第8話 チュートリアルと戦闘スタイル
よろしくお願い致します。
ガチャを終えて、私は余韻に浸っている。
たった40連なので正直、爆死も十分覚悟していた。
結果としては14種類中4種類、最レアの伝説クラスの武器が当たりホクホクである。
さて、心残りもないし、いよいよチュートリアル行っちゃいますか。
「すみません。チュートリアルをしたいのですが……」
女神様に視線を向ける。
「はい、チュートリアルですね。アバターも完成しておりますので、まずは体をアバターにチェンジしますね」
女神様が指を鳴らすと、先ほどのガチャ画面が消失し、私の足元に円状の光るリングが出現した。
うん、なんかフラフープみたい。
「そのリングが足の先から頭の先まで上昇します。リングが頭の先まで来れば、全身がモデリングされた通りになっているはずです。」
リングが浮上し始めた。
「あ、適合中は目を閉じておくと、変化による違和感や酔いを軽減できますよ」
なるほどね。言われた通り目を閉じた。
うん、体に違和感は特にない。どれくらい目を閉じてればいいのかな。
「はい、無事終了致しました」
女神様の声で目を開けた。
体を見るけど、あまり変化はなさそうだ。
「あ、鏡を出しますね」
女神様が再び指を鳴らすと、等身大の鏡が出現した。
「おおー。すごい。ちゃんと変わっている。」
アバター通り忠実に再現されている。
紫の瞳に結われた髪の毛。ぱっつん前髪。ちょっと伸びた犬歯。顔も可愛くなってる(これは当社比)。
「服装も変更可能ですよ」
「えーっと、どう変えればいいんですか?」
「はい、まずはステータス画面を表示させましょう。ステータスオープンと唱えてください」
「ステータスオープン」
言われた通りに唱える。
なんか半透明のカード状の画面が出てきた。
********************
〇ステータス △所持アイテム X閉じる
-ステータス-
名前:未選択
年齢:未選択
種族:魔血人
レベル:1
武器(装備上限0/4)
なし
防具
なし
衣装
なし
装飾類(装備上限0/5)
なし
契約精霊
精霊:未選択(月属性・星属性)
スキル(スキルポイント:残り1000ポイント)※スキル取得
なし
称号
なし
祝福
なし
魔法スキル
火魔法(レベル1)
水魔法(レベル1)
風魔法(レベル1)
土魔法(レベル1)
光魔法(レベル1)
闇魔法(レベル1)
治癒魔法(レベル1)
虚無魔法(レベル1)
鑑定魔法(レベル1)
収納魔法(レベル1)容量(33/150)
魔術スキル
招喚術(レベル1)
陰陽術(レベル1)
神宿り(レベル1)
********************
と書かれていた。
あ、そう言えば、自分の名前まだ決めてなかったね。後で決めようっと。
「では、三角印の横の所持アイテムをタップして選択してください」
女神様の指示通りにタップすると、画面が切り替わり、サムネイルの様な画像がたくさん表示された画面になった。
「所持アイテムは収納魔法内のアイテムを表示しています。今はサムネイル表示で、アイテムの画像と名前のみ表示されていると思います。アイテム画像をタップすることでアイテムの詳細画面に切り替わります。画面の下の二つのアイコンで、表示をリスト形式とサムネイル形式のいずれかに切り替えられます。試しにどれか詳細画面を表示させてみて下さい」
画面の下にはパソコンのフォルダーの表示切替のようなアイコンがあった。試しにリスト表示のアイコンをタップし、リスト表示にしてみた。
種別(衣装):戦場の星巫女(レアリティ:至高)
(付与能力:自動修繕・魔力回復速度上昇(小))
(製作者:ゲート)
所持数 1
……。
種別(装飾類):永劫の祝福(レアリティ:至高)
(付与能力:自動修繕・魔力蓄積(中))
(製作者:ゲート)
所持数 2
……。
種別(防具:大盾):悠久の鎮魂歌(レアリティ:至高)
(付与能力:自動修繕・反撃系スキルの威力上昇(小))
(製作者:ゲート)
となっていた。
次に戦場の星巫女をタップすると、画像と詳細な情報が表示された。
種別(衣装):戦場の星巫女(レアリティ:至高)
(付与能力:自動修繕・魔力回復速度上昇(小))
(製作者:ゲート)
所持数 1
〇装備する X閉じる
「詳細画面の装備するをタップして頂くと装備することができます。変更前に着ていた服等は収納魔法内に収納されます。また、名称の付いた衣装はセット装備と呼ばれ、上半身のみという風に別々に着用しても付与能力は発現しませんのでご留意下さい。あと、便利な機能としてスタイルの保存というものがありますので、また装備が完了してからご説明致しますね」
装備するをタップする。
体が淡く光り出し、一瞬で服が変わった。すごい、女児向けアニメの変身シーンみたいだ。
同じ要領で永劫の祝福を二つ装備した。
鏡を見ると戦場の星巫女と永劫の祝福は凄くマッチしていた。最初に見た時から合うと思っていたんだよね。ムフフ。
武器は適当に伝説クラスの武器を4つと防具として大盾を装備した。
こちらは特に見た目的な変化は何もなかった。
画面を閉じた。
「はい、装備が完了したようですね、では、スタイルの保存をしてみましょう。こちらは収納魔法の一つになります。保存と唱えてみて下さい」
女神様の言う通りに唱えてみる。
保存。
一瞬、体が光ったような気がする。
「はい、これでスタイル、つまり今の装備条件の保存ができました。別の服や装備をしていても変身と唱えれば保存した装備に変更できます。最大で2つしか記録できませんが、覚えておくと便利ですよ」
なるほど、カッコいい。
「では、チュートリアルを開始しましょうか、まずは動かない的を出しますね」
女神様の指パッチンで等身大のワラ人形が出現した。
「まずはこの的でいろいろお試しください。必要であればスキルポイントを消費してスキルを習得されると良いかもしれませんね」
あ、そういえば聞こうと思っていたんだった。
「あの、スキルポイントって何ですか、あとスキルもよく分からないんですが」
「はい、スキルとは体力を消費することによって使える技能のことです。戦闘系のスキルから生産系のスキルまで色々とあります。スキルを使用すると熟練度が上がりレベルが上がります。スキルは最高レベル10まで上昇し、レベル5程度で一人前とみなされるようですね。スキルには下位のアーツと呼ばれる技が存在します。アーツはスキルのレベルが上がるにつれてアンロックされていきます。例えば、剣術のスキルだとレベル1ではスラッシュとチャージスラッシュが使えますがレベル2になるとカウンタースラッシュとエアスラッシュが使えるようになります」
スキルが技能でアーツがその中の技ね。
「スキルポイントは私たち女神からのプレゼントです。スキルポイントによって普通は実際に体験して獲得するスキルをポイントを消費することで獲得できます」
スタートダッシュのキャンペーンみたいなものかな。
「スキルはたくさんあるので、この世界でどのように過ごされたいかによっても選択は変わってきます。魔物との戦闘も視野にいれているのでしたら、実際に武器を使われてから、戦闘系スキルをとることをお勧め致します。武器にも相性というものがありますから」
うん、まずは当たった伝説クラスの武器で相性のよさそうなものを選ぼうかな。
まずはやっぱり双剣でしょ。ロマンがあるよね。フィクションの中だけといわれるけど、ゲームの世界ならできるでしょ。たぶん。それに大鎌もロマン武器だった。最高に厨二っぽい。魔法銃もカッコいい。
あれ、そういえば、装備したはずだけど、武器はどこにあるんだろ。
「あの、装備した武器ってどうなっているんですか」
「はい、では武器の装備についてお話しますね。武器は装備しなくても使用することはできるのですが、スキルが使えません。そのため、装備の手順を踏む必要があるのです。装備した武器は常に身に纏うか収納魔法によって収納するなどが考えられます。収納魔法内にある武器は収納魔法から出さないと使用できません。ここで、武装という便利な収納魔法があります。武装と唱えて下さい」
武装。
短い呪文を唱え終わると、私の周囲に武器と防具が浮いた状態で出てきた。
「武器と防具が出現しましたね。武装は装備している装備にのみ有効なのでご注意を。装備を消す場合は武装解除と唱えれば手に持ってない装備は収納魔法内に戻ります」
私は短剣を両手に持って、武装解除と唱えた。
すると、魔法銃と大鎌、大盾が消えた。
「おぉー、……えーっと、取りあえず練習しようか」
よし、攻撃するぞ。
動かないワラ人形のそばまでいって、おもむろに切りつけた。
ザクッという音と共に繊維を切るような感触が手に伝わってきた。
おお、これは面白い。
ワラ人形の傷はすぐに修復され、ふさがった。これなら、いろいろ試せるね。
***
武器を入れ替えて試し切りをした。
まずは大鎌のグリム・リーパー。形状としては私の身長より柄が少し長くて、片側に大きな鎌と反対側に斧が付いていた。柄の先は剣の様になっている。黒を基調としていて、刃には蛍光っぽい緑の溝がある。
実際に持ってみると、案外軽くて攻撃しやすい。けど攻撃方法が鎌や剣を突き刺したり、斧で切りつけたりぐらいしかレパートリーがなくてすごく単調な動きになってしまう。長めの柄も取り回しになれていない為、結構難しい。すごいことできそうなポテンシャルを秘めているけど、私の経験が圧倒的に足りない感じがする。
魔法銃の(スターダスト・トリガー)は銃身が太く20 cmくらいの紺色に黒色のラインがいくつも入った魔法銃だった。
引き金と撃鉄の様なものはあるが、銃口はなく先端には魔法陣が刻み込まれていた。
魔法銃は銃に充填できる弾数が決まっているらしく、打ち尽くすとリロードの手間が必要だけど、試し打ちをした感じそれなりに的に当たるし、中距離で直線的な弾道なので使いやすかった。反動もただ撃つだけなら大きくはなかったし。
短剣を両手に持った双剣の組み合わせ(イガリマ×シュルシャガナ)は手持ちの武器では一番使い勝手が良かった。
形状としては、イガリマが青と銀を基調とした片刃の短剣、シュルシャガナが赤と黒を基調にした片刃の剣で両方とも刃の部分が60 cmくらいだった。軽いし威力もそこそこなので、爽快感もあった。双剣も練習をすれば何とかなりそうだし、初めての武器としては1番かな。どっちがどっちか分からないけど。
***
「あの、武器が決まったのでスキルを取得したいのですが、どうすればいいですか?」
「はい、ではもう一度ステータスを開いてみて下さい」
「ステータスオープン」
********************
〇ステータス △所持アイテム X閉じる
-ステータス-
名前:未選択
年齢:未選択
種族:魔血人
レベル:1
武器(装備上限4/4)
大鎌 (グリム・リーパー)(レアリティ:伝説)
短剣 (イガリマ)(レアリティ:伝説)
短剣 (シュルシャガナ)(レアリティ:伝説)
魔法銃 (スターダスト・トリガー)(レアリティ:伝説)
防具
大盾 (悠久の鎮魂歌)(レアリティ:至高)
衣装
戦場の星巫女(レアリティ:至高)
装飾類(装備上限2/5)
永劫の祝福(レアリティ:至高)
永劫の祝福(レアリティ:至高)
契約精霊
精霊:未選択(月属性・星属性)
スキル(スキルポイント:残り1000ポイント)※スキル取得
なし
称号
なし
祝福
なし
魔法スキル
火魔法(レベル1)
水魔法(レベル1)
風魔法(レベル1)
土魔法(レベル1)
光魔法(レベル1)
闇魔法(レベル1)
治癒魔法(レベル1)
虚無魔法(レベル1)
鑑定魔法(レベル1)
収納魔法(レベル1)容量(33/150)
魔術スキル
招喚術(レベル1)
陰陽術(レベル1)
神宿り(レベル1)
********************
「スキルの欄のスキル取得をタップしてください」
女神様に言われた通りにタップした。すると、画面が切り替わり、スキルの一覧と思われる画面になった。
********************
〇決定 △リセット X閉じる
剣術 50ポイント □
棒術 50ポイント □
槍術 50ポイント □
……。
********************
「スキルをタップするとスキル名の横のチェックボックスにチェックが入ります。合計1000ポイントになるまで好きに選択して下さい。選択が終わりましたら、決定ボタンを押してください」
うーん。どうしようかな。
よし、まずは今後メインに使用していくと思う剣と銃、大鎌のスキルが必要かな。
剣術 50ポイント
※剣の基本的な技術(剣のダメージに補正(小))
魔法銃術 50ポイント
※魔法銃の基本的な技術(魔法銃のダメージに補正(小))
大鎌術 50ポイント
※大鎌の基本的な技術(大鎌のダメージに補正(小))
ポチり。これでよし。基本的な戦闘技術は50ポイントなのね。これはうれしい。
後は、双剣のスキルもあったら欲しいな。これはロマンだけど。
双剣術 100ポイント(取得制限:剣術取得時のみ選択可)
※両手で剣を扱う技術(双剣時にダメージ補正(小))
100ポイントか。でも欲しいものは欲しい。ポチッと。
そうだ、生産系のスキルを取らなきゃ。私が目指すのは戦うこともできる生産職だし。
錬金術 100ポイント
※アイテムの効力を上昇させる基本的な技術
秘薬生成術 100ポイント
※ポーション系のアイテムを生成する基本的な技術
ポーション作りに必須と思われる秘薬生成術。材料は別途必要らしいけど、これは欲しい。
錬金術はあったら便利かなと思って選択した。なんかかっこいいし。
後は変わった技術も何個か欲しいな。
料理 50ポイント
※料理をする技術
魔力操作 100ポイント
※魔力を操作する基本的な技術
料理は自炊するかもしれないことを考えると取っといて損はないよね。
魔力操作は魔法の世界では使い道がありそうということで採用しました。
最後400ポイント余っちゃったー。
うーん。あ、そうだ、200ポイントのスキルを取っちゃお。
だって消費ポイントが高いってことは貴重ってことでしょ。取っとかないと損じゃん。
まぁ、200ポイントのスキルはすごく少ないけどね。
私が特に気になったのはこの2つのスキル。
混合魔法 200ポイント
※魔法を混合させて使用できる希少な技術
幻詠絶唱 200ポイント
※幻想の音を発生させ、歌唱することで様々な効果をもたらす希少な技術
混合魔法は単純に便利そう。魔法の世界で魔法のバリエーションが増えるのは悪いことじゃないと思うしね。
幻詠絶唱はネーミングがとにかくカッコいいと思う。
私は歌はあまり得意じゃないし楽器も使えないけど、なんか楽しそう。
もともとカラオケとかで歌うのは好きだし、歌いながら戦うとかカッコいいよね。
うーん、他のと迷うけど……この二つでいいや。ポチッ。
よし、これで1000ポイント使いきった。
悩みに悩んで決めたスキルだ。反省はしても後悔はたぶんしない。
私は決定ボタンをタップした。
元の画面に戻った。現在のステータスはこんな感じ。
********************
〇ステータス △所持アイテム X閉じる
-ステータス-
名前:未選択
年齢:未選択
種族:魔血人
レベル:1
武器(装備上限4/4)
大鎌 (グリム・リーパー)(レアリティ:伝説)
短剣 (イガリマ)(レアリティ:伝説)
短剣 (シュルシャガナ)(レアリティ:伝説)
魔法銃 (スターダスト・トリガー)(レアリティ:伝説)
防具
大盾 (悠久の鎮魂歌)(レアリティ:至高)
衣装
戦場の星巫女(レアリティ:至高)
装飾類(装備上限2/5)
永劫の祝福(レアリティ:至高)
永劫の祝福(レアリティ:至高)
契約精霊
精霊:未選択(月属性・星属性)
スキル
剣術(レベル1)
魔法銃術(レベル1)
大鎌術(レベル1)
双剣術(レベル1)
錬金術(レベル1)
秘薬生成術(レベル1)
料理(レベル1)
魔力操作(レベル1)
混合魔法(レベル1)
幻詠絶唱(レベル1)
称号
なし
祝福
なし
魔法スキル
火魔法(レベル1)
水魔法(レベル1)
風魔法(レベル1)
土魔法(レベル1)
光魔法(レベル1)
闇魔法(レベル1)
治癒魔法(レベル1)
虚無魔法(レベル1)
鑑定魔法(レベル1)
収納魔法(レベル1)容量(33/150)
魔術スキル
招喚術(レベル1)
陰陽術(レベル1)
神宿り(レベル1)
********************
お読みいただき、ありがとうございます。