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「ありがとう」  作者: ゆっぴーしゃ
3/3

お父さん



お父さんは地元でも有名な警察官だった。

正義感が強く、悪いことは何があっても絶対に許さない。反対に被害者への優しさと被害者を守る責任感を強く持っている人だった。



『お父さんは何で警察官になったの?』


まだ私が3才だった時、こう質問したことがあった。

そしたらお父さんは優しく笑って答えた。


「お父さんはね、小さい頃から人の役に立つ仕事がしたかったんだ」


「やくにたつおしごとー?」


「ふふ、そうだよ。まだ由依子には難しいかもしれないけどね。」


「ゆいこ3才になったもん!!わかるー!!」


「そうかぁ。お父さんはね、悪い人を絶対に許したくないんだ。嫌な思いをさせるのはよくないことだからね」


「じゃあおとうさんは悪いこをやっつけるヒーローだね!!」


「そうだね。でも絶対に殺しちゃいけないよ。例えどんなに悪い奴でもね」


「なんでー?悪いこなのにー?」


「だって、その人にはその人の人生があるだろう?お父さんに由依子とお母さんがいるように、ねっと」


「たかぁーい!!キャハハハ」



お父さんのその時の優しい表情が脳裏にちらついた。

今回のお父さんの死因は、逮捕に追い込んだ犯人が脅しで発砲した銃がたまたまお父さんに当たってしまった、との事だった。

お母さんは


「殺された…殺されたのよ!!何が不慮の事故よ…あの人を…あの人を返して!!」


と、ずっと電話の相手に叫んでいた。



______



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