◆5/25 問題解決能力を高める◆
前回の講座でストレスに感じた体験を整理する方法を学びました。今回は整理して明らかになった問題を「行動」の面から解決する方法を勉強してきました。このときに使用するのが「問題解決プランシート」です。
問題解決プランシートとは、何か問題が起こったとき(何から手を付けていいか分からないなど)、目の前の問題を解決するために使用するツールです。これを書くことで、現実を見つめ今から何ができるか考えられるようになったり、できないことを受け入れることができるようになったりするそうです。
問題解決プランの作成のステップは、問題解決思考→問題の明確化→解決策の案出→解決策の決定→行動計画の立案→解決策の実行→結果の評価、となります。
問題解決思考とは、問題が起こって沈んだ気持ちをリセットするためのステップです。気持ちが沈んでいると短所や問題にばかり目が向いてしまうため、その考え方を修正し心の準備を行います。「問題が起きるのは特別なことではない」や「なんとかなる」など、前向きな思考を持つようにします。
問題の明確化とは、何が問題なのかを具体的に考えて1つだけ選び出すことです。5W1Hを意識して1つの場面を切り取るようにします。例:×「会社に行くのがつらい」→○「〆切の過ぎた書類が3つもたまっている」
次に解決のイメージを明らかにします。自分が取り組めるような現実的なものにします。理想的な目標ではなく、「最低~~になれば大丈夫」というレベルで考えることが大切なのだそうです。例:×「仕事をはやくこなす」→○「まずは書類を1つ片付ける」
解決策の案出とは、考えられる解決策を書き出していくことです。できるだけたくさん具体的なアイディアを出すこと、「こんなのはダメだ」といった判断はしないことがポイントです。
さらに、さまざまな視点から解決策を考えていきます。このとき、4つのコーピングの手法が役に立ちます(4/20ストレスマネジメント講座参照)。その4つのコーピングとは、刺激に対するコーピング(自力で克服、相手に働きかける、回避)、評価に対するコーピング(受け止め方を変える)、反応に対するコーピング(ストレス反応を鎮める)、社会的支援のコーピング(周囲のサポート)です。
解決策の決定とは、案出した解決案の中から解決策を選ぶことです。この時、案出したそれぞれの解決策の長所と短所を書き出していきます。実行可能か、効果はあるのかといった視点からも考えていきます。そして、長所と短所を見比べ、実行可能で問題解決につながるものを選びます。ポイントは、完璧な解決策はないものと考え、ベターな解決策を探すということです。
行動計画の立案とは、今から取りかかるための行動計画を立てることです。出来るだけ具体的に細かいステップで準備をします。
実際に行動に移す前に認知リハーサル(心の予習)を行います。認知リハーサルとは、実際の行動を心の中で思い浮かべることです。行動を起こした際に、どのような問題が起きる可能性があるかも想像し、その問題への対処法もイメージしておくと良いそうです。認知リハーサルをしておくと、実際の行動で慌てたり緊張したりすることも減るのだそうです。
行動計画の実行、結果の評価とは、行動計画を実行に移し、その結果を自分で評価することです。期待していた結果が得られなかった場合は、その原因を検討し、もう一度問題解決プランシートの作成を行います。
以上が解決プランシート作成のステップの詳細です。なんだか大袈裟だなあと感じるところもありますが、自分の問題を見つめ直すにはいい方法なのかなと思いました。私の場合だと、困ったことが起こったとき周りに言い出せなかったりするので問題解決プランシートの作成は有効かもしれません。
最後に例題を使って、問題解決プランの作成をしていきたいと思います。
《例題》
Aさんは現在休職中。復職を目指したプログラムに通っています。
ある日、担当スタッフからこれまでやったことのない新しい作業をやってみるよう勧められました。説明を聞くとできそうだったので、やってみることにしました。
新しい作業に手を付けましたが、思ったより分からないことが多く、なかなか作業は進みません。担当スタッフには、以前できそうだと答えているので少し聞きづらく、作業が進まないまま時間が過ぎてしまいました。
「どうしよう、作業が進まない、こんなことで復職できるんだろうか」と、Aさんは焦りと不安が募っています。
《問題解決思考》
挑戦の機会、成長の機会と考えよう。
《問題の明確化》
問題:担当スタッフから勧められて新しい作業を始めたが、分からないことが多い。スタッフにも少し聞きづらいため、作業が進まない。どうしたらよいか分からず、焦りと不安が募ってしまう。
解決イメージ:作業を進めるための見通しを立てる。
《解決策》
・ストレッチや深呼吸をする。(長所:気持ちが落ち着く。 短所:作業は進まない。)
・新しい作業だから分からないことがあっても仕方がないと考えて、スタッフに聞き直す。(長所:スタッフに聞きやすくなる。問題が解決する。 短所:スタッフにまた聞くのかと嫌な顔をされるかもしれない。)
・何が分からないのか書き出してみる。(長所:分からないところが明確になる。 短所:作業は進まない。)
・別のスタッフに聞く。(長所:問題が解決する。 短所:担当のスタッフではないから話しかけるのに緊張する。)
・マニュアルを見る。(長所:自信につながる。問題が解決する。 短所:見ても分からないかもしれない。)
《解決策の決定》
ストレッチと深呼吸をして気持ちを落ち着かせ、分からないところを書き出し、それを見ながら担当スタッフに聞きに行く。
《行動計画の立案》
今すぐストレッチと深呼吸。分からないところを紙に書き出す。紙を持って担当スタッフに「すみません。いくつか分からない点があるのですが、お伺いしてもよろしいでしょうか」と声をかける。紙を見ながら質問していく。
*うまくいかなかった場合
失敗することもあると考えて、別のスタッフへ聞きに行く。
《認知リハーサル・実行・結果の評価》




