表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/46

15:私の知らない話3

「そろそろ戻ってくるんじゃないかな?お茶、冷めないうちにどうぞ?」

 ゆったりと穏やかに話す所は前と変わってない。かつてあった、威厳や近寄りがたさは取れて、今はとってもステキないわゆるイケオジに見える。


 兄さんが多喜ちゃんに全てを話す、というのを聞いて同席させてもらおうとしたら、断られた。

 多喜ちゃんが心配で、終わった後でもいいから会えないかと来てみたら、すでに兄さんが送って行った後だった。

 で、今、槇教授に引き留められて、研究室の教授の部屋でお茶を頂いてる……。


 槇教授がグランディス王だというのは、なんとなくわかってたけど、こうして面と向かって話すのは初めて。

 前世でだって、兄さんの上司…ではあったけど、直接言葉を交わしたことなんてそうそうなかった。


「君は……、ジークの弟のユリウス……なんだよねえ?」

 目の前に置かれた熱い紅茶をフウフウしてる所をじっと見られた。

「はい。なぜか女性に生まれ変わってしまいましたが、ユリウスの記憶を持っています」

「ふむ。「記憶を持っている」実に正しい表現だね」

 この一言で、多分、教授が私と同じことを懸念してることが分かった。

「……兄さんは……、葉山先生は「記憶を持っている」とはちょっと違うと私は思っているのですが、教授はどのように思いますか?」

 思いきって聞いてみた。

「彼女に……、ローザにこだわりすぎてるから?」

「あの……、これは身内だったからこそ感じたことかもしれないんですが、実はこの傾向は前世の、ジークハルトの時もあったんです……」

 こだわる、というより、もはや囚われてるような執着。

 私が覚えてる限り兄さんはローザに対して、今と変わらない執着を見せていた。

 過去の記憶を持っている今ならまだわかるけど、前世でも()()だった。

「確かに、彼は関口さんに出会う前から彼女をずっと求めていたね。ローザが転生していない、なんて微塵も考えてなかったようだよ。その割には出会うのを「待っていた」ように見えた」

「待っていた?」

「この現世に転生したとして、全世界のどこに転生するかわからないだろう?そんなに求めてるなら、普通なら探さないかい?効率はともかく、人通りの多い所に行く、とか何かしらのアクションをおこすのが普通じゃないか?でも彼はそんなことはなかった。出会うのが当たり前かのように、その時期を「待っていた」ように見えた」

 兄さんは多喜ちゃんと出会うのが当たり前だと思っていたの?

「まあ、それを言えば私達がこうしてここで何人も巡りあってるのも、不思議な話なんだがね」

 確かに。

「なんででしょう?引き寄せ合ってるの?」

 引き寄せ合ってる……。


 何が?

 ―――魂が?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ