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皿洗い  作者: 古狗
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[第三章]

三田君やその次郎吉さんは山寺のようなところで育ったらしい。三田君自身は生まれたところが焼けてからずっとその山寺にいて、来る日も来る日も食器洗いをしていたそうだ。そして次郎吉さんは洗濯物を畳み続けていた。賽の河原のような食器と洗濯物の山がなくなって、免許皆伝(のようなニュアンスに聞こえたがそもそも何の免許か分からない、そもそも皿洗いって免許制か)してしばらくして山寺が焼けた。そこにいたみんなは散り散りになったらしい。

ある人は山寺の再興を目論み、ある人はただ自分が生きることだけを考えた。生きるためとは言え犯罪に手を染めるのは止めさせたいということで、三田君はこの町にやってきた。

人違いということはないのと訊くと、多分ありませんと答えた。着ている人ごと服を畳めるのは次郎吉さんだけで、山寺以外にそんなことができる人がいるとは思えないということだった。

三田君は私の方を見て神妙な顔で

「お嬢さん。ご迷惑お掛けすると思いますがどうかよろしくお願いします。」

と言った。

今までお嬢さんなんて呼ばれた経験がなかったし、何だか凄く気持ちが悪かった。思わずえっとか声が出たが、向こうははぁと気の抜けた返事をする。気の抜けたコーラって不味いのよねとか思った。

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