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53 おれに合った装備とは

 おれも帰ろうかと出口に足を向けると、ダンがぼそりと言った。


「おめえも、自分に何が合うのか、よく考えろ」


 足を止め振り返った。


「おれが?」

「そうだ。剣なのか、槍なのか。剣は片刃なのか、両刃なのか」


 たしかに。考えると色々ある。


「棍棒なんて、一番合わねえぞ」


 買って帰ったのを覚えているようだ。


「おれなら、何が合いそう?」


 ダンがじろっとおれを見た。


「力はそれほどねえ。腕の長さも普通。魔法を使うふうにも見えねえ。おそらく剣も未熟」


 さんざんな言われようだ。


「これだな」


 ダンは、細いフェンシングのような剣を出した。


「メイルだ」


 おれは出された剣を取った。


「これで、切れるのか?」

「切るんじゃねえ、刺すんだ。剣の腕がねえうちはな、刺すだけに集中したほうが、手っ取り早え。盾で防ぎ、急所を刺す。これだけ考えたほうが上手くいきやすい」


 なるほどな。戦闘ってな、やっぱり頭を使うんだな。


「ただし、メイルは折れやすい。ナイフも持っておくのがいい手だ」

「値段は?」

「メイルが300、ナイフが100だ」

「買った」


 カウンターに戻り、代金を払う。これも専用の鞘があり、10ずつ余計にかかった。


 おれは右利きなので、メイルは左の腰に下げた。ナイフは右だ。腰に刺すのではなく、太ももにぴったりつくように、上下に二つのベルトがついている。上のベルトを腰に巻き、下のベルトは太ももに巻く。


「しかし、おれに親切だな」


 ダンは嫌そうに顔をしかめた。


「ダネルの野郎が、次に来たら教えてやってくれって、うるさくてな」


 三男のダネル。あいつ、なかなかおせっかいだな。


「ダフのとこにも寄ってけ。見繕ってくれる」

「ダフ?」

「ああ、弟の防具屋だ」


 ダフは兄より早かった。おれの武器を見るなり、盾の棚から取りだした。


 楕円形で細長い盾だ。


「革と木のタワーシールドだ。この長い盾なら足元の攻撃も防ぎやすい」

「鋼のタワーシールドはないのか?」

「お前の武器はメイルだろう、少し動けるほうがいい。槍なら間合いが遠いぶん、重い鋼の盾でも相性いいがな」


 ご解説、ごもっとも。


「もらいます」

「300だ」


 ここまでくると、ダネルの道具屋に寄らないわけにはいかない。ダネルは、おれの装備を見るなり、にやっと笑った。


「兄貴たちが見繕ってくれたようだな」

「おせっかいなヤツだな」

「まあな、弱っちいヤツを見ると、ついな」

「まったくだ。弱くて困るよ」

「自分で、そう言える。お前は強いよ」


 おれは首をすくめた。


「さて、今までの戦闘を教えてくれ。俺も道具を考える」


 ダネルにそう言われ、おれは今までの戦闘を話した。何が重要になるかもわからない。時間をかけ、なるべく細かく正確に伝える。


 話を最後まで聞いたダネルは、あきれた顔をした。


「おめえ、よく生きてるな」

「それは、おれも思う」

「魔力石頼り、は辛いな。魔力石だけじゃなく、火炎石も持つべきだ」

「火炎石?」

「火の魔法を閉じ込めた物だ。中に入っている魔法の強さで値段が変わる」

「一番弱いのは、いくらだ?」

「20だな」


 思ったより安い!


「早く言えよ」

「聞かねえからだろ」

「まったくだ。弱い上にバカときてる」


 ダネルが笑った。


「あとは、回復石と煙玉、これは一個だけでもいい。おめえはまだ、回復石を使い続けて戦闘するような長い戦闘は無理だ」

「煙玉ってなんだ?」

「そのまんまだ。煙を出して、その隙に逃げる」

「早く言えよ」

「聞かねえからだろ」

「いや、お前に会う前だよ」


 あん? とダネルが首をひねった。


「どうやって会う前に言うんだよ」

「じゃあ、会うと同時か。おれはロクデナシだから、これを持っとけって」


 二人で笑った。


「じゃあ、ダネルが思う組み合わせで。ただ700Gまでしか買えない」

「それだけありゃ、上等だ」


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