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第3話 アバター作成

 意識が戻ってきて、目を開けた。

 ……知らない天井だ。

 ……というか天井すらないんですけど。


 体をゆっくりと起こしてみる。

 ただの真っ白い空間だ。


「なに、ここど「ようこそ」はいっ!」

 急に後ろから声がしてビックリした。

 心臓がドキドキしてる。


 恐る恐る後ろを振り返ると、そこには綺麗な女性が立っていた。

 ……金色に輝く髪と瞳に目を惹かれる。

 けど、取りあえず……。

「……あの、貴女は?」

 立ち上がりながらそう訊ねた。

「はい、私は惑星アースを守護する女神の一人、アースティアと申します」

 なるほど、女神と言われるとそう思える。

 翡翠色のドレスが神々しく輝いていた。


「……えっと、その女神様が私になに用でしょうか?」

「はい、貴女には私達が守護するアースに転生して頂きたいのです」


 ……転生?

「えっと、転生ですか?」

「はい、その通りです」


 転生って、あれだよな、トラックに轢かれるとするやつ。

 あれ、私って死んだの。

 えっ、いつの間に。

「えっと、あー、えー、私って死んだんですか?」

 かなり動揺している。


「えっ、あの、いや……死んでませんけど」


 えっ、どっちなの。

 なんか女神様も動揺している。

「えっ、でも転生するんですよね。それって……」


「あっ、なるほど」

 女神様はなんか分かったみたいだ。


「あの、これは、その、ぶっちゃければ、そういう設定です」

 女神様はすごく言いづらそうにおっしゃった。


「設定……ですか?」

 復唱する。

「そうです、貴女、というかお客様はゲームをされるためにフルダイブされましたよね」


 あー、そういえばそうだ。つまり……

「つまり、ここはゲームのなかということですか?」

「その通りです。この手のゲームはこういう、貴方は選ばれましたーとか、異世界転生ですよーっていう趣向が受ける傾向にあるので、そういう風に案内役が振る舞うのが主流なんです。テンプレというか」

 なるほど、知らんかった。


「すみません、VR系のゲームは殆ど経験がなくて」

 厳かな物語の幕開けがとんだ喜劇になってしまった。すごく恥ずかしい。


「いえいえ、むしろそういう経験の無い方達のために私のような案内役、つまり自立型のAIがいるのです。」

 なるほど、つまり女神様は人工知能を持ったプログラムなのか。


「改めまして、アースの世界へようこそ」

 女神様は微笑み、体から神々しいオーラが放たれる。


「あの、……私はまず何をすればいいのですか」

「そうですね、まずは貴女の分身となるアバター作成から始めましょうか」

読んでいただき、ありがとうございます。

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