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太陽の勇者は沈まない ~マモノ災害と星の牙~  作者: 翔という者
第24章 生命の果て、夢の終わり
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敵性個体紹介・第24章時点

〇ヴェルデュ


 ブラジル中に出現している、レッドラムとも違う謎の人型の怪物。見た目は植物ゾンビという感じだが、動きは(のろ)く、主な攻撃方法は噛みつきやひっかきと、生態もまた植物ゾンビ。


 その正体は、身体に侵入したロストエデンの細胞が発芽したことにより変異した人間。ロストエデンは、このヴェルデュたちがどのように倒され、どのような存在が自分にとって天敵なのかを調査し、次の進化の方向性を決定づける。


 ゾンビと違い、人間をまったく襲わずとも飢え死にすることはない。これは、身体に巻き付いている植物が光合成を行ない、死体を動かすためのエネルギーを生成するためである。


 ロストエデンの死に合わせてヴェルデュたちの体内のロストエデン細胞も進化し、それによってヴェルデュたちは姿を変える。


 第一形態は、上述のとおりの植物ゾンビ。


 第二形態は、第一形態より倍以上は筋肉質になった姿。動きも速くなり、その腕力は人間を一撃で死に至らしめる。


 第三形態は、第二形態のパワーはそのままに、より速度が上がりアグレッシブに動くようになった。両手には鋭い爪が生え、舌は槍のように長く伸びるようになる。建物の外壁などに爪を突き立ててよじ登ることもできるように


 第四形態は、第三形態とあまり変わらないが、腕が四つに増えた。これにより手数が増加し、四つん這いで動き回る際にも、より小回りが利くようになっている。


 第五形態は、第四形態とは打って変わって、外宇宙からやって来た侵略生命体のような雰囲気に。アーリアの民のように超能力で空中を浮遊し、生命エネルギーを凝縮したエネルギー弾で標的を攻撃する。また、第四形態以前よりも知能の向上が見られ、他のヴェルデュ個体とチームワークを取るような動きも見せる。



〇虫類ヴェルデュ


 ブラジルの大地に生息する様々な虫たちがヴェルデュ化した姿。ロストエデンが一度倒され、第二形態に進化した際、細胞の感染力も向上。これによって、最初は免疫によりロストエデンの細胞を受け付けなかった虫たちもヴェルデュ化した。


 蜘蛛やムカデ、アリやカブトムシ、群虫など、様々な種類のヴェルデュがいる。彼らもまたロストエデンの進化に合わせて、異形の怪物と化していった。



〇エドゥアルド・ファミリー


 エドゥが率いる、リオデジャネイロの治安を維持する自警団。武装は地元の軍隊から回収したもので、それなりに強い。しかし腕前は素人なので、ここまで来た日向たちの敵ではない。



●ユピテル


 ロストエデンとの戦闘で負傷したユピテルが、ロストエデンの細胞に感染してしまい、ヴェルデュ化した姿。すでにユピテル自身の意識は全く残っておらず、ヴェルデュの本能のままに北園とエヴァに襲い掛かった。


 ”(サンダーボルト)”の異能を宿す大鷲のマモノであり、電磁力を活かすことで、鳥類ならざる機動力で空を飛ぶことができる。また、電撃を宿した羽を発射するのも得意技。総合的に見れば、親鳥であるロックフォールよりも強力なマモノである。



■レイカ・サラシナ


 ARMOUREDの女性剣士、レイカがヴェルデュ化してしまった姿。ヴェルデュとしての適性があったらしく、元の人格はそのまま残っている。もちろん、これまで(つちか)ってきた戦闘経験もそのままである。


 ヴェルデュとしての欲望は「死別の悲しみを二度と経験したくない」というもの。そのために、これまで(うしな)った仲間たちの記憶を捨て、日向たちも仲間ではないと思い込み、絶対に自分からいなくならない新しい友達としてロストエデンを選んだ。


 ヴェルデュ化して増幅した精神エネルギーは、レイカの中で眠っていたアカネの魂を修復する時間を早めた。これによってアカネが覚醒し、レイカの動きを内側から阻害。ジャックたちの勝利に貢献してくれた。


・”二重人格ダブルフェイス


 もともとは、レイカの中に宿るアカネの人格を、自分とは別の思念体として切り離す能力。レイカはこれを利用し、自分の中に芽生えたロストエデンの意識を切り離して戦闘に参加させる。

 最終的には最大で十体の分身を召喚できるようになり、分身の戦闘力もレイカとほとんど遜色(そんしょく)なく、対峙者は苛烈な戦闘を強いられる。


・超電磁居合抜刀・大烈風


 レイカが得意とする超電磁居合抜刀に、エヴァからもらった『星の力』で覚醒させた”暴風”の異能を乗せた一撃。ヴェルデュ化したことで”暴風”の出力も大幅に上昇しており、その一閃は高層ビルを文字通り両断してしまうほど。まともに防御できる技ではない。



■エドゥアルド・ジュニオール


 通称エドゥ。滅びたリオデジャネイロの街の治安を維持する自警団エドゥアルド・ファミリーのリーダーを務めている。元々は同街の路地裏で生きてきたストリートチルドレン。レイカから致命傷を受けて、その傷がきっかけとなってヴェルデュ化し、日向たちに襲い掛かった。


 第一形態の時点で飛躍的な身体能力の強化が見られ、過剰なまでに重火器で武装。政府市庁舎のエントランスで暴れ回り、日向たちと交戦する。


 第二形態は、街中で他のヴェルデュたちのエネルギーを奪っている最中に日向たちと遭遇し、交戦。この時からすでに周辺から生命エネルギーを吸収する能力を獲得しており、さらなる進化を求めて手当たり次第にヴェルデュや生存者を襲い、生命エネルギーを奪おうとしている。


 第三形態は、ヴェルデュとしてのエドゥの完成された姿。極めて高い生命力を有し、おまけに半径一キロにわたって周辺から生命エネルギーを吸収できるため、まともに戦えば無尽蔵とも思える体力に疲弊させられることは必至である。


 最終的には日向の炎に焼かれて敗北。

 後に改心し、ロストエデンを倒すための最後の押し込みに一役買った。


貫く緑棘(ペネトナシオ)


 ヴェルデュ化したエドゥの必殺の一撃。腕のツタを硬化させ、()じりながら引き絞り、回転させながら相手に向かって先端を突き出す。さながらドリルで刺突を繰り出すようなものであり、生身で防御するのはまず不可能。被弾箇所から肉を(えぐ)られてしまう。


・広域式生命エネルギー吸収


 ヴェルデュ化が進行して新たに獲得したエドゥの能力。地面に触手状のツタを突き刺し、地面を通して周辺の生命体からエネルギーを無差別に吸収する。その吸収速度はすさまじく、ちょっと地面に立っているだけであっという間にエネルギーを吸い尽くされてしまう。


 発動までに手間もかからず、威力も攻撃範囲も申し分ない。相対した日向をして「今まで戦ってきた異能の中でもトップクラス」と言わしめた強力な能力である。


 しかし弱点も存在し、エドゥ自身の身体はエネルギー吸収の範囲外であるため、相手に身体の上によじ登られたら回避されてしまう。また食べ過ぎの概念もあり、一度使うと連続して使用することはできない。



■北園良乃


 日向の最初の仲間であり、互いに愛し合う関係。そして、自分が愛する日向を守るために、ロストエデンの細胞を受け入れてヴェルデュ化した。


 日向を存在消滅の危機から救うには日影の撃破が必要不可欠であり、そのためにも北園のヴェルデュとしての進化は「とにかく強くなる」という方向性になっている。超能力の出力そのものが凶悪と呼べるほどに向上しており、その火力は、個人であるにもかかわらず戦艦の艦隊にも(たと)えられるほど。


 最終的には日向と一対一で戦闘。

 あらゆる面において、戦闘能力は北園が日向を上回っていたが、彼女は敗北した。


・目視超能力


 ヴェルデュ化した北園が新たに獲得した能力。今までは両手を使うことで超能力をコントロールし、その力が発言する指向性を決定していたが、ヴェルデュ化した北園は超能力を発現させる対象、あるいは目標地点を目視するだけでピンポイントで超能力を発動することができる。


 これを利用し、攻撃対象を体内から発火させたり、体内の血液を氷柱(つらら)にして串刺しにしたり、脳髄を電撃で焼くといった芸当も可能になった。



★ロストエデン


 狭山がこの星の環境や生命を絶滅に追いやるべく生み出した、七体の『星殺し』の内の一体。不死と疾病を(つかさど)る怪物である。


 何度倒しても復活し、そのたびに進化して強くなるという特性を持っている。正しい方法で倒さなければ、ロストエデンは際限なく復活し、そして際限なく強くなってしまう。


 自分の細胞を風に乗せて、はるか遠くまでばらまき、ブラジル中の生命体を自身の眷属……ヴェルデュへと変異させていた張本人である。


・第一形態


 ロストエデンの象徴でもある真っ白な花、それを巨大化させたような姿。戦闘力は皆無であり、全ての『星殺し』の中でも文句なしの最弱である。

 とはいえ、この状態でも自身の細胞をブラジル全土に拡散し、ヴェルデュを発生させていた。


・第二形態


 日向たちが「白いヴェルデュ」と呼んだ姿。それなりの戦闘力を有しているが、それでも日向たちが全員で油断なくかかれば、まず負けることは有り得ない程度の強さ。細胞の感染力は大きく向上し、ブラジルの虫類たちをヴェルデュ化させることに成功する。


・第三形態


 第二形態よりさらに大柄になった人間型。いよいよ身体能力は超人的な域に到達し、日向たちでも油断ならない敵となった。また、細胞の感染力はさらに向上。緑化現象によって生まれた植物をヴェルデュ化し、操ることができるように。


・第四形態


 日向たちを追いかけてリオデジャネイロに乗り込んできた時の姿。ここから自身の生命エネルギーをコントロールできるようになる。生命エネルギーを凝縮し光弾として発射できるようになったほか、背中から噴出してブースターよろしく飛行することも可能。


・第五形態


 身体は第四形態から一気に巨大化し、見上げるほどの大きさに。立ち上がれるほどの脚力はないのか、常に四つん()いで動き回る。花開くと同時に爆発する(つぼみ)を自在に咲かせたり、空気中に舞う細胞を暴走させて爆発させたりと、戦闘能力も大きく向上している。


・第六形態


 上半身は人型、下半身は蛇のように長い異形の姿となったロストエデン。本編においては、これ以降の進化は間に合わず、この姿が外殻の事実上の最終形態である。


 周囲にばら撒いた細胞を発芽させ、そこから他者の生命エネルギーを奪うという特性を持っている。その対象は人間、ヴェルデュ、大地そのものと、文字通りの無差別である。


 戦闘の途中で六枚の(はね)が生え、飛行能力まで獲得するが、これは第七形態になったわけではなく、最後まで間に合っていなかった第六形態への進化が時間差でようやく完了しただけである。


 戦闘能力もさらに上がり、その破壊規模はもはや怪獣並み。

 たとえ核兵器を使っても、正しい倒し方を知らない限り、また復活する。悪夢のような怪物である。



■レオネ祭司長


 アーリア遊星において祭祀職の長を務める女性。はるか昔、遊星と共に地球の地殻に呑まれて死亡したと思われていたが、この現代に姿を現した。


 ロストエデンの倒し方を調査していた日向たちは、彼女こそがロストエデンの本体なのではないかと考え、ロストエデンを倒すため、まず彼女を討ち取ることを画策するが……。


・戦闘能力


 本人曰く「自分は大した戦闘能力は持っていない」とのこと。日向たちとの戦闘においては、緑化現象で生まれた植物を操ったり、爆発する緑の(つぼみ)を生み出したりなどしていたが、これはロストエデンが自分をサポートするために生み出したものであり、自分の能力ではないと説明した。


・正体


 レオネ祭司長は、日向たちの予想通り、ロストエデンの本体だった。何度倒しても復活したロストエデンは外殻であり、本体であるレオネ祭司長を倒さない限り、ロストエデンは終わらない。


 しかし、そのレオネ祭司長もまた自分の心臓を摘出し、何処かへ隠していた。この心臓を探し出して破壊しなければ、レオネ祭司長もまた何度でも(よみがえ)る。


 ロストエデン外殻の能力は、あくまで「不死」と「疾病」のみ。この地に緑化現象を巻き起こし、ブラジルを植物で覆い尽くしたのは、ブラジリアの国立公園に埋まっていたレオネ祭司長の心臓だった。



★ロストエデン最終形態


 上記の事実もまた日向たちに気づかれて、心臓の隠し場所まで暴かれたレオネ祭司長。


 彼女は、心臓を破壊しに来た日向たちを迎え撃つため、ブラジリアの国立公園で日向たちを待ち構える。


 第七形態の外殻の製造は間に合わなかったが、その進化情報とリソースを自分自身に回したことで、ロストエデン本体であるレオネ祭司長自身が、ロストエデン外殻の第七形態となった。


・”星通力(マナドライヴ)


 ロストエデンとして狭山から分け与えられていた『星の力』を心臓ごと取り戻したレオネ祭司長は、『星の力』の管理と操作を生業とする祭司長として、その力を存分に振るう。その能力は”生命”の権能のみに留まらず、冷気や雷電を自在に発生させてみせる。


・”瞬間移動(テレポート)


『星殺し』となる以前、アーリアの民の時から所有しているレオネ祭司長の超能力。およそ半径一キロ以内の範囲で、任意の場所に瞬間移動することができる。


・練気法


 あまり使わないが、アーリアの民の武術である練気法も使用できる。四種の練気法のうち、”地の練気法”を最も得意としているようである。


終焉果実・失楽園( ロスト・アーリア)


 レオネ祭司長の最大の大技。リンゴほどの大きさの球状に凝縮した『星の力』を、爆破地点めがけて落とす。限界を超えて圧縮された『星の力』は、解放されると同時に地上一帯を跡形もなく消し飛ばす最凶の爆弾と化している。


 その破壊力は、彼女より圧倒的な量の『星の力』を有しているエヴァの”星の咆哮(スーパーロア)”にも打ち勝ってしまうほど。同じ芸当はエヴァにはできず、何十億年もの間、遊星の祭司長を務めた彼女だから可能な技である。


 いかにも含みがある技名は、彼女自身の罪業に対する背徳感からか。

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