人間関係を観察した結果……どうしてそうなった?
こう、なりました?
あれ?なんでこうなった?
視点・アリア(全裸で奇声を上げながら疾走中)
おい、なんだ、悪意を感じるんだけど。
俺、服着てるし、何も叫んでないし、走ってもいないんだけど。
ねぇ、バカにしてる?
たまにだけど、バカにしてるよね?
オラァ、テメェちょっとこっち来いや。
◇◇◇
ふぅ……おっと、もう始まってる?
え?ちょっと前から始まってるの?
……よし、仕切り直しだ。
◇◇◇
視点・アリア(いつもニコニコアナタの隣に這い寄───)
シャラァァァァァップ!!
まだふざけるか。
よし、ここは俺が大人になろう。
本編にゆくぞ!
「……領主様、さっきから何してるんですか?」
「一人芝居」
「へ~一発芸ですか?」
「そんな感じ。あ、今日は領内の人間関係観察だから!」
「は?」
◇◇◇
エルフの人間関係を見にきたぜ!
……なんというか、過激すっわ。
「……あそこって、あんなの入るんですね」
「……うん、そうだね、入ってるね」
流石に我らの淫乱エターナルロリータエルフのエステラさんだぜ……俺達にできないどころか想像すらしていなかったことを平然とやってのける!そこに痺れる!憧れるぅ!
てか、エステラ宅の外から窓を挟んで中を覗いてるんだけど、完全にこっちに気付いてるのにやめる気がないよね。
むしろ、激しくなってるっす。
マジパネェっす。
これ以上ここにいると、大宇宙の意志に消されかねん。
「次行くぞ次」
「了解です」
「……」
「……」
「……もうちょっと観察してく?」
「……それが目的ですからね、しょうがないでしょう」
約10分、生命の営みを観察したのだった。
◇◇◇
次は健全に協会にやってきました。
今日も今日とて、一定距離を保ったカップルである。
最近、俺が気配を消すと一流の実力持ち以外が絶対に気付かなくなってきました。
覗きがし放題ですが、俺の一番見たい裸はガードが固すぎて、見れません。
一回だけテリーに透明になる薬(副作用で禿やすくなる)を渡したところ、姿が見えなくても気配とかでバレてフルボッコにされてるのを見たことがあります。
誰か……絶対に気付かれない覗き方、教えてください。
それはさておき、クリスさんがお茶を入れようとし、アッシュさんがそれを手伝おうとして手と手が触れあっただけで真っ赤になって距離を取る二人。
距離を取る時に一瞬見えなくなるほどの超スピードなのはデフォである。
てか……じれったいわ。
「何故そこで離れるし!」小声
「クリスさんもですけどアッシュさんもウブ過ぎるんですよ!!」小声
「くぁ~!「……すまん」じゃねぇよ!!お前はそれでも男か!!」小声
「クリスさんもそんな恥ずかしがってないでもっと触れ合いなさいよ!!」小声
お前らもう結婚しろ!
「何故積極的にいかない!」小声
「領主様!何かないんですか!?」小声
「うぬ!?何かないかと言われても……」
ポケットを漁る。
白のパンツだろ。
もう一枚白のパンツだろ。
黒のパンツだろ。
あと、淡いピンク色のパンツだろ。
サファイア強制変身スイッチだろ。
領民集合装置だろ。
「……何持ち歩いてんの?」
「え?」
「いやいやいや、こんなの常識だろ?みたいな目で見られても」
サファイアはホント、非常識だな。
まあ、そこがサファイアらしいところか!
「なんでしょう……すっごい理不尽な理解をされた気がします」
えっと、あと俺のポケットに入っているのは……ん?これなんだ?
……あ~ニトロか。
試験管に7割ぐらい入ったニトロなんちゃらだ。
地面に叩きつければ爆発するぜ。
……サファイアが五月蠅そうだから、黙っとこ。
他には……おぉ!何故かこんにゃくが!
しかも凄い濡れてる!
おや、偶然にもアッシュさんがクリスさんから視線を逸らしているぞ。
……クリスさんの首筋に向かって、シュート。
「ひゃ!?な、なに!?ヌルって!?背中!?なにこれ!?ひっ!?なんなの!?」
「どうした!?落ち着け!」
「いや!?なになになに!?ちょっとヌルって!?」
……なんか、予想以上に良い反応された。
サファイアと顔を見合わせ、無言で頷き合う。
「「逃げよう」」
見事なシンクロ率だった。
◇◇◇
さて、いろいろやらかした感があるが、もうちょい続けよう。
折角なので、新入りの人間関係を見ておこう。
……ん?
「……グチャグチャですね」
「……だな」
え~なんというか、とってもわかりやすい方々でした。
ヘス君はシルバーが好きなのはいいだろ?
そんなヘス君を好きなのが幼馴染さん。
で、そんな幼馴染さんを好きなのがヘス君の弟。
さらにその弟に好意を持っているのが幼馴染妹さん。
シルバー←ヘス君←幼馴染←弟←幼馴染妹
こういうことだ。
ついでに言うと、幼馴染兄はヘス君の母に……いや、これは見なかったことにしよう。
あ、ちょっと待った。
シルバー←ヘス君←幼馴染←弟←幼馴染妹←ソル&ルビス
残念ながら、見つけてしまいました。
あそこまで全力で隠れながら見るって、マジかあの二人。
俺とサファイアは見つかっても良いから、結構分かりやすい観察の仕方なんだけど。
窓から覗いたり、屋根上から見てみたりな。
「領主様、うちの領地って―――」
「言うな!!」
「でも―――」
「言うんじゃない!!」
「……そうですね」
……今日の観察結果。
他人の恋路は、見守るべし。
あと、うちの領地は……なんでもない。
アリア「こいつを見てくれよ!アメリアさんの脱ぎたて―――」
~しばらくお待ちください~
サファイア「……あ、ありのまま、今起こった事を話します!「領主様がパンツ片手にこちらに向かってきていたと思ったら、犬○家のように地面に埋まっていた」な、何を言っているのかわからないと思いますが、私も、何をされたのか、わからなかったです……頭がどうにかなりそうでした……催眠術だとか超スピードだとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてないです。もっと恐ろしいものの片鱗を味わいました……」
バンシー「楽しぃそうねぇ?」
サファイア「ふぉあ!?何時から背後に!?」
バンシー「五分前ぐぅらいかぁなぁ?」
サファイア「さ、さいですか……あ、領主様~生きてますか~?生きてたら返事してくださ~い。もしも~し?……し、死んでる!?」
アリア「ぶっこおすよ!?」
サファイア「ワンモア」
アリア「よろしい、ならば戦争だ」背後にロボ勢
サファイア「その喧嘩、買った」魔法少女化
バンシー「二人とぉもぉ、元気だぁねぇ」
~戦争中~
アリア「弾幕薄いよ!なにやってんの!」
サファイア「見える、私にも敵が見える!!」
アリア「魔法少女にまでなって、何を守ろうというのだ!!」
サファイア「それでも私には、守りたいモノがあるんだぁぁぁぁぁ!!!」
~戦争終了~
アリサファ「「……」」気絶中
バンシー「最近のぉ若い子は、随分強いねぇ~わたぁしもぉ、頑張らぁないとぉなぁ~」
ファリエナ「バカ二人、です」
アリス「まま、はやい」