにアリア様の看病を任せ、クリスと共に書斎で病の本を読みますが、あまり参考になりそうな本はありませんでした。
エッチな本は見つかりましたが。
異様に厳重な結界が張られていたので、アリア様への注意だけにとどめておきました。
結界の魔法陣を独力で完成させるなんて、流石はアリア様ですね。
使い方はさておき、ですが。
行き倒れの旅人が村に滞在していると報告がありました。
魔法使い風だったようで、警戒した方がいいのか指示を仰ぎに来たようです。
ちなみに、報告方法はアリア様の作ったデンワという魔道具で、遠くにいる相手と会話ができるとのことです。
正式名称はイトデンワとも言っていましたね。
一直線にしか使えないのですが、便利ではあります。
とまあそれはいいとして、流れの魔法使いについてです。
何でも女性の村人にパンツの色を聞く変態とのことです。
アリア様は自分で変態だと言っていますが、私にしかそういうことをしないのでその旅人よりはましだと思えました。
というより、その変態旅人知り合いかもしれないのですが……村人には連れてくるように言ってますので、明日には来るでしょう。
◇◇◇
記載日・藍の日/光
やはり知り合いでした。
私にとっては間接的で、クリスにとっては直接的な知り合いです。
壊れ始めていたクリスをナンパした相手でした。
肩を抱かれた瞬間、両手足の骨を粉砕したと聞いたのですが、今日クリスを見てまたナンパをしていました。
アリア様の為にも手加減して殴るように言っておいたので、薬の作成には問題無いでしょう。
彼は変態ですが、薬の調合だけは最高クラスらしいです。
なんでも、親が薬師だったらしくそれで覚えたらしいと、クリスが言ってました。
クリスは聞いてもいないことを聞かされて、当時は何度も愚痴を聞いた気がします。
まあ、ということなので、さっそくアリア様用の薬を作ってもらうために依頼したのですが、「俺の女になるならやってやるよ」とふざけてことをぬかしたのでクリスと一緒に半殺しにしたら、泣きながら「やらせてくださいお願いします」と言っておりました。
そして、旅人(名前はテリー)とクリスの三人でアリア様の部屋に行くと、私の下着の匂いを嗅いでいるアリア様が居ました。
二人は思考停止していましたが、私は何時ものことだったので虚ろな目をした病人から下着を取って、寝かせました。
再起動を果たした旅人は、何故か涙を流しながら「師匠と呼ばせてください」とアリア様に跪いていました。
良くわかりませんが、アリア様が元気になるなら何でもいいです。
早く元気になってほしいです。
今日の報告終了。
死にかけでもメイドさんへのセクハラをやめない!
そう、主人公的には「アメリアさんの泣き顔を見るまで、セクハラをやめない!!」といった感じ。
なんでこんな主人公になったんだろうか?