マモノ紹介 第9章時点
〇=普通のマモノ ●=星の牙
〇マーシナリーウルフ
オオカミのマモノ。
極めて高い知能を有し、人間の戦い方や言語を学習、対策を取ることができる。
もし、人間がこのマモノのための武装を開発し、装備させたら、すぐに使いこなしてしまうだろうとさえ言われている。
また、自分より強いマモノに取り入って、さながら傭兵のように護衛し、自分もその強力なマモノに守ってもらうことで共生関係を築くことで知られている。
ヨーロッパ圏に広く分布しており、今日もどこかで人間と小競り合いをしている。
●ノーデッド
クマムシのマモノ。”生命”の星の牙。
クマムシは『乾眠』という能力を使って、あらゆる極限の環境を生き延びるとされているが、このノーデッドは普通に活動しながらも常時乾眠状態とでも言うべき対極限環境耐性を有している。
また、『星の牙』としての能力によって驚異的な再生能力を持っており、生半可な攻撃では傷つけた側から回復される。
耐久力に関しては全マモノでも屈指のものだが、攻撃性能は低く、相手に近づいて噛みつくくらいしかできない。ただし、ときどき立ち上がって獲物に一気に襲い掛かることがあるため注意が必要。
〇シーバイト
蒼い鱗を持つ、大型の魚のマモノ。
鋭い牙を持っており、これで相手に噛みつく。
魚のマモノの代表格と言える存在。あらゆる海に生息している。
〇エッジフィッシュ
小魚のマモノ。
ヒレが鋭い刃状になっており、これですれ違いざまに相手を切り裂く。
単体ならそこまで脅威ではなく、子供の力でも倒せてしまう。
しかし群れになった時は要注意。
数の暴力で、獲物を一瞬でズタボロにしてしまうだろう。
●ゾルフィレオス
サメのマモノ。”吹雪”の星の牙。
氷で身体を武装する能力を持つ。
サメの中でもホオジロザメに近い容姿をしており、同種が進化した存在と推測されている。
氷の鎧は極めて頑丈で、これを纏ったゾルフィレオスは魚雷の一撃にも耐え切ってみせる。そこから斧状に武装した氷の尻尾で潜水艦を叩き潰すのがこのマモノの必勝パターン。
今回は身体の一部を氷結、武装するだけに留まったが、海の中では全身を凍らせてフルアーマー状態になることもできる。
●スペクター
クラゲのマモノ。”雷”の星の牙。
電撃を発する能力を持つ。
触手の先端から電撃攻撃を放ち、敵を仕留める。
触手にはほとんど神経が通っていないようで、斬り落としても大して痛がったりはしない。時間が経てば再生してしまう。
本来は海に生息するマモノで、多くの生物の動きが鈍る海中にて、獲物を光速の電撃で狙い撃ちする強力なマモノである。
●ネプチューン
巨大な蒼いクジラのマモノ。”嵐”と”水害”の二重牙。
嵐を呼び、水を操り、対象を風のベールで包んで浮遊させる能力を持つ。
風のベールに包まれた対象には酸素も送り込まれ、本来はエラ呼吸のために海の外では呼吸ができない魚類であっても呼吸ができるようになる。また、対象は自分自身も指定できる。
北欧の海に潜むマモノとしては最強格であり、クラーケンと同等かそれ以上とされている。
現在確認されている個体数は、日向たちが遭遇した一体とその幼体のみであり、近年になって出現した『二重牙』であることから、このマモノもつい最近になって誕生したと推測されている。
●ラドチャック
イソギンチャクのマモノ。”濃霧”と”生命”の二重牙。
『電波妨害』と『獲物探知』の能力を持つ霧を発生させ、獲物を喰らえば喰らうほど成長する能力を持つ。再生能力によって、斬り落とした触手もすぐに復活させてしまう。
基本的には海底に生息しているが、地上でも問題なく活動できる。
赤紫色の触手はあらゆる攻撃を弱点としているが、ラドチャック本体の甲殻は凄まじい耐久力を誇っているという、極端な防御性能をしている。
能力による成長には限界があるようで、人間が見ていないところで暴食の限りを尽くし、海を飲み込むほどの大きさになっていた……ということは無いようだ。
一般的なイソギンチャクと同じく、ラドチャックも触手に毒を持っている。しかしその毒は、触れても少しかぶれる程度の微弱なものである。
〇ディーバイト
蒼い鱗を持つ、大型の魚のマモノ。シーバイトの亜種。
最大の特徴は、二又に分かれることで人間のような二足歩行を可能とさせる尾ひれである。
水陸両用のシーバイトといったところだが、二足歩行状態の時は機動力に欠ける。
ディーバイトの『ディー』は、Deckの『D』。
Deckとはデッキ、甲板のことであり、船に飛び乗って甲板上を二足歩行で暴れまわることからこの名前が付けられたとか。
〇ソルビテ
シオマネキのマモノ。
肥大化した左爪を持っており、この爪は非情に頑丈。あらゆるものを引き裂く鋏となり、あらゆる攻撃を防ぐ盾にもなる。
星の力の増量を受け、甲殻の硬さに更なる磨きがかかっている。日影が振るう『太陽の牙』をも耐えきってしまうほどに。
●モーシーサーペント
ウツボのマモノ。”地震”の星の牙
岩盤を身に纏う能力を持つ。通称、岩ウツボ。
大抵の場合は海底の岩盤を身に纏っており、その装甲は苔むしていることが多い。
モーシーサーペント本体は電撃に極めて弱いが、纏っている岩の装甲は電撃に強い。能力によって上手く弱点をカバーしているマモノである。
装甲は当然、物理にも強く、半端な火力ではこのマモノを仕留めきることはできない。
●クラーケン
巨大なイカのマモノ。”嵐”の星の牙。
嵐を起こす能力を持つ。
それ以外に目立った能力は無いが、その巨体を活かした攻撃は、余計な異能など不要と言わんばかりに強力。
普段は海の中に潜み、海中から人間の戦艦などに不意打ちを仕掛けてくるため、長らく人類はこのマモノに手も足も出なかった。
アメリカとイギリスがエクスキャリバーを開発したことで、海中に潜むクラーケンも狙い撃ちができるようになった。
ほとんどのクラーケンはエクスキャリバーの砲撃に耐え切れず、一撃で沈むことが多いが、今回のクラーケンは星の力の増量による強化を受けて、生命力も大きく増加していた。