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2:なんで?どうして?

 大学で出来た初めての友達、忍ちゃんは田舎者の私と違って、都会産まれ都会育ちで、都会に慣れない私にいろんなことを教えてくれた。

 大学の授業もかぶることも多くて、別々の授業の時も、お昼は待ち合わせして一緒に食べた。

 大学の外でも、かわいい雑貨屋さんや、お洋服の選び方、流行りのカフェに行ったり、二人で行動することが多くなって、急速に仲良くなった。

「なんか、不思議なんだよね。忍ちゃんといるのが馴染んでるっていうか、違和感なくて安心する」

 大学の帰り、駅に向かう途中の商店街で、タピオカミルクティーを買って、歩き飲みしながら私が言った。

「そう?安心する、とか言われると嬉しい」

 美少女がニッコリ笑っただけで、私ははふんと癒された。


「うわー、超!美少女じゃん!」

 突然、横からチャラそうな茶髪の男の子が、顔を出して、更に前に出てきた。

「ちょっと……、どいて」

 ビックリして固まってる私とは違い、忍ちゃんがハッキリ言った。

「うわ、こっちは気が強いな。君は?はは、かーわい。固まってるの?」

 更にもう一人、タレ目の人が現れて、進行方向を塞がれてしまった。


 こ、これが噂のナンパというやつか!さすが、忍ちゃんといると、違うなぁ……。

「ね?ちょっと俺らとお茶しない?」

「見えてんの?今、うちらタピオカ飲んでんじゃん。お断り」

 忍ちゃんが茶髪を避けて、通り抜けようとした。それについてこうと私も歩き出したら、タレ目に腕を捕まれた。

「オレ、君の顔好み。黒目が大きくて潤んでるみたいだし、その黒髪ストレート、撫でたい」

 ひーっ!気持ち悪い!!


「彼女に触るな」


 低く唸るような低音が聞こえた。

 きつめに捕まれた腕に、違う腕が伸びてきてタレ目の手をひっぺがした。

 その腕を目線でたどれば、知ってる顔が今まで見たことないくらい怖い顔になってた。

「葉山先生……」

 先生は男子二人を見ると、静かに言った。

「見たことある顔だな。ウチの学生か。問題行動として報告してもいいか?」

 強い言葉でもないのに、言われた男子は目に見えて怯えた。わかるよ。だって、先生から冷気が、ドス黒いもやまで見えてくるような怒気がハッキリわかるもん。

 男子二人は無言でダッシュして去って行った。


「関口さん、大丈夫?」

 さっきまでとうって変わった柔らかい口調で、葉山先生にのぞきこまれた。

「あ、はい。大丈夫です……」

 イケメンが目の前!あまりに眩しくて直視出来ない。

「ユ……、新庄さん。何やってんの?」

「ごめん、兄さ……、じゃなくて葉山先生」

 ん?

 なんか、今のやりとりおかしくなかった?

「二人とも、駅まで送ってあげるから真っ直ぐ帰りなさい」


 結局、そのまま三人で駅に向かい、改札まで先生は見送ってくれた。また大学に戻るらしい。

 すごく、すごーく、普通な対応にちょっと拍子抜けした。

 初っぱながインパクト有りすぎたせいか、勝手に葉山先生が突拍子もない人だと思ってた。

 なんか、怖くて避けていたのをちょっと申し訳なかったかな、と思った。


 *****


 けど。


「あなたが葉山先生に告白された人?」

 忍ちゃんが大学の外で用事がある、というので今日は久々にハーブガーデン奥で1人ランチをしようと、購買でパンを買っていたら、四年生の女生徒に声をかけられた。

 入学式直後はしょっちゅうあったこの手の質問も、最近は落ち着いてきてた……と思っていたのに、また引っ掛かってしまった。


「はい」と言ったら絶対グダグダ言われるし、「いいえ」と嘘をつくのもなんだか嫌で、なんて返事をすればいいのか言葉に詰まっていたら、機嫌を悪くさせたらしい。

「どうやって?」

「は?」

「どうやって、()()葉山先生と仲良くなったの?」

「『あの』って何ですか?」

 思わず聞いてしまった。

 明るく染めた髪をハーフアップにして、流行りの化粧と流行りのファッションに身をつつんだ男受けしそうな目の前の女性は、質問した私に驚いた顔を見せた。

「やだ。知らないの?葉山先生、あれだけ女生徒や女性の先生方にいいよられてるのに、いつも相手にしないどころか、表情1つ変えないのよ」


 *****


 今度は私がビックリだ。

 散々、なんで?どうして?と聞き出そうとした彼女は、私があまり答えないでいるとあきらめて去って行った。

 私だって聞きたい。

 なんで?どうして?私に?

 間違いだとしても、先生が求めてる人と私が似てるから間違えたんだろう。

 じゃあ、その似てる人って誰?


 そんなことを考えてハーブガーデンまで辿り着いたら、そこには先客がいた。

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