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赤毛姫よ、逃亡せよ!  作者: バール
お城時代
5/12

赤毛姫の授業風景


たぶん前作のタイトルが【赤毛姫、剣を習う】なのに全然私が剣術を披露してないじゃないかと思いながら読んでくれている人もいると思う。ありがとう。普通に剣を習うという内容を書くのを忘れてた。ごめん。サブタイトルを変えた方が良いのもわかるんだけど面倒くさい。許して。何でもするから…(何でもするとは言っていない)

まぁこんなくだらないことは言ってないでジョイさんに案内された教室の描写をしときましょう。教室は前世の小学校と同じように小さい子用の机と椅子が並んでいて、そこにちょこまかとショタ供が座っていた。恐らく私のお母様と同じ子爵クラスの子達だから王族の緑は持っていても髪色は赤じゃない。緑、金色、青、ピンク…。目がチカチカする。黒とか茶色が恋しい。


「皆さん。新しく共にに勉学を学ぶ者です。仲良くするのですよ」


ジョイさんが黒板に私の名前を書いて紹介するとカラフルショタ軍団は元気よく「はーい!!」と答えた。乙女ゲームの世界でも小学校と同じなんだな。


「それではクリス様、ワーナー様の隣が空いているのでそこに着席してください」

「はい。先生」


私がそう答えるとジョイさんは少し驚いた顔をした後、嬉しそうに微笑んで「頑張ってくださいね」と言った。

窓側にいる茶髪に褐色の肌の男の子、恐らくワーナーの左隣に腰かけるとワーナーは話しかけてきた。


「よろしくな、クリス。俺はワーナー・マイナス。お前と同じ弱小貴族さ」

「よろしくワーナー。いらん情報をありがと」

「ははっ!俺たち上手くやれそうだな!」


ワーナーは私の返答に満足したのかニヤリと笑った。典型的悪ガキといったところか。妙に貴族貴族してなくて好感が持てる。カラフルな髪色の教室で一人だけ茶髪なので魔法で染めてるとは言え黒髪になっている私としては親近感が持てる。


「ワーナーのお母さんは南国から来たの?」

「お?俺の肌の色が気になるのか?そうだよ。マイナス家はこの国の南側にある砂漠の民の長の家を無理矢理貴族にした感じの家なんだよ。だからお前達とは人種もちょっと違うかもな?イジメるなよ?」

「イジメないよ。かっこわるいし」

「そりゃありがとう」


そういうとワーナーはニカッと白い歯を見せた。明るく振舞ってるけど差別されたことがあるんだろうな。でもまだそんなやりとりはしてないけどワーナーは良い奴っぽいし仲良くなりたいわ。


「それよりお前、よくジョイ様の事先生って呼んだな?」

「え?ヤバいの?」

「いや、普通に恐れ多いだろ?伯爵家だぜ?」

「あー確かに」


感心するわと頷くワーナーに私は苦笑いを浮かべた。私としてはまだ会ってまもないけどジョイさんは子供好きの良い人だと思ったし尊敬の意味をこめて先生と呼んだんだけどあの人は私達と違って名門伯爵家の出だし本当は話しかけるのもおこがましい存在なのかもしれない。ここのところは前世は日本人だった価値観が働いてしまった。ここの世界は元の世界とも違うのだから慎重にならなければいけない。


「今度から気をつけるわ。教えてくれてありがと」

「別に良いんじゃないか?ジョイ様喜んでたし」

「そうかな?」

「うん。あの方身分とか気にしないし」

「じゃあ呼ばせてもらおうかな」

「でもあんまり目立たなよ。そういうのうるせえ奴らもいるし」


そう言いながらワーナーはこっそりとショタ達の方を指差した。その先にはちょうどピンク髪に緑の目の可愛らしい男の子がいた。


「可愛いけどヤバいの?」

「ヤバヤバのヤバ。アイツの名前はカマル・シュイトン、俺たちと同じ子爵家だけど格が違え。子爵つっても良い騎士ばっか出してて国に貢献しまくってるからな」

「え、まさかマジル・シュイトン出した家!?」

「知ってたか。おとぎ話でも出るもんな」


これには流石に私も驚いた。ゲーム知識になってしまうがこの国の創立メンバーの王に仕えた騎士という設定だった筈だ。そしてカマルはその騎士の末裔で攻略対象者の一人である騎士隊長の息子ルートのラスボスだった。


(確か騎士隊長の家が私と結婚して力をこれ以上つけるのが怖かったからなんだよね…)


騎士隊長の息子、サージェスの頭を踏みつけながら


「子爵家の騎士にこんな風にされて、犬みたいだぜ?サージェス?」


ピンクの髪を雨でしっとりの濡らしながら青い目を嘲笑で細めたその妖艶さと中性的な容姿の癖にクソドSというギャップから攻略対象者でもないのにカルト的人気を得ていたキャラ。支部ではサーカマ、カマサーの二手に別れた腐女子が血で血を洗う大戦が起こったのは語り継がれていた。まぁ、私もぶっちゃけ好き(意味深)なキャラだったけど実際関わるのはやめた方が良いだろう。万一私が赤毛姫だとバレたら利用されそうだし…。


「……あれ?」


その時違和感を覚えた。


「どうした?」


ワーナーは不思議そうに聞いてきたのを慌てて「大丈夫」だと返した。


(カマルの目って…青かったよね…?」


だけどここにいるカマルは緑色の目だ。王族なのだから…。


『子爵家の騎士にこんな風にされて、犬みたいだぜ?サージェス?』


(……子爵家?)


おかしい。何かがおかしい。もしかしたらカマルには私が知らない隠し設定があったのかもしれない。私は将来悪逆ドS騎士になるであろうピンク髪の少年をマジマジと観察していたら視線に気づいたのだろうか?クルッと振り返って私にパクパクと口を開いた。


「(み、て、ん、じゃ、ね、え、よ、ぶ、す)」


(ハァーーー!!????)


睫毛クルクルでほっぺたふにふにの可愛いらしい容姿からは考えられない暴言を吐かれた!!??口パクで!!初対面の相手にこんな事言う!!??性格悪!!女の子だからって!!!!



…あれ?私男じゃね???何でブスって言われたん???????お????


バレてる?








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