第六話:???
「うひゃひゃひゃひゃ」
不気味な笑い声が聞こえる、ここは帝都ヴェルヒディアの帝国軍事研究本部である。
そして、不気味な笑い声の主は 帝国軍事研究科研究主任アルヴィー・フォン・ドルグ少将 である。
彼の研究部門は、魔法工学・・・簡単に言えば、魔法陣というやつだ。
1000年以上前に廃れ、その技術形態すら残っていない物・・・本来ならば使い物にならない
だろう。
偶然にも、魔法陣学が盛んだった帝国には古代の文献が残っていたのだ。
だが、その用途は攻撃用・・・魔法が発達した現代社会には不要なものである。
しかし、彼は魔法陣を 武器 にするのではなく 防具 その物にしてしまおうと考えたのだ。
元来、魔法陣は魔力の少ない者でも魔法を使えるようにしたり、攻城兵器その物にしたりと
その用途は主に攻撃にあったのだ。
だが・・・魔導師の方が効率も良く、威力も高い。
魔法陣を使う意味がなくなったのである。
・・・しかし、この男の魔法陣学の使い方は一味違った。
魔法陣はその簡単さから重宝されていたのだが、彼はその魔法陣学の回路を複雑化し、その
効果を高めることに成功したのだ。
そして、魔法陣その物を媒体とし、剣や鎧を強化する・・・そう、魔法陣の用途を攻撃から
防御・・・強化に移行させたのだ。
その効果は絶大で、支援魔導師の需要を低下させ、攻撃魔導師に移行させることが可能になった。
要塞にも、武器にも、防具にも、なんと輸送用の馬車ですら、複雑な魔法陣を構築することが
出来れば、強化し・・・なんと、支援魔術師の3倍以上の働きをすることも可能となる。
この彼の開発が今後、戦況に大きな影響を与えることになるのであった・・・・・・・。