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Day1
一晩たったが、何も変わらなかった
突然の出来事で戸惑いは大きかったが、今までの記憶に前世の記憶がプラスされただけなので日常生活に支障はない。
問題は、…その前世の記憶の方に意識を持っていかれていることだ。
つまり問題しかない。
こうなったからには仕方がないので布団から起き上がって髪を整える。現世の俺は、少し地味めではあるが笑顔が可愛い女の子だ。
欲目もあるが、これは恋人ができるのも納得と言えるだろう
今日は以前から約束していたため、早速彼に合わねばならない
出掛けるに際してさっそく彼はエスコートする為に手を差し出してくれるが、素直に手を握るべきか非常に悩む。
俺が逡巡していると、
「恥ずかしがっているのですか? かわいい。どうか、あなたをエスコートする栄光をいただけますか?」
と、気を使わせてしまった。なんというか、違わないけど違うんです!
「ありがとうございます…」
ぎこちなくではあるが今度こそ手を握り返した。
恥ずかしがっていると思ってくれてるので、このぎこちなさも許容してくれると助かる