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第24話  禁獣召還! 触手姫ブルトゥーム!


 信じられない光景だった。


 ギャウギャウギャウギャウギャウギャウンッ!


[クリ[クリ[クリ[クリ[クリ[クリティカルヒット――]  


「たああああぁぁぁっっ!!」


 ばきいぃっっ!!


[――クリティカルヒット♪ アーマー・ブレイク♪]


 ハンドガンによる0距離での連続射撃から飛び蹴り。ハルのパリィアーツを食らったヴェタルが勢いよく吹き飛び、冒険者ギルドの対面に存在する宿屋の窓をぶち割った。


 シン……と辺りが静まり返る。モンスター達も含め、バトルを見守っていた野次馬全員が呆けた表情をしていた。 


(ゼロ)リベンジ】。

 ランク2ハンドガンの種別カテゴリ【パリィ】のアーツ。

 両腕を眼前で交差させ、それを外に開く瞬間にパリィの判定が発生。上手く敵の攻撃を弾くと、残弾を撃ち尽くすまで二丁銃による0距離射撃を食らわせ、フィニッシュに飛び蹴りを浴びせる。


 距離減衰による攻撃力低下が発生しない0距離。

 しかも敵の防御力をある程度無効化するクリティカルが確実に発生。

 その条件でありったけの弾丸を撃ち込むこの【アーツ】はハンドガンアーツの中でもかなりのダメージ量を誇る。


「おい……おいおいマジかよ…!? あいつ、パリィしやがったっ!!」

「う、うん。そうだね」

「いや反応薄いぜ!? パリィだぞパリィ! 今日初めて武器を持ったサキュバスが出来る芸当じゃねー! 俺でも格下の相手じゃなきゃ狙わねーよ!? お前驚いてねーのか!?」

「えぇ、驚いてるよー?」


 興奮気味のライラにココノは相槌を打つ。

 ネロに至っては「おおおぉぉぉ…っ!」と興奮気味に声を上げていた。


 勿論ココノも同じ気持ちだ。


(すごいよ、ハルちゃん)


 そう。パリィを決めるのは本当に難しい。パリィモーション中に敵の攻撃を弾く(・・)時間がコンマ一秒も存在しないし、技の発生だってそこまで早くない。どれだけ反射神経が良くても、敵の攻撃を見てからパリィをしても間に合わない事の方が多いのだ。

 だから基本、パリィというのは敵の攻撃の癖や行動パターンを読んで、『ここだ!』と思ったタイミングで予測・・して技を発動させる事になる。

 更にパリィアーツは通常のアーツと違ってチェインする事が出来ない。オーバー・アーツと同じで、空振りしてしまった場合のフォローが出来ない。


 そのリスキーさ、シビアさ故に、パリィアーツを修得したにも関わらず装備しない者も大勢いる。

 

 にも関わらず、ハルはパリィを決めた。

 それもあのヴェタル相手に。


(確かにコツは洞窟の中で教えたよ? ふわっとだけど) 


 しかし、それをいきなり実戦で、それもレイドボス相手に成功させるなんて――正直凄すぎた。


「ゴクゴクゴクゴク――」 


 そして当のハルはというと、ここぞとばかりにポーションを飲んでいた。


「――プハーっ!」


 冒険者であるココノ達には見慣れたクソ長モーション。

 すると見る見るうちにハルの損傷した衣服が修復されていった。


「――って何がポーションや!! オレンジジュースやんけ!? 飲みやすいけど!!」


(うん。意外と美味しいんだよね)


「っていうか何でポーションを飲んで服が直んねん!? 物理的におかしいやろ!! どうなっとんねん!!」


「何言ってんだあいつ…?」

「さ、さあ」


(変な子だなぁ。ポーション飲んで服が直るのって当たり前の事なのにね? そう言えばアイセちゃんも同じ反応してたっけ)


 などと考えていると突然、宿屋から人影が躍り出た!


(ヴェタル!)


 宿屋から飛び出したヴェタルは、先程の【(ゼロ)リベンジ】で【アーマー・ブレイク】状態になり、下着姿となっていた。

 黒レースのハーフカップブラやローライズなデザインの黒ショーツ。それにガーター黒ストッキングが実にセクシーで、同性のココノも思わずドキリとしてしまうほど色っぽい。


「……それでもやっぱキビイか」

「だね」


 パリィは決めたが、ヴェタルを倒すほどのダメージは与えられなかった。ハルが装備しているハンドガンは【デリンジ】。燃費が良い上に、軽くて取り回しい良い。しかしその代わりに火力がかなり低く、ダメージだけならハンドガンの中でも最弱と言われている。

 

「ちっ! 火力の低さが仇になっちまったか…!」

「今更言ったってしょうがないよ」


 ヴェタルは下着姿のままハルに向かい合う。

 パリィを決められて怒り心頭かと思いきや――どうにも落ち着いているように見えた。

 それがハルにも予想外だったのか――リチャージしながらもヴェタルを真正面から見据えている。


「――さっきのパリィ。狙ってやったの?『おねパリ』じゃなくて?」

「お、『おねパリ』?」

「『お願い!決まって!』ってお祈りしながら適当にパリィするのを『おねパリ』って言うのよ」

「えっ? そんな無茶な事しませんよっ。ちゃんと狙ってやりました」

「そう。成程ね……」


 ぱっと見、自然な会話だ。

 が、こうしている間にもハルとヴェタル、二人の間で緊張が高まってきているのが遠目にも分かる。


「……ま、確かに。私も油断していたわ。さっきまでレベル1だった小娘がパリィなんて狙う訳が無い――って、決めつけていた。他にも、発生が速いから硬直を狙い易い、って理由で【スクリュー・ダイヴ】を何回も使ってたのも悪いわね。あれじゃ、読まれてもしょうがないわ……中途半端に接近戦をする魔法使いの末路ってとこかしら? 反省しないとね」

「……」

「大体、迎撃戦闘の得意なハンドガンに馬鹿みたいに突っ込んでいくから手痛い反撃を貰うのよ。まるで素人だわ。自分でも笑っちゃう。魔法が得意なんだから魔法を使えばいいのにねぇ? ふふふっ」


 饒舌なヴェタルに対し、ハルは口を挟まない。

 ただ、目の前の強敵を見据え、警戒していた。


「――ねえ。分かってる? 今のパリィで私を倒せなかった以上――貴様に勝ち目は無いっ!!」


 唐突にヴェタルが飛び立った!

 急上昇し、ハルから距離を取るように後退する。そしてハルの射線を遮るように、【霊魔収束インストール】のタイルを展開した。


「もう貴方には近づかない!! 絶対よ! カウンターも! パリィも頼れない状態で、貴方に何が出来るかしら!?」


(あ。まずい)


 中途半端な反撃が、ヴェタルの戦法を変えさせてしまった。

 今まではハルの戦闘能力や【緊急霧散エマージェンシ・バニッシュ】の性能を加味した上でヴェタルが積極的に接近戦を仕掛けていた。

 しかしその接近戦が危ういと判断した以上、ヴェタルは徹底的な遠距離戦――魔法戦闘を仕掛けてくるつもりだろう。


 更に、


「【ダイバート・ストリーム】!」


(射撃攻撃を逸らす補助魔法バフ…!)


「【キュア・ウォーター】!」


(水属性の回復魔法!?)


「【キュア・ウォーター】!【キュア・ウォーター】!」


 得意の【魔撃連追マジック・チェイン】で回復魔法を連打。

 あっという間に【アーマー・ブレイク】状態から【アーマー・ダメージ】状態に回復する。


「ハルちゃん!! 回復させちゃダメだよ!」

「……」


 果たして、ココノの声が聞こえていただろうか。

 ハルは回復魔法を唱えるヴェタルに攻撃を仕掛けない。

 

 それどころかココノ達と目が合うと、安心させるように親指をサムズアップしたのだ。ヴェタルには見えないように。


「は? 何だありゃ? 余裕って意味じゃねえよな?」

「発狂した」

「二人とも冷静に見えるけど……」


(どういう事、ハルちゃん? 今のこの状況、最悪にしか見えないよ? でも大丈夫って事?)


 そうだ。【ファイアー・ワーク】によるカウンターも、【(ゼロ)リベンジ】によるパリィも――全てハルが狙った上で成功させたように思える。

 その結果が今の状況と言うのなら……


(ひょっとして、ヴェタルが魔法戦に切り替えて戦う事も予測してる?)


 ちらり、とハルが肩越しにこちらを振り返る。


「――にっ♪」


 心配するココノ達とは裏腹に、その表情は自身に満ち溢れていた。


 そう。勝利を確信している顔だったのだ。



 ***



 思えばこいつはジョーカーだったのだろう。


 この田舎では比較的強い部類に入るミスティを、条件付きでとは一対一で見事に倒し。

 ギルドの受付嬢と企てたちょっとした罠をすぐさま見破り。

 宿敵アイセを倒せると思った瞬間に横槍を入れ。

 横槍どころか【シェアリング】でアイセを戦闘不能にさせ。


 今、こうやってヴェタルの野望を止めようと立ちはだかっている。


(ある意味、アイセ以上に厄介な存在だった。でもそれも終わり)


「【キュア・ウォーター】!【キュア・ウォーター】!【キュア・ウォーター】!【キュア・ウォーター】!」


 たった今、減っていたAPは完全に回復した。損傷していた衣服も完全に元通りである。

 カウンターを貰った。パリィも貰った。だがそれも回復してしまえば意味はない。


 そしてこの戦いは【場外敗北フィールドアウト】も【タイムアップ】も無いデスマッチバトルだ。どちらかが倒れるまでバトルは続く。

 

 そして、こちらが倒れる事はない。

 APも満タン。MPは少し減ってしまったがそれでも【緊急霧散エマージェンシ・バニッシュ】はまだ8回程度なら使えるだろう。

 

 だがあちらはどうだ? 

 AP、SP、MP、HPが全て三倍になっているこちらに比べれば、カスみたいなものだ。特にAPは低い。

 初級魔法が一発でも当たれば、そこからマジックコンボで容易に完殺出来るし、防戦し続けたとしても先に息切れするのはあちらが先だ。


 無論、ポーション系のアイテムを使わせるつもりもない。

 パリィを貰った直後は気が動転しており、一本飲まれてしまったが――初級魔法の中には壁越しに攻撃出来るものや、高速の狙撃魔法すら存在する。それらを使えばポーションを飲む敵を、遠距離から容易に攻撃出来る。


(ほら。本気になれば負ける要素なんて無いわ)


 そもそも。アイセ+ライラORココノ、と戦う際の戦略すら既に完成しているというのに、今更このサキュバスとタイマン勝負をして負ける理由が見当たら無い。


 その事に、頭の回るあのサキュバスも気付いている筈だ。油断し、APの減っているさっきまでの状況だけが、ヴェタルを倒せる唯一の機会だったと。


(ふふふ。絶望、しているでしょう?)


 前方を守っていたマナのタイル群が消失し、視界がクリアになる。

 その向こうには――


「――?」


(え? 何であんな遠くにいるのよ?)


 遥か遠くに、ハルが移動していた。

 対面するヴェタルと正反対の位置になるように、フィールドの隅に陣取っている。


(何か、また策があるのね? いいわ。やって見なさいよ?)


 もう、決して舐めて掛からないと心に決めている。

 魔法の発動を邪魔されないように再び前方にマナのタイルを設置しバリアとする。その上で再び補助魔法バフを掛けよう。


「【ダイバート・ストリーム】!」


 まずは弾避けの魔法。さっき掛けたのと同じものだが念の為に張り直す。


 と、同時に、ハルの目が見開かれた!


「――祖は最も美しき花!」


 同時に、バトルフィールドのど真ん中に、薄い光を放つ魔法陣が出現する。

 魔法使い達が普段使う、精霊魔法の魔法陣とは形が違う。

 透けるように薄い輝きのせいで全体像が把握できないが――この魔法陣やたらと大きいように思える。 


「――祖は最も恐ろしき花!」


 ハルが詠唱を進めるにつれ、中心部から巨大魔法陣の放つ光が強く輝き始める。詠唱と共に、魔法陣が少しづつ色づいてゆく。


 魔法陣が中心部から色づき、少しずつ形成されてゆく。

 この形式、これは精霊魔法ではない。これは――


(召還魔法!?)


 と言う事はこのサキュバスのクラスは、【サモナー】の二つ上位のクラス、【ビーストマスター】か【タブーシーカー】のどちらかという事だ。

 だがそれは魔法陣の色を見れば分かる。

【ビーストマスター】は強力な魔獣を召還するクラス。その魔法陣は主に緑や茶色が多い。対して【タブーシーカー】は強力なアンデッドや上級の淫魔や悪魔を召還するクラス。その魔法陣は黒か、紫か、ピンクだ。


「――その蔦から逃れる者は無く、その香りはあらゆる者を魅了する!」


 この詠唱、ヴェタルのデータには存在しない。

 恐らく【ユニークマジック】なのだろう。


 が、今や魔法陣の中心部は、鮮やかな桃色に発光していた。

 

(【タブーシーカー】ね!)


 やっと小娘のクラスが判明した。

 成る程、召還魔法か。つまり、より上位のモンスターを召還し、共闘して勝負を仕掛ける算段なのだ。確かに戦術としては悪く無い。


 それに【タブーシーカー】は自身の召還魔法が敵に妨害されない為の強力な【クラスアビリティ】を、二つも持っている。


 ――が。


 クラスが判明し、今、召還魔法を唱えている事でとても重要な事実が判明していた。


 あのサキュバス、戦闘開始前に新しく覚えたアーツ、魔法、アビリティ、その全てをきちんとセットする時間は確実に無かっただろう。あの時間、そしてあの表情を見るにそれは間違いない。


 そして、『新しいアーツ』と『新しい魔法』は今、確認出来た。

 と言う事は?


(肝心な【クラスアビリティ】、セット出来てないでしょう!?)


 つまり、長い詠唱の間、無防備なると言う事だ!


「――祖は八つに断たれし禁忌の獣! 淫蕩の妖花なり!」


 詠唱と共に、更に魔法陣が色づき、徐々に完成していく。

 それを黙って見守るヴェタルではない。

 マジックコンボにより補助魔法バフ連打をするつもりだったが、気が変わった。


「【ライトニング・ボルト】!」


 ランク3。雷属性の初級魔法。雷の矢を高速で射出する。 

 威力はそれほどでも無いが、初級魔法の割に射程長く、弾が速い。その特性上、遠距離からの狙撃に適しており――【簡略詠唱クイック・キャスト】等で無詠唱で放てば――例え遠距離でも敵がポーションを飲むモーションを見てからそれを阻止する事が可能だ。

 ピンチになったアイセを救うべく、バトル中に誰かが【インターセプト】し、二体一の状況になったとしても――ヴェタルはこれを使ってAPの減ったアイセを、『いつでも遠距離から』瞬殺する事が可能だったのだ。

 

 それを今、詠唱中の無防備なハルに向けて放つ!

 一発では倒れないだろうがこちらには【魔撃連追マジック・チェイン】がある。【ライトニング・ボルト】が一発でも当たれば、マジックコンボで死ぬまで魔法を追撃出来る。


 ところが。


 バチィン!

 ハルに雷の矢が直撃する直前、雷撃が弾けるような音と共に【ライトニング・ボルト】が消滅する。


「なっ!?」

 

 ヴェタルは目を見開く。

 ハルの周囲に透明な障壁が展開されていた。半球状の、仄かに青白く光るそれは――


(【詠唱障壁フォース・フィールド】!)

 

【タブーシーカー】の下位クラス【ネクロマンサー】で覚える【クラスアビリティ】だ。

 銃や弓、それに魔法攻撃に強い耐性を持つ障壁を展開する。


(そんなっ!? アビリティまでセットしている時間なんて無かった筈!)


 いや。今それを考えている暇は無い。


「――歓喜せよ。封じられし獣よ! 絶望せよ。有象無象の者共よ!」

「【フレイム・シュート】!」


 炎属性の初級魔法を放つ。火球を射出し、接触と同時に炎が破裂する――最もポピュラーな攻撃魔法。単純だが、火力は高い。動かない的になら最も効果的と言えよう。


「【フレイム・シュート】!」


魔撃連追マジック・チェイン】でそれを二連発!


 ドウンッ、ドウンッ!!

 火球が二連続で炸裂し、辺りに炎を撒き散らす。炎属性の魔法は基礎攻撃力が高めに設定されている。それを二連続で受ければタダでは――


「今こそ、女神の封印は解かれる! 禁忌を求めし愚者の名は『ハル』!」


 詠唱が、止まらない。炸裂した炎の向こう側、ハルの姿が見えた。

 揺らめく炎の光を反射する【詠唱障壁フォース・フィールド】には、ヒビ一つ入っていない!

詠唱障壁フォース・フィールド】は遠距離攻撃――それも魔法攻撃に対する防御能力が特に高く、更に使用者のMND(せいしん)の値に応じて耐久値が上昇する。

  ハルはレベルアップボーナスを全てMNDに振っていた為、障壁の耐久値がかなり上昇していたのだ。


「このっ! ――雑魚の分際でぇ!!」


 ヴェタルが魔法攻撃を止め、【飛行フライング】のアビリティで大通りを駆け抜ける。地面スレスレを飛ぶ低空飛行。それも後先考えない本気の突進だった。


 正直、ヴェタルは少し焦っていた。

詠唱障壁フォース・フィールド】が破れなかったのもそうだが、何より召還魔法の詠唱がいくらなんでも長すぎるのだ(・・・・・・)

 ハルのクラスは【上級職ハイ・クラス】である【タブーシーカー】だが、そのクラスで修得出来る召還魔法なら、今頃既に詠唱を終えている(・・・・・)

 だと言うのに、ハルの詠唱は未だに続いている。


(一体何を召還するつもりなのよ!?)


 焦燥と不安――そして未知なる魔法への恐怖がヴェタルを突き動かす。


「――さあ! 禁域の花園は開かれた! 無限の触手と恍惚の芳香で世界を満たせ!」 

「させるかあぁぁっっ!!」


 爆速でハルの元へと飛翔するヴェタル。

 ヴェタルはその勢いのまま、【詠唱障壁フォース・フィールド】に殴りかかった!


 バキャアアンッ!!


 僅かな抵抗を感じた後、破砕音と共にバリアが破壊される。

 そう。【詠唱障壁フォース・フィールド】は射撃攻撃、属性攻撃に対して高い耐性を持つが近接攻撃――それも炎や水などの魔法属性を持たない純粋な物理攻撃には滅法弱く、接近して直接叩けばあっという間に壊れてしまう。


 MNDを上げていたハルとて、例外では無かった。


「私のぉ!」


 眼前には呑気に詠唱を続けるサキュバス。

 ヴェタルは【血霊爪スカレット・クロー】を展開する。


「勝ちぃっ!!」


 真紅の爪をハル目掛けて振り下ろす。


 ――が。その狂爪が届く直前、


 ヴェタルの全身に衝撃が走った。


 比喩的な意味では無く、文字通りの意味で。

 物理的な衝撃の波だ。それはハルを中心に発生し、周囲の家屋を揺らし、ガラスを片っ端から粉砕していく。

 

詠唱波動フォース・インパルス】。

 召還魔法を詠唱中に一度だけ、衝撃波を全方位に発生させる。【タブーシーカー】で修得出来る【クラスアビリティ】だ。

 かなり長い『再使用時間クールタイム』が存在する為、一回のバトルで何度も使う事は出来ないが、その分かなり性能の良い衝撃波を発生させる。

 ダメージこそ少ない物の、衝撃が兎に角強く、重い。軽装なら一撃で遠くに吹き飛ばされてしまう。重い鎧を着こんでいても、ダウンは避けられない。それほど強力な衝撃波を発生させる。


 軽装であるヴェタルも例外ではない。衝撃波を正面から、それも至近距離からまともに受け、紙切れのように吹き飛んでいく。


(【詠唱波動フォース・インパルス】? 何で、何で使えるのよ?)


 バトル直前のあの慌てっぷりから見るに、レベルが上がり、クラスチェンジし新しく習得した【アーツ】、【魔法】、そして【アビリティ】その全てを正しくセッティングしたとは思えない。


 だからこそ。ヴェタルはついさっきまで『速攻』を意識した戦術――それほど得意でもない接近戦をずっと繰り返していたのだ。

 ハルに張り付き、戦闘の準備をさせないように。


 しかし実際はどうだ。


 パリィアーツで反撃を行い。

【クラスアビリティ】できっちり自分の身を守り。

 更に、見た事も聞いた事も召還魔法を唱えようとしている。


 そしてヴェタルはようやく気付く。

『あの短時間の間で新しく習得したもの全てを正しくセットする暇は無い。今、このサキュバスにまともな戦闘能力は無い』。


 その認識自体が、自分の只の勘違いだと言う事に。


 ハルがバトル直前に見せた、あの慌てふためいた表情が――演技だったという事に。


(最初から――バトルを始める前から騙されていたって言うの?)

 

 バトル前に散々煽ったのも。

 制限時間の短さに慌てふためく様子も。

 素人を装った戦いも。

 リスクを冒して、パリィをした事も!


 その全てが、この瞬間の為。

 この長い詠唱時間を確保する為の布石だった!


 しかし、今更気付いても遅い。


「――禁獣召還!!」


 ハルの声と共に召還魔法陣が桃色に染まり、その全貌が明らかになる。

 

「っ!?」


 地面が桃色の発光している。


 大地が、震えている!  


(何よこの召還陣!? 大きすぎる!)


 召還陣は言わば召喚モンスターを呼び出す為のゲートだ。

 強く、巨大なモンスター程、それに比例して召還陣も大きくなる。


 が、今まさに完成しようとしている魔法陣はバトルフィールド全体の6割近くを占めている。家屋の屋根にすら侵食しているのだ。

 

 これほど巨大な召還陣は見た事が無かった。



「――狂い咲け!!【触手姫ブルトゥーム】っ!!」


 

 召還魔法が発動する!

 大地が鳴動し、立っていられない程の激しい揺れに見舞われる!

 野次馬達が、ヴェイグランツの面々が、どよめき戦慄く!

 魔法陣が目も眩む桃色の光を放ち、別の空間へと繋がる!


「――呼ばれて飛び出てぇ♪」


 声が、響いた。綺麗な女性の声だ。

 美しい声は無邪気な少女のように快活で――しかしどこか色っぽい。


 そして更に、声と共にバトルフィールドの中心部から、大量の触手と桃色のガスが溢れ出す。

 粘液を滴らせる音と共に、触手――正確に言うと蔦がバトルフィールドを埋め尽くそうと地面をのたうちながら、生え出でる。

 桃色のガスは色濃く、バトルフィールドの中に少しずつ充満していく。炎に照らされる戦場を桃色に染めていく。


「っ!?」


 異常事態に気付いたヴェタルは、足が触手に取られる前に飛び立ち、フィールドの端へと移動する。


 同時に、その中心部から『それ』が現れる――!


「――にょろにょろーんっ!!」


 じゅるるるぅっ…! と粘液同士が擦れる音。

 下品とも言える音を立てながら現れたそれは――巨大な、閉じたつぼみだった。



 ***



(デッカイ、花?)


 ネロはバトルフィールドの中央に現れた巨大な花に釘付けになる。

 ライラとココノも同様だった。


「は? 何だあのクソデカい花は?」

「し、知らないよぅっ。ネロちゃんは知ってるっ?」

「オイラも知らない」


 ネロも初級の召還魔法なら二つ程使える。それにどのような召還魔法が存在しているかも勉強し、知っている。

 が、【触手姫ブルトゥーム】という召還モンスターはこれまでに見た事も聞いた事も無い。


「多分、淫ピンの【ユニークマジック】」


(それもかなりランクが高いヤツ)


 魔法オタクであるネロには分かった。

 あの詠唱の長さ。そして召還陣の大きさ。

 恐らく、既存の召還魔法の中には無い。

 召還スキル9で習得可能と言われている、伝説の召還魔法【神獣召還】に匹敵する、強力な魔法――なのかもしれない。


 そして全員が見守る中、その閉じた蕾が、ゆっくりと開いていく。

 巨大な花弁が、文字通り花開く。

 その余りの巨大さ故、フィールドの中心部の家屋が根元から倒壊していく。冒険者ギルドも含めて。 


「――たっはーーっ!! シャバの空気だーっ!! おーいしーっ!!」


 開いた花弁の中から、(>ヮ<)な表情をしながら万歳をしている女性が現れた。綺麗な声とは裏腹に、割と童顔な女性だ。

 腰まで伸びた長い緑色の髪、そして緑色の肌。更に太ももから下は花弁の中心に埋もれていた。顔の形もそうだが、百合の花をヘアピン代わりにして長い髪をツーサイドアップにしていたり、年頃の少女のように表情が豊かだったりと――その異常な外観の割に可愛らしいという印象を受けた。


「『アルラウネ』…!」


 種別カテゴリ精霊タイプのモンスター。

 蔦による攻撃や拘束。魔法攻撃。それに様々なタイプの有害ガスを生成するモンスターだ。


 だがこれほど巨大なアルラウネをネロは知らない。


 花全体のサイズに比例して、この女のサイズもかなり大きい。上半身だけで2メートルはある。


 そして更に――その恰好、実にエロいのだ!

 葉っぱのブラ。蔦を使ったローライズ紐パン。身に着けているのはそれだけ。全身に蔦が絡まりつき、至る所で百合の花が咲いているが――誰がどう見ても半裸だ。

 それにスタイルも良い。ヴェタルもグラマラスな体型をしているが、この召喚獣は更にエロい体つきをしている。Hカップはありそうな巨乳。安産型のむっちりとした臀部。なのに体は細い。『ボン、キュッ、ボン』を具現化したようなスタイルだ。


 更に下腹部にはハートを象ったような紋様がピンク色に輝いていた。

【淫紋】。高位の悪魔、淫魔が魔力を高める為に自身の肉体に施す呪いだ。


(おおぉぉっっ…! エチチチチチチッ! エチチチチチチッ!)

 

 童貞エロガキのネロ君がエッチコンロを発動させるのも当然だった。


「ええと――デスマッチの最中にお邪魔した訳ね――」


 召喚されたモンスター【ブルトゥーム】が上空の電光掲示板を見上げながら呟く。それに表示されたハルとヴェタルの情報を読み取り―― 


「え!? レベル204対141!? かーわいい(・・・・・)♪」


 その場に居た全員が、その言葉の意味をすぐには理解出来なかった。


(可愛い? レベル204対141の対決が?)


 しかしネロはいち早く気付く。

 電光掲示板に表示されている【戦力比ゲージ】。さっきまでアイセ+ハルチームが【もう絶望しかない……】状態だったのに、今はヴェタル側が【もう絶望しかない……】状態になっている。

【ブルトゥーム】を召還した時点で、戦力比が逆転したのだ。

 ヴェタルがほぼ万全な状態であるにも関わらず。


「私を召還したのはサキュバスちゃんね? レベル141でよく召還出来たねー? H術(エチテク)スキルめっちゃ高いのかな? それともチートアビリティ持ちかな? どっちにしろ大したも、」


「【フレイム・シュート】!」


 ドウンッ!

 隙ありとばかりに放ったヴェタルの炎の魔法が、【ブルトゥーム】に直撃した!


「【フレイム・シュート】!【フレイム・シュート】!【フレイム・シュート】!」


 ドウンッ! ドウンッ! ドウンッ!


 それも四連発。

 礼儀もクソも無い。明かな不意打ちだった。

 戦術的には、勿論正しい。召還された強力なモンスターがお喋りに夢中になっているのだ。先手を取るのは普通だろう。

 それにアルラウネは分類こそ精霊型だが、その実態は植物型のモンスター。炎属性の攻撃には弱い。

 普通のモンスターならこれで勝負は決まってしまうだろう。


 普通のモンスターなら。


「はっ! 何が触手姫よ! すっトロい! 図体がデカいだけじゃ――」


 ヴェタルが異変に気付く。すぐにネロもその異常に気付いた。


 弱点である火属性の魔法を撃ち込んだのにダメージ表示が無い。 

 それどころか、緑色の数字で『11』と4回表示された。


「――は? はあっ? 何で、何でそうなるのよ!?」


 ヴェタルが明かに動揺していた。

 弱点である火属性で攻撃したのにも関わらず、大ダメージを与えるどころか逆に回復してしまったのだ。当然の反応だった。


「おいおい何だありゃ。花の癖に炎を吸収してやがる」

「えっと……元々弱点属性の筈だよね? それを克服どころか回復って、可能なの?」

「普通は無理。あれ異常」 


(あのモンスター、常識外れ過ぎ) 


「ちっ! なら接近戦、ヘブしっ!?」


 突如、爆炎の中から躍り出た触手にヴェタルがしばき倒される!

 正面から触手の薙ぎ払いをまともに受け、ヴェタルの体が地面に叩き落とされた!


[クリティカルヒット♪]


 1919ダメージ!


[オールブレイク♪ &ピヨリ~♪]


 540のAPが一瞬で0になり、ヴェタルは一糸纏わぬ姿になってしまった。そのまま蠢く触手群の上で目を回す。その頭上でヒヨコも回る。


「「「「「ヴェタル様!?」」」」」


 配下の吸血鬼達が思わず声を上げた。


「おい…何だ今のダメージ…?」

「見間違いかな? 四桁、出てた気がするんだけど…?」

「――化け物…っ」

 

 アイセの【陽炎かげろう】コンボですら1セットで100ダメージを超えるくらいだというのに――たった一発で1919ダメージはいくらなんでも異常だ。


「ね、ネロちゃん! いつものやつ!」

「ラジャー!【パパラッチ・アーイ!】」


 ネロは杖をしまうと、両手の親指と人差し指で長方形を形取り、覗き込む。まるでカメラで写真を取るように。

【パパラッチ・アイ】。ネロのユニークアーツだ。

 対象のステータスを読み取る、という単純な効果だが同じ敵に何度も使う事によって、より詳細なデータを知る事が出来る。


 しかもその結果――エッチなステータスまで読み取る事が出来るのだ!


『=================

 名前:ブルトゥーム

 性別:♀

 年齢:ヒ☆ミ☆ツ

 種族:アルラウネ

 クラス:⑨ヒ☆ミ☆ツ

     ⑧ヒ☆ミ☆ツ

     ⑦ヒ☆ミ☆ツ

     ⑥ヒ☆ミ☆ツ

     ⑤シャーマン(300/300)

     ④エレメンタラー(100/100)

     ③メディウム(50/50)

     ②ネイチャー(30/30)

     ①レンジャー(20/20)


 称号:触手姫

 状態:絶好調♪

 所属:八禁獣

 ファミリー:アマララス

 パーティ:ラプチャーズ


 LV:5050

 LP:ヒ☆ミ☆ツ


 AP:ヒ☆ミ☆ツ

 SP:ヒ☆ミ☆ツ

 MP:ヒ☆ミ☆ツ

 HP:ヒ☆ミ☆ツ


 STR:ヒ☆ミ☆ツ

 VIT:ヒ☆ミ☆ツ

 DEX:ヒ☆ミ☆ツ

 AGI:ヒ☆ミ☆ツ

 INT:ヒ☆ミ☆ツ

 MND:ヒ☆ミ☆ツ

 LUK:ヒ☆ミ☆ツ

 DES:ヒ☆ミ☆ツ


 所持金:ヒ☆ミ☆ツ

 =================』


 四本の指で作った長方形の中にステータスウィンドウが表示される。


「――――え…?」


 そしてその余りの異常な数値に、ネロは自分の目を疑った。

 大体のステータスは秘匿され知る事は出来なかったが、そのレベルが余りにも高過ぎるのは分かる。

 思わずネロは3度見してみたが――結果は変わらない。 


(レベル、5050?)


「あり得ない」

「ん? ――イエーイ☆」


 ネロのステータス盗視に気付いたのか。ブルトゥームはネロに笑顔を向けた後ノリノリで横ピースを決める。

 その仕草は可愛らしいものだが……いかんせん色々化け物じみている。


 その大きさも。

 弱点属性を吸収する事も。

 その攻撃力も。

 高すぎるレベルも。

 全てが規格外だった。



「止めをお願いします!」



 ハルの声だった。

 そう。ヴェタルのAPは0。しかもピヨリ状態なので行動不能、かつ【緊急霧散エマージェンシ・バニッシュ】も使えない。

 ハルにとっては長い戦いの末に手に入れた、千載一遇のチャンスだった。

 同時に吸血鬼達が主のピンチにざわついた。


「まずい! ヴェタル様がピンチだわ!」

「私が【インターセプト】する!」

「何言ってるの私よ!」

「私が一番強いわ! 私がヴェタル様をお助けする!」

「はあ!? 誰がそんな事決めたワケ!?」

「「「「「ギャーギャー!!!」」」」」


 誰がヴェタルを助けるかで揉める吸血鬼達。

 そう。【インターセプト】は基本的に両陣営とも一回きりで、しかも一人のみ。よって主を助けるべく、誰もが率先して【インターセプト】をしようとしている。

 それが偽りの心とは言え見事な主従愛だった。

 ただし、連携は取れていない模様である。


 そして止めを刺す事をお願いされたブルトゥームと言えば、吸血鬼達の醜い言い争いを指差しながら「あはは♪」と楽しそうに笑っている。


 あと一手で決着がつくと言うのに、何とも歯がゆい光景だった。

 

「くっ! 雷光よ! 稲妻の矢をもって彼の者を射貫け!【ライトニング・ボルト】!」


 ハルが痺れを切らした。

 ヴェタルも使った雷の狙撃魔法を解き放つ。

 雷の矢は超高速で飛来し、ヴェタルへと突き進む!


「ほいっと」

「っ!?」

 

 しかしあろう事か、ハルの放った魔法をブルトゥームの触手がはたき散らした!


「な、何のつもりですか!? 敵はその吸血鬼ですよ!?」

「いやー。だってデスマッチでしょー? このまま終わらせちゃうのも勿体無いし~。久しぶりのシャバだから~。もっと遊びたいかな、って☆」

「は? ……は!?」


 ブルトゥームの言葉が理解できない。それはハルも、ネロも、その場に居た全員も同様だ。

 それを悟ったのだろうか。ブルトゥームは触手を操り、地面でピヨっていたヴェタルを拘束し、宙へと持ち上げる。


 病的な程白い肌に、植物と臓腑を足したようなデザインのおぞましい触手が絡みつき、ねっとりとした粘液を塗り付けていく。街を焼く炎に照らされ、粘液に濡れたヴェタルの裸身が、色っぽい輝きを放った。

 ぬるり、ヌチュリ、と湿っぽい音を立てて触手が胸に巻き付く。ヴェタルの豊かな二つの膨らみが、まるでマシュマロのように潰れ、変形する。


 ただブルトゥームの趣味か配慮か――その先端だけはキッチリと隠れていた!


「つまりぃ……ナイトパーティーでもしよう、って事だよ☆ 主役はこの吸血鬼と、私を召還してくれたサキュバスちゃん☆」 


 文字通りパーティを愉しむように、ウッキウキな表情で話す花の魔物。


 ふと、その目が細められ、潤む。

 緑色の唇を、真っ赤な舌がぺろりと舐める。

 草色の頬に、朱が差し込む。

 

 口角が少しずつ釣り上がり――

 

 淫蕩の妖花は、妖艶に微笑んだ。



「たぁっくさん……気持ちよくぅ、してあげるからねぇ…?」

  

 次のエピソード、色々開放するヨ☆ 勿論H的な意味で。


 次回投稿は11/16(月)AM8:00の予定です。

 面白い! と思ったらブックマークと評価をお願いします!

 以下、いつものオマケコーナー。


【プリーズテルミー! リリウム様!】

 今回のお題は~?『魔法について!』


『=================

        魔法

 =================

 MP(マナポイント)を消費して発動させる、

 お馴染みのアレ。

【精霊魔法】【召還魔法】【H魔法】、

 の三つが大まかな分類。

 更に【初級】【中級】【上級】【超級】

 と分類され、より強力になる代わりに、

 より長い詠唱が必要になるよ。

 魔法を使う為には基本的に、

『大きな声で』『詠唱』する事が必要。

 だけど特定のアビリティで詠唱を

 短縮したり、コソコソ小さな声で

 詠唱して何の魔法か相手に

 悟らせない、っていう状況を

 作り出す事も可能だよ。

 他にも無防備な詠唱を防御したり、

 フォローしたりするアビリティが

 沢山あるから上手く使って立派な

 魔法使いを目指そう!

 ================』


『=================

       精霊魔法

 =================

【精霊魔法】は、【光】【闇】

【炎】【水】【風】【土】【雷】【氷】

 の8属性に分けられるよ。

 基本的に【精霊魔法】はINT(かしこさ)

 攻撃魔法の威力が上昇し、MND(せいしん)

 補助回復魔法の効果が上昇するよ。

 但し【光】の魔法はMNDだけでも

 攻撃魔法の威力が上がるし、【闇】の

 魔法は逆にINTだけでも補助魔法の

 効果が上昇するよ。

 つまり【光】の魔法が得意な

 ヒーラー職なんかは MNDだけを

 集中的に伸ばすのが効果的って事。

 自分のビルドに合わせてステ振りを

 きっちり考えようね!

 ================』


『=================

        召還魔法 

 =================

【召還魔法】は強力なモンスター

 なんかを呼び出す魔法だよ。

 一定時間、自分よりも遥かに強い

 存在を呼び出す事が出来る!

 但し、強力な分【精霊魔法】よりも

 MPの消費は多いし、詠唱も長いから

 使う際には注意しよう!

【召還魔法】も【精霊魔法】と同じで

 いくつか分類があるよ。

【魔獣召還】。獣型、獣人型の

 モンスターを召還。

【精霊召還】。上位のエレメント、

 他にもゴーレムや植物型のモンスター

 を召還。

【死霊召還】。アンデッドを召還。

【天使召還】。上位の天使を召還。

【悪魔召還】。上位の悪魔を召還。

【淫魔召還】。上位の淫魔を召還。

【巨竜召還】。ドラゴンを召還。

 ================』


『=================

        H魔法

 =================

【H魔法】は少し特殊。【精霊魔法】や

【召還魔法】のように分類は無いよ。

【H魔法】は相手のAPアーマーポイント

 ダメージを与えるんじゃ無くて、HP(ハートポイント)

 を蓄積させるよ。

 HPが最大値まで溜まり切ったら

【オーバー・ハート】状態になって、

 行動不能+SP(スタミナポイント)MP(マナポイント)に大きな

 ダメージが入るからバトルを

 圧倒的に優位に運べるよ。

【H魔法】はDES(よくぼう)の数値が

 高い程威力が増すよ。INTやMND

 は一切関係無いからステ振りの際は

 気を付けよう!

 ================』


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