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太陽の勇者は沈まない ~マモノ災害と星の牙~  作者: 翔という者
第21章 闇は昏く、海は深く、灯は儚く
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敵性個体紹介・第21章時点

●戦車型


 ロシアを出発したばかりの日向たちを強襲した目付きのレッドラム。金色の瞳は戦車のフロント部分に付いている。


 ”発火能力(パイロキネシス)”の超能力による炎の砲弾を発射する主砲、副砲のバルカン、計六発のミサイルを発射するミサイルポッドなどが取り付けられており、それらを乱射して標的を粉砕する。


 おまけに、戦車という巨体でありながら”瞬間移動(テレポート)”の能力も使用することができ、相手の攻撃を回避して死角に回り込む高機動戦闘もこなすことができる。


 攻撃力、防御力、機動力全てにおいて、およそ通常の戦車が相手なら負けるはずがない車体スペックを誇るが、相手をした北園たち四人はほぼ危なげなく撃破してみせた。彼女らの戦闘能力が紛れもなく超人の域にあることが(うかが)える戦闘結果となった。



〇槍兵型


 スペインのマドリードを荒らしまわっていたレッドラムの一種。右手には本種の背丈をも超える長槍を持ち、左腕にはバックラーのような小型の盾が生えている。


 その槍を用いた長いリーチを誇る攻撃で、相手の攻撃の射程圏外からジワジワと攻め立てる。なんとか槍の攻撃を掻い潜っても、今度は盾による防御が待ち構える。レッドラムらしく好戦的で狂気的な性格だが、その戦い方はいたって堅実と言える。一対一で戦うと見た目以上に厄介な個体である。



●重狙撃銃型


 スペインのマドリード近郊の山林地帯で日向たちに攻撃を仕掛けてきた目付きのレッドラム。シンプルな人間型で、金色の瞳は顔の右目に当たる部分に付いている。しかしこの金色の瞳以外の器官……たとえば口や左目などは付いていない。鼻にあたる隆起はあるが鼻孔は無い。仮面っぽい顔面をしている。


 最大の特徴は何と言っても、本種の名前の由来にもなっている重狙撃銃。超圧縮された血液を弾丸にして、数百メートル先から届かせるという恐るべき性能を持つ。もちろん人間に直撃すれば肉体を大きく破損させられるほどの威力。


 能力は”瞬間移動(テレポート)”、”気配遮断(ハイディング)”、”透視能力(シースルー)”の三種類。”気配遮断”で相手の索敵をごまかしつつ潜伏し、”透視能力”で障害物を無視しつつ標的を捕捉。仮に敵に近づかれても”瞬間移動”で一瞬で逃げおおせてしまう。狙撃手が持つと最悪な能力を全て備えている。


 おまけに狂気的な性格が多いレッドラムの中では比較的冷静な性格で、本編中でエヴァの霧による目くらましや幻影で攪乱されても、すぐにその攻略法を組み立てて実行に移してみせた。


 しかしその攻略法の裏をかかれ、逆に日向が組み立てた策にまんまと引っかかる。そして日影の宣言通りトドメを刺されて絶命した。



〇サメ型


 海の中で活動するレッドラム。

 色こそ真っ赤だが姿かたちは完全にサメ。


 しかしそこはやはりレッドラム。サメの姿でありながら超能力や練気法を容赦なく使ってくる。ただのサメだと思って戦えばB級映画以上の惨事が待っている。


 大西洋においては、ジ・アビスの上昇不可能力が非常に強力なので、このサメ型のレッドラムがわざわざ海中の生物たちを殺して回らずとも生態系はボロボロになっていた。サメ型たちの役割は、ジ・アビスの能力下でも生き続けている生物や、死にぞこないのマモノたちを始末することだった。



●ファグリッテ


 巨大なチョウチンアンコウのマモノ。

 使用する能力は”(サンダーボルト)”。


 本来はジ・アビスを打ち倒すために集ったマモノだったが、大西洋に溶け込むジ・アビスの”怨気”の影響を受けてしまい、近づく者をひたすらに食らおうとする非常に好戦的な性格になってしまっていた。しかしまだ”怨気”の症状の初期段階だったのか、日向たちに制圧されると大人しくなった。


 頭の提灯(ちょうちん)は光を発するだけでなく電気を放つこともできる。おまけに敵が放った電撃を提灯(ちょうちん)で吸収することも可能。攻防共に大活躍する、ファグリッテの最大の武器である。


 人格パターンは勝気な老婆。ファグリッテはかなり高齢のチョウチンアンコウがマモノ化した存在で、その高齢になるほど自然界で長く生き抜いてきた経験からか、異様に戦い慣れしているのも特徴である。



●ネプチューン


 巨大な蒼いクジラのマモノ。

 ”(テンペスト)”と”水害(ウォーターハザード)”の二重牙(ダブルタスク)


 大西洋に生息する水生マモノの中でも最強格の実力と能力を有しており、その自負からか、しっかり者で自他共に甘えを許さない性格をしている。人格パターンは礼儀正しい女性。ラティカという子クジラの娘がいる。このラティカの一件で、日向たちとは過去に(から)みがあった。


 しかし大西洋に溶け込むジ・アビスの”怨気”の影響を受けて、思考が徐々に狂い始める。大事な娘であるラティカと、そのラティカを守る自分を生かすためならば最悪、他の何を犠牲にしても構わないという考え方に、本人も気づかないうちに変質してしまっていた。そしてその考え方はジ・アビスの幻聴によって爆発させられ、日向たち人間に牙を剥くことになる。


 嵐を呼び、水を操り、対象を風のベールで包んで浮遊させる能力を持つ。 風のベールに包まれた対象には酸素も送り込まれ、本来はエラ呼吸のために海の外では呼吸ができない魚類であっても呼吸ができるようになる。また、対象は自分自身も指定できる。今回はこの能力で、海に沈められていたアイランドに酸素を供給していた。


 水を操る能力も非常に強力で、津波を起こしたり渦巻を発生させることもできる。必殺の水ブレスはタンカーを一撃で転覆させるほどの威力。


 余談だが、このネプチューンは水生生物を海の外に適応させる能力を持つが、娘のラティカは地上の生物、あるいは浅海の生物を深海に適応させる能力を持つ。どこか対照的な能力を持っているのは親子の縁だろうか。



★ジ・アビス


 狭山がこの星の環境や生命を絶滅に追いやるべく生み出した、七体の『星殺し』の内の一体。海難と深淵を(つかさど)る怪物である。『星殺し』としては初となる、”怨気”を活用する個体でもある。


 本体を包み込む外殻は、なんと大西洋そのもの。これまで日向たちが戦ってきた中で最もスケールが大きい相手は他の三体の『星殺し』だったが、それらをも歯牙にかけない超規模スケールだ。


 ちなみに、ジ・アビスが大西洋に代わる新しい海になったのではなく、既存の大西洋をジ・アビスが乗っ取ってしまった形である。そのためジ・アビスが倒されても大西洋が消滅するということはないので安心してほしい。


 外殻である大西洋、その大西洋につながる河川を自由に操ることができる。その能力で各種都市を大規模な水害で襲い、壊滅させた。水の腕を生成して、ターゲットに直接攻撃を仕掛けることもある。


 この能力の弱点としては、操作する水辺がジ・アビス本体から離れているほど、能力の出力が弱くなる。また、海面の水は操れるものの、それより下になると海流を起こすことさえできない。人間で言えば、海面はジ・アビスにとっての手足で、海中は身体の内部のようなものか。手足を動かすのは容易だが、体内を操作することは難しい。


 大西洋を操るジ・アビス本体は、深海八千メートル地点に潜んでいる。高エネルギーと流動する身体によって無敵の防御性能を誇っていたプルガトリウムとはまた別のベクトルで、倒すのに難儀する『星殺し』である。


 ジ・アビス本体は怪獣レベルで超巨大。それゆえに非常にパワフル。何らかの方法でジ・アビス本体と直接相まみえることができたとしても、真っ向から挑んではたちまちの内に叩き潰されてしまう。


・超能力


 ”水害(ウォーターハザード)”に由来する『星の牙』としての能力のほか、アーリアの民の超能力である”精神感応(テレパシー)”や”催眠能力(ヒプノシス)”などを使用する。


 ”催眠能力”は音波によって対象を強制的に眠らせる能力である。眠らされた相手は夢を見せられ、その夢から自力で脱出できれば眠りから目覚めることができるが、夢から抜け出せなければずっと眠ったままである。ジ・アビスはこの能力によって、自分を倒しに来た外敵を眠りへと(いざな)い、深海へと引きずり込んでしまう。


 それにしても、ジ・アビスもまたアーリアの民であり、この星の全てをひどく恨んでいるはずなのだが、彼女が日向たちに見せた夢はどうして、どれも(はかな)くも暖かいものばかりだったのだろうか。


・上昇不可能力


 ジ・アビスが支配する大西洋および河川には”怨気”に由来する上昇不可能力が働いており、一度水の中に落ちてしまったら最後、基本的に浮上することは叶わない。この能力は生物、非生物両方に働く。

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― 新着の感想 ―
[一言] お久しぶりです! 何とかこの章を読み終わりました……。(ネタバレ注) この章を読んでる途中で間が空いたので、結構記憶が曖昧なところもあるのですがご容赦ください(;´Д`) ワンちゃんがマモ…
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