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太陽の勇者は沈まない ~マモノ災害と星の牙~  作者: 翔という者
第23章 合衆国本土奪還作戦
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第1391話 機密兵器開発所に侵入

 合衆国の機密兵器開発所に、突入チームが侵入する。


 突入チームのメンバーは日向、北園、本堂、スピカ、ジャック、レイカ、アカネ、マードック、ハイネ、以上の九人である。九人であるが、レイカとアカネは同一存在であるため、実際に並び立つのは八人だ。


 まずは施設の入口である天然の洞窟を抜ける必要がある。

 日向とマードックを先頭に、八人は前進。


 トンネル内は、軍用トラック一台が通れる程度の幅と高さ。両側の岩壁には一定間隔で蛍光灯も設置されており、多少薄暗いものの歩く分には困らない。


 先頭を歩く日向とマードックの背後で、ジャックがハイネに声をかけている。


「いいかハイネ、危なくなったらすぐにマードックを盾にしろ。頑丈だからな。もしくはヒュウガもオススメだぜ。死んでも死なないからな」


「りょうかーい! というわけでクサカベ、危なくなったらよろしくね!」


「よろしくね、じゃないのよ。満面の笑みで『いざとなったらお前を殺す』宣言しないでくれ。反応に困るのよ」


 何とも言えない表情で日向が反応。

 しかしその瞬間、前方の岩壁や天井から機関銃が出現。


 出現した機関銃、合計五門が一斉射撃。

 日向は機関銃の出現に気づくのが遅れてしまったが、彼の隣にいたマードックがシールドを使い、日向をかばってくれた。


「おおおう!? た、助かりました、マードック大尉……」


「ここは既に戦闘区域だ。お前は死なないとはいえ、あまり油断するな」


「スミマセン……」


「他の者は、機関銃の始末を頼む!」


 マードックの指示を受けて、ジャックが二丁拳銃で機関銃を一つ破壊。さらに北園が冷気で二門の機関銃を凍結させ、本堂が電撃でまた一つ破壊。最後に残った一門は、レイカが接近して居合抜刀、真っ二つにした。


 ひとまず、難なく機関銃の襲撃を突破した突入チーム。

 気を引き締め直し、再び前進。


 その途中で、今度はスピカが口を開いた。

 油断はしないよう、周囲に気を配りながら。


「この洞窟、ちょっと薄暗いけど、電気はちゃんと通ってるんだよねー。あのセキュリティーシステムも機能してるし」


 そのスピカの言葉にハイネが反応し、解説する。


「国の超重要な機密施設だからねー。存在自体がバレないように、電気は外部の企業から引いてもらってるんじゃなくて、ここの設備で自家発電してるんだよ。最新式の小型原子力発電炉でね」


「なるほどねー。……ん、ちょっと待って。原子力発電炉ってことはさ、グラウンド・ゼロの地震で大変なことになってる可能性があるんじゃない? 今でこそ、なぜかグラウンド・ゼロは地震を全然起こさないけど、出現した時はアメリカ大陸の大部分を粉砕する大地震とか発生させたんでしょ?」


「あたしもそう思ってさ、放射能濃度とか測りながら歩いてるんだけど、今のところ放射能は一パーセントも確認されていないよ。たぶんグラウンド・ゼロ出現時点で原子炉を止めて、備蓄していた電力で施設を動かしてるんじゃないかな。ここではそういうのもAIが自動で行なってくれるって聞いたよ」


「大きそうな施設なのに、よく今に至るまで備蓄の電力が無くならなかったもんだね。あー、でもそういえば、この施設の入口って、普段は光学迷彩でカモフラージュしてるって聞いたのに、それが無かったね。安全保護を兼ねた省エネモードってことなのかな」


 ハイネの話が正解なら、少なくともこの施設で原子炉のメルトダウンは発生していないということだ。とはいえ、まだここは施設の入口なので、断定するにはまだ早い。


 やがてトンネルの奥に到着し、そこにあったのは、いかにも秘密施設の入口を思わせる人工的なゲートだった。


 マードックがゲート横に設置されているコントロールパネルを操作してみるが、「レベル5セキュリティーにより、当施設は完全に封鎖されています」というシステムメッセージを返されるのみ。


「まぁ当然か。セキュリティーが働いている以上、正面玄関からやって来た侵入者を『ようこそおいで下さいました』と出迎えるわけがないか。では日向、早速で悪いが、こじ開けてくれ」


「分かりました。太陽の牙、”点火(イグニッション)”!」


 日向が『太陽の牙』に炎を宿し、そのままゲートに突き立てる。

 灼熱の刃は、分厚い鋼鉄のゲートを物凄(ものすご)い勢いで溶解させながら突き刺さった。


 そのまま日向は、ゲートに突き立てた『太陽の牙』を動かして、人ひとりが通れるくらいの大きさの四角形にくり抜いた。めでたくゲート開通である。


 敵襲を警戒しながらゲートを通り、施設内へと侵入する日向たち。


 ゲートの先は、外からの物資を運び込むための搬入口になっていた。かなり広く造られており、よく分からない大きなコンテナがあちこちに積まれている。


「お邪魔しますよーっと……」


 恐る恐る、日向はつぶやいてみる。

 すると、それに反応してか、それともただの偶然か、施設内にアナウンスが響き渡った。


『警告。警告。施設内に侵入者を感知。セキュリティーレベル5の理念に基づき、これを排除します。なお、この攻撃は施設内一般研究員も対象とされます。繰り返します。施設内に侵入者を感知……』


「邪魔するなら帰れと言わんばかりだな、ヒュウガ」


「新喜劇か何かか」


 やはりこの施設は、日向たちを温かく迎えるつもりは微塵も無いようだ。搬入口の奥から戦闘ロボットと思われる四脚のマシンが何台も姿を現し、天井のハッチからは武装ドローンが降りてくる。


 こうなっては仕方ない。

 この警備システムを突破するため、日向たちは一気に前へ駆け出した。

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