↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元引きこもりのTS転生美少女と素直になれない一軍ギャル〜勇気を出して助けたら恋人になっていました〜  作者: あかぱん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
7/10

張り込み開始

金曜日、夜八時四十五分。


俺は駅裏の薄暗い路地、自動販売機の影に身を潜めていた。

黒いキャップを目深に被り、大きめのパーカーのフードを被った完全な不審者スタイルである。


(……待てよ)


自販機の反射ガラスに映る自分の姿を見て、俺は冷や汗を流した。


(薄暗い路地裏で息を潜め、友達のバイト終わりを待ち伏せする女子高生……これ、客観的に見たら俺自身が完全にストーカーなのでは???)


前世の引きこもり男が、美少女の身体でギャルの後をつけて張り込んでいる。

もし今お巡りさんに職務質問されたら、どんな言い訳をしても社会的に即死する自信がある。

『いえ、ストーカーを警戒するためにストーキングしてまして……』などという供述が警察に通るはずもない。


(いやいや、今はそんなくだらない自虐をしてる場合じゃない……!)


頭を振って雑念を振り払い、ドラッグストアの従業員用裏口へ視線を戻す。


勝負の時間は九時。

路地裏は街灯が切れていて、自販機の青白い光と、遠くの駅前通りの喧騒がかすかに届くだけの死角だ。人通りはほぼゼロ。

張り込みを始めて十分が経過した、その時だった。


カサリ、と路地の奥から乾いた足音が響いた。


(……来た!?)


息を殺して自販機の隙間から覗き込む。

裏口の鉄扉から十メートルほど離れた、ゴミ集積所の物陰。そこに、いつの間にか一人の男が立っていた。


暗くて顔まではよく見えないが、年齢は三十代から四十代くらい。ヨレたウインドブレーカーを着て、視線をじっと従業員用ドアに固定している。

ただの通りすがりなら、こんな暗がりで立ち止まる理由がない。


(ビンゴだ……! 本当に待ち伏せしてる……!)


心臓がドクンと跳ね、喉の奥がカラカラに乾いていく。

ネットの情報とマップの分析通りだったという達成感よりも、生々しい悪意がすぐそこにある恐怖が勝って、膝がカタカタと震えだす。


(落ち着け……スマホはポケットの中。防犯ブザーアプリは起動済み、ショートカットも親指の届く位置にある……)


何度もシミュレーションした手順を頭の中で反芻する。


ガチャン――。


重い鉄の扉が開く音が、静かな路地に響き渡った。

カバンを肩にかけ、疲れた様子で私服に着替えたリオが裏口から出てくる。


「ふー……今日も疲れたぁ……」


小さく伸びをするリオ。

その無防備な背中に向かって、ゴミ集積所の男がスッと音もなく足を踏み出した――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。