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プロローグ
母さんが殺された。
この城ではありきたりな話だ。
側室同士の醜い争い。
でも母さんは最初からその争いに加わろうとはしていなかった。
だって母さんは子爵家の出で王の寵愛など受けられるわけなかったから。
それじゃあどうして殺されたの?
はらり
高く結い上げていた私の髪が解けた。
………え?
私の髪の毛、赤くなってる?
急いで鏡を見てみるとそこには燃えるような夕日色をした長い髪を垂らしている少女がいた。
「あ、あああ……!?」
私は自分の変化に悲鳴をあげそうになった瞬間に《あるワード》を思い出した。
『赤毛姫の寵愛』
この世界は私が前世でプレイした乙女ゲームで、私はヒロインなのだと……。
連載開始です。
失踪しないように頑張ります。