表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/46

6:私の知らない話1

「ユ……、新庄さん!ロ……、関口さんは?」

 カフェテリアを出て、多喜ちゃんを探そうとしたら、葉山先生に呼び止められた。

「はぁ……。兄さんもういいよ、ユリウスで」

 周りに人がいないことを確認して言った。

「ご、ごめん」

 しおらしく謝る兄は()()()から見てもイケメンだ。

「兄さんは、いつから気づいてたの?」

「ユリウスのこと?入学式で一目見てすぐわかったよ」

「多喜ちゃん……、ローザのことも?」

「……うん」

 昔っから兄さんはローザのことになると盲目的だ。

「さっき、メレディア妃がローザに突っかかりに来たよ。全く、相変わらずなんだから」

「そうか……。前と違って今回は容赦するつもりはないから、安心して」

 基本的にはいつも柔らかい雰囲気で、あまり怒るっていう印象のない兄さんが、すうっと無表情になる時は怖い、と思っていた。

「葉山先生は、普段から無表情で怖い」

 ストレートにそう言うと、兄さんはフッと笑った。

「前はね、柔軟に当たり障りなく笑顔でいることが俺の役目だった。けど、今度は違う。状況に合った対応をしてるだけだよ」

「今も前もローザにはデレデレだけどね」

「そりゃそうさ。ローザは俺の特別だから……」

 ローザの話をする時の兄さんは、辟易するほど甘い。それはきっとずっと変わらないのだろう。


「それに、今回は……ね。神に感謝したいくらいだ」

「そうだね……。兄さんにとっては好都合だけど、ローザが思い出したら、なんて思うか……」

 多喜ちゃんは、まだ全然思い出せていない。

 僕達が、異世界から転生してこの世界にいるということを―――


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ