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33 ネヴィス三兄弟

 翌朝、家の裏であらためて身体を洗い、街に出掛ける。


 朝一番でギルドに行き、難易度が星一つの最弱な依頼を探した。


  依頼内容:林檎畑の妖獣駆除

  報酬:50G

  敵:ラブー1体

  緊急度:火急


 おお、これいいんじゃない?


 モンスターの「ラブー」ってのがわからない。頭を捻って考える。


 この「ラスティ・アース」は現実世界のネットデータをAIがアレンジしている。そうすると、意外にネーミングは「オヤジギャグ」みたいなアレンジが多い。この「ラブー」の「ブー」は、ブタなんじゃないか? これに決めよう。


 いままで気にしてなかったが、「緊急度」という項目に気づいた。他の依頼書を見てみる。


「不急」が多い。急いでない用事だな。「至急」は急ぎ。この依頼の「火急」とは、よほど急ぎか?


 氷屋の依頼を思い出した。オヤジは「早く退治してもらわないと野菜が食い尽くされる」と言っていた。


 これもそうだろう。林檎が食べられてしまうのか。なら、昼までにこれを片づけ、午後から死霊退治にしよう。


 壁から依頼書を外し、マクラフ婦人の窓口に持っていく。


 昨日に話した間柄だったが、やっぱり反応はない。おれは婦人から視線を外し、「気にしてないぜ」と装いながら、婦人の動きに注目していた。


 婦人は、すぐにハンコを押さず依頼書の内容を読むと「くすっ」と笑ってハンコを押した。


 よし! 幸運の女神は微笑んだ。この依頼で間違ってない。


 ギルドから出ると、馬車停ではなく、道具屋を目指した。午後からの死霊退治に向けて、魔力石を補充したほうがいい。


 道具屋に入り、すぐカウンターに向かった。


「魔力石を二つ」

「悪ぃな。今、切らしてんだ」


 道具屋の男は、そう言って侘びた。代わりに魔力石がありそうな道具屋を教えてくれる。急いでいる時に限ってこれだ。おれは礼を言って、道具屋を出た。


 教えてもらった場所へ走る。今日の依頼は「火急」だからな。急がないと、あの日の氷屋のオヤジみたいに待たせたら悪い。


 教えてもらった場所は、裏通りの奥だ。マクラフ婦人と入った酒場のあたりなので、だいたいわかる。


 朝の裏通りは、とても静かだった。この通りは酒場が多いので、どの店も今は閉まっている。


 言われた場所に来ると、空き地だった。あらら? 間違ったみたいだ。


 後ろから、ぜいぜいと息を切らした音がすると思ったら、さきほどの道具屋だ。なるほど、教えたほうが間違ったのかな。


「悪いっすね。追いかけて来てもらって」

「てめえ、なんで走るんだよ」


 言われた意味がわからない。通りの反対側から、もうひとり、ぜいぜい息を切らした中年男が現れた。ヒゲを生やした男で、どこかで見たんだが。


 さらに、もうひとり男が来たところで、三人の関係がわかった。こうやって並ぶと似ている。三兄弟か。


 そして、武器屋、防具屋、道具屋の店主か。


 武器屋のヒゲ男が、息を整えて口を開いた。


「ちょっと聞きてぇ事がある」


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