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19 防具屋

 さて、今日の重要な買い物は防具だ。防具屋を探そう!


 と思いきや、探すほどでもなかった。


 昨日の武器屋の隣に防具屋があった。入ると、店の中はパーツごとに分かれて棚に並んでいる。盾なら盾、鎧なら鎧といったふうに種類がまとまっていた。


 鎧は話にならない。値段が高すぎる。盾を選びに奥の壁に向かう。


 盾が飾られた壁の前まで来ると、色々な種類があるのが解った。小さい物から大きい物、丸い物から長い物。


 オーソドックスな鋼の盾を手に取ってみる。


 頑丈そうだ。叩くとゴンゴン! といい音がした。ただこれ、どうなんだろう。棍棒と同じで、かなり重い。おれに使いこなせるだろうか?


 ゲームではおなじみの最弱装備もあった。革の盾だ。丸い木の板に、なめした皮を取り付けた簡単な物。


 盾が飾られた壁の横には「籠手(こて)」がある。腕につける防具だ。武闘家が好んで使う。いっそ、こっちにするか? 待てよ、二刀流という方法もあるのか。


 この防具屋は、隣が武器屋だ。二つの店を行き来して、ああだこうだと、組み合わせを悩んだ。それでも、最終的には基本的な物に落ち着いた。


 ・短剣

 ・革の盾

 ・革のブーツ

 ・革の手袋


 短剣は、ナイフとどっちにするか悩んだが、これから先は剣を使うことになるだろう。そこを考えると、短剣で慣れておいたほうが良さそうだ。長さはナイフと変わらないが、形が剣の形をしている。


 手袋と靴は、昨日の戦闘で学んだ。毒で刺されるとやっかいだ。手足も守るべき。


 それに、革の手袋をしておけば、いざとなったら殴ることもできる。いや、それはやめるか。手首を折るのがオチだ。小学校のケンカでしか、人を殴ったことがないのに。


 武器と防具の買い物を済ませ、街をぶらついた。


 替えの服を買う。靴下も忘れない。素足にブーツはきついから。あとは石鹸、ハブラシなんかも買う。


 ハブラシなんて、この世界だとないんじゃないか? と思ったが、あった。木の棒に毛が埋めこまれた物だ。さわった感じは、クリアクリーンの極細ハブラシと似ている。これは気持ち良さそう。


 色々と買い物をしたお陰で、手持ちの金は68Gまで減った。これは、早々に何か仕事をしないとな。


 そう考えながら馬車停で待っていると、前のおばあちゃんが、木の札を持っている。


「あのう、それ、なんですか?」

「あら? よそから来た人? これはね、この島で乗れる馬車の乗り放題札よ」


 定期券! そういうのもあるのか。売っている場所を聞くと、すぐ近くだったので行ってみる。


「50! いいとこつくなぁ」


 馬車の定期券は50Gだった。これは考える。


 このゲームって移動が多い。1Gとはいえ、毎日だとボディブローのように効いてくる。


 でも買うと残り18G。まあ、数日は暮らしていけるか。その間に簡単な依頼を受けよう。


 乗り放題の札を買って、もう一度、馬車を待った。


「おーい」


 向こうから、ヒゲを生やした中年男が走ってきた。誰だろうと思ったら、さっきの武器屋の主人だ。


「短剣のさや代を払ってくれ」


 短剣のさや代を計算に入れ忘れたそうだ。おれは自分の腰を見た。さやは、革製のベルトと一緒になっていて、腰に下げれるので便利だ。


 まあ、たしかに払った記憶はない。10G払った。


 ってまじか! 残り8G!一気に心もとない。ギルドに行って仕事を決めとこう。


 ギルドに行って、星一つの依頼を探す。なかなか高額な物はない。10Gから50Gだ。かと言って、星二つの依頼は無理だろう。


「墓掃除:100G」


 おお、これ戦闘じゃねえ。もはや短期バイト。でも今のおれには最高。


 墓掃除の依頼書を取り、受付に出した。おれはあえて、不機嫌な例のおばちゃんを狙った。


 最初の依頼は、なんとか成功した。ゲン担ぎだ。


 おばちゃんは、やっぱり無愛想にハンコを押してくれた。場所を聞くと、むすっと地図を広げ、指で指した。


 馬車に揺られて帰っていると、もう夕方だ。腹が減った。近くの「よろず屋」の前で降りる。


 おにぎりを買おうと思ったら、なんと売り切れ。ほかの食べ物もない。弱ったな。こんな時、現実の家ならカップラーメンでも、なんでもある。


 中世なんて、うんざりだ! そう思ったが、街に「干し肉屋」があったのを思いだした。ああいうのを買っとくべきなんだな。


 氷屋、まだ開いてるかな?急ぎ足で行ってみる事にした。


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