第13話 ☆覚☆醒☆ ボク、サキュバス化しまぁ~すぅ♪
WARNING!! WARNING!!
WARNING!! WARNING!!
本エピソードは『お下品』『下ネタ』要素を過分に含みます!
お読みの際にはご注意下さい!!
そう、あれは確か…ボクが中学3年の頃だった。
三月半ば――冬の寒さが和らぎ、春の暖かさを感じ始めるようになった頃。
猛勉強の末、第一志望だった高校に何とか合格し、気が緩みまくっていた時だ。
自室で深夜アニメを見ていると、ふと耳に聞こえたのだ…!
「おっほおぉぉぉぉぉぉっっ♪♪」
最初はアニメのキャラの声じゃないかと思った。
だが違う。よくよく聞くと――隣の部屋から聞こえてくるではないか!
「ひっぎぃいっ♪」
っていうか次女の声だった!
「はい終わりっ! 私のお○○○終わり!」
しかも公の場ではとても口に出せないようなど下いセリフだ!?
下品なセリフを、下品な声で――ひょっとして次女は壊れてしまったのか。
そう思うのは当然の反応だったと思う。
ボクは――勿論効かなかった事にして、深夜アニメを見続けた。
が、ここで想定外のトラブルが起きてしまう。
アニメを見終わり、睡魔と同時に尿意に襲われてしまったのだ。
ボクは瞼を擦りながら部屋から出ると、
「「――あ」」
同じタイミングで女性が隣の部屋から出て来た。
ふわもこデザインのパジャマ。
茶色に染めた長い髪、愛嬌の良い顔立ち。
隣の部屋の主である、次女だ。
「「……」」
なんて気まずい空気。眠気も尿意も一瞬で吹き飛んでしまった。
こんな時一体どうすればいいの!?
毎日毎日何時間も馬鹿みたいに勉強したけど、【隣の部屋で下品なセリフを連呼していた実の姉と深夜ばったり出会った時の対処法】とか全然分からんわーっ!!
「グッタイミっ、ハルちん!」
「えっ? な、何っ!?」
ボクは拉致られるように次女の部屋に連行された。
次女の部屋にはちょいちょい入った事があるけど(パシリとしてね!)、いつの間にか部屋の様相が少し変わっていた。
女子らしい可愛いもの多めな内装と、ジャニーズのポスター、山と積まれた詰まれたアニメDVDやゲームソフト。
それらはいつも通りだけど部屋の壁や天井、床に至るまで防音シートが張ってある。部屋の騒音を軽減する便利アイテムだ。
成程、確か次女は声優志望だったので防音シートは必要だろう。
心おきなくお部屋でも演技の練習が出来るという物だ。
シートの敷き方が甘いのかさっきメッチャ声漏れしとったけどな!
なんて考えていると突如両肩をガシッ、と捕まれた。
何事!? と思う前に割とマジな顔をした次女に見つめられる。
「ゲーム、好きだよね?」
「え、う、うん」
「アニメ、好きだよね?」
「ま、まあ」
「声優とか興味ある? 推しの人とか居る?」
「え? えーと――野水いのりさん? とか」
「あー! うんうん! 分かる! 声メッチャ可愛いもんね! 歌も上手いしー!」
え。これ、何の質問? どういう意図なの?
と頭の上に?が浮かび始めた瞬間だった。
「Hなゲーム、興味ある?」
「――は? はあああぁぁぁっ!?」
「いやね。実はあたしエロゲー声優デビューしちゃってw まあ同人だけど。
最近ちょくちょく役を貰ってるんだよね。でもねー?
今やってる作品の監督さんが厳しい人で全然OKサイン出してくれないのよー?
だからねハルちん? 練習手伝って♪」
「いやいやいやいやいやどっから突っ込めばええねん!?」
「あー☆ 突っ込む♂とか、ハルちんのエッチ♪」
「やかましいわ!! 大体練習手伝って、ってどないせぇっちゅうねん!?」
「いや普通にセリフ聞いて、感想言ってくれればイイよ?」
「え!? そ、それってさっきみたいなエッチなセリフ!?」
「ははぁ~ん? 何だよハルちん~♪ ちゃっかり聞いてたんじゃな~い♪
このむっつりスケベ♪」
「聞いたんじゃなくて聞こえたんじゃい!」
「あり? 防音シートの設置がちょっと緩かったか。
まあそれはいいとして。どうだった? エロかった?」
「え? そ、それはっ…」
エロくは無かったけど実の姉があんな卑猥な言葉を言っていたかと思うと――
妙に意識してしまうわい!
「うあ~☆ 真っ赤になってる~♪ 可~愛い~♪
あたしのやるキャラより絶対ハルちんの方が可愛いし~♪」
「ああもうウザいわっ!」
引っ付く次女を必死に引き剥がす。
顔は可愛いのに性格が残念過ぎる! この年中脳味噌お花畑姉が!
「決めた。ハルちんも一緒に練習しようず☆」
「What?」
「いや。一人より二人って言うじゃん。っていうかさっ、ていうかさ☆
エロゲーのセリフまじ面白いんだって♪『おっほおぉぉぉぉぉぉっっ』とか、
『ひぎいぃぃぃっ!』とかマジ腹痛いしw いやね? 最初は恥ずかしかったよ?
でもヤッテる内に、変な脳内物質ダバダバ出て来て楽しくなってくるの♪
まあ物は試しにヤッテみよー!」
「いやいやいやいやいやいやいやいや! そもそもド素人のボクに何が、」
「あーあー! そんなムツカシイ事考えなくていーの! ノリ! ノリでおけ☆
そもそもハルちんってクラスメートの女子と、ノリノリトークしてるじゃん!
あんなんでいーの!」
「え? そんなんでいいの!?」
「良くないけどいーの! じゃいっくよー!
先ずはエロゲ伝統のこの台詞! 腹に力を込めて!
体の内に闘志を燃やして! でも悔しさ一杯、涙一杯に! せーのっ!!」
「「 く っ 、 こ ろ っ !!」」
そこはオタク姉弟、何を言うべきか、分かってしまった。
分かってしまった事が悲しく――そしてどこか嬉しい。
これ深夜テンションやん!? 素面じゃないぞボク!?
と頭の片隅で思うが、息の合った二人のコンビプレーは何だか無性に嬉しい。
勢いのまま「「イエーイ☆」」と次女とハイタッチ。
あれ? エロゲーの演技練習って結構楽しいんとちゃう?
今まで受験勉強でストレス溜まってばっかやったし。
それをパーっと解消するにはエェかもしらんな!
「よっしゃー! じゃあこの調子でどんどんイってみよー!」
「どんとコイっ☆」
「じゃ次はハードル上げて下品なワードイってみよー! リピートアフタミー!?
――ちん○、おちん○っ、おちん○様!!」
「言えるかあああぁぁぁぁぁぁっっっ!!」
「なぁーんでよぅ~。なぁーんで言えないのよぅ~」
「アホちゃうか!? こんなん恥ずかし過ぎるわっ! 羞恥心無いんとちゃう!?」
「甘いなーハルちん。これ、お仕事だよ? 分かる? お☆し☆ご☆と☆
恥ずかしいとか言う問題じゃないの。
大体そんな事言ったら、ドラマの俳優さんとか、濡れ場どーすんの? って話。
実際にキスしたり、肌を重ねたりするんだよ?
それに比べれば、声だけ演技してればいい声優とか、大した事無い☆無い☆」
「いや、それは…そうかもしれないけど…」
「大丈夫! ノリ! ノリと勢いが全部解決してくれるって☆
それに一回でも言っちゃえば吹っ切れるから☆
それじゃ、気を取り直してもっかいイってみよー☆
はい! ちん○、おちん○っ、おちん○様!!」
「ち、ちん○、おちん○っ、おちん○様!!」
――あ……言っちゃった。
でも――なんか思ったよりも抵抗、無くない?
むしろ変な気分になってきたようなっ……
「ちん○、おちん○っ、おちん○様!!」
「ちん○、おちん○、おちん○様っ!」
お。ほんとだ、なんか楽しくなってきたゾ♪
深夜テンションで脳内にアドレナリンがダバダバ放出されている。
段々、歯止めが利かなくなってくる♪
「ちん○、おちん○っ、おちん○様!!」
「ちん○っ、おちん○っ! おちん○様!!」
あは♪ なんかたーのしー♪
「ちん○☆ おちん○っ♪ おちん○様☆☆」
「ちん○、おちん○☆ おち、」
下品な台詞をとうとうノリノリで言い始めた時だった。
バン! と部屋のドアが勢い良く開く音を聞いた。
「二人とも、今何時だと思ってるのかしら♪」
蝶番が取れるかと思う程の大きな音に対し、その声は余りにも穏やかだった。
その女性の声はまるで聖母かと思う程穏やかで、優しい声色だ。
が、そんな優しい声と共に、まるで殺気とも言える怒気を肌で感じたのだ!
言葉以上に気配が雄弁に語りかけてくる――『てめえらぶち殺すぞ』と!
こんな恐ろしい激おこオーラを放てるのは夢宮家でも一人しかいない。
ボクと次女は冷や汗を垂らしながら、ゆっくりと視線を入口に向ける。
――そこに、笑顔を浮かべた母さんが立っていた。
ぱっと見はまるで井戸端会議で微笑む、お上品な奥さんだ。
まるで、虫も殺したことありませんよ? と言わんばかりの穏やかな笑顔。
だがボク達夢宮家の人間は知っている。
父、母、長女、次女、そしてボク。五人の中で、母さんが最も恐ろしい人間だと!
この笑顔も、ボクと次女には死神の笑いにしか見えなかった!
「ちょっとお母さんとお話をしましょう?」
「「ひぃぃっ!? ガクガクブルブル…!」」
ゆっくりと歩み寄ってくる母さんに、ボク達は抱き合いながら恐怖に震えた。
――無論、その後二人でこってりと怒られたのは言うまでもない。
***
懐かしい記憶、思い出しちゃったな。今となっては苦い思い出だ。
あの時ボクが学んだのは、声優としての演技とか、そんなんじゃない。
要らないと思った時に。
速やかに。
羞恥心をポイする方法だ♪
ボクは意識を正面に向ける。バトルは続いている。
まあ、もう勝ったようなものだけどね☆
少し離れた所で倒れ伏しているミスティさんは、さっきボクの放った『ハートブレイク・アロー』の一撃で【オー】してしまい、倒れ伏してしまった。でも勝負はついていない。
【オー】は一定時間行動不能+マナとスタミナを削るだけの状態異常だ。
ボクがバトルに勝つ為には、ミスティさんのSPMPを同時に0にする必要がある。
つまりぃ~。
彼女が御免なさいと言うまで、ボクはハートブレイク・アローを撃つのを止めない♪
言っても止めないけどネ☆
「じゃ☆ もっかい行くねー☆」
アイドル横ピースをしながら死刑宣告。
一度吹っ切れてしまえば――男のプライドと羞恥心をポイしたボクはム☆テ☆キ☆だ☆
H系のスキルに特化したサキュバスの力、全☆部、引き出しちゃうゾ☆
っていうか。ノリノリでH魔法使うの、何か気持ちイイ☆
メチャ気分上がるやん☆
高揚してくるボクの気持ちを表すように、視界がピンク色に染まっていく。
あれ? 視界の右下に『○○○の魂限定解放LV1』って表示されてるの、何だろ?
――ま、別にいっか☆ 詠唱開始☆
「あっなたっの☆ハァトを☆」
無様に地面を這ってるミスティさんを指差し、次に両手の親指と人差し指を使って♡を形作る。
男に媚びるようにお尻を突き出し、前傾姿勢になり見せつけるようにOPPAIを強調☆
「ゴクリ…!」
「け、けしからん! けしからん乳だ!」
「ふーん。えっちじゃん///」
あー☆ OPPAIの谷間と、もろチラするパンツに視線がブスブス刺さるー☆
ダメダメ☆ 脳汁出ちゃう♪ 皆の視線独り占めするの気持ち良くなっちゃう♪
あー。視界の右下の謎表記、『○○○の魂限定解放LV2』になった☆
分かった☆ ボクが上がれば上がるほどこの謎表記も上がるんだ☆
「ズッ☆キュ~ンッ☆」
両手を銃に見立ててミスティさんを撃つジェスチャー。
『バァン』の発砲モーションと同時に、マズルフラッシュの代わりだ、言わんばかりにハートのエフェクトが飛び散った。
「ねーらい撃ちだ☆ ゾ☆」
小首を傾げながらパチンとウィンク一つ。
――あれ? 最後詠唱間違っちゃった?『ねーらい撃ちだよ~』じゃなかったっけ?
――ま、いっか☆ 細かい事気にしない☆
最後にクルリ、と大袈裟気味にパンチラターン☆
[Faaaantastiiiic!!!!!ヾノ≧ヮ≦)ノシ
詠唱ボーナス出血大サービスだよ! もってけドロボー!]
詠唱ボーナス、ゲット☆アゲイン☆ しかもさっきよりもイイ感じ♪
お。『○○○の魂部分解放』もLV3になったネ☆
「ひっ!」
お~? ミスティさん。何だか顔が赤蒼いよぉ~? ぶるってるネ~☆
でも、 大 ☆ 丈 ☆ 夫 ☆
今から☆ トドメを☆ プレゼント☆ フォー☆ ユー☆ するからネ☆
「☆ハート☆ブレイク☆アローッ☆」
両手に顕現したピンク色の弓と矢。
それをギュ~☆ と引き絞って~☆
――シュートォ☆
ショッキングピンク色をした矢が放たれる!
わあ☆ 一回目のハートブレイク・アローよりも矢がおっきい☆
小さなハートをたーっくさん☆撒き散らしながら矢はすんごぃ☆速さで飛んで行って――
ミスティちゃんのハートを背中から貫いた☆
[クリティカルヒット♪]
502Hダメージ!
「お"っほおぉおお"おおぉぉぉうっっっ!♪!!♪!」
あっは☆ すっごい声☆ まるで ☆野☆獣☆ だネ☆
そんなにボクのハートブレイク・アロー☆が良かったのかナ☆
だったらぁ~。
もう一発、イってみようかナ☆
[オーバー・ハート♪ ミスティちゃん【気絶】により戦闘不能♪]
? ミスティさん戦闘不能? って事は……
[バトルフィイイイイイニッシュゥッ! ウィナァァーッ、ハールちゃぁぁぁんっ!!]
「やったぁ☆ ブイブイ☆」
「「「「「まじかあああぁぁぁぁぁっっっ!!!!!?」」」」」
勝利BGMに野次馬さんの絶叫が重なる。
うん☆ 気持ちいいネ☆
『おめでとう! 大勝利!』
目の前にメッセージウィンドウがおっきく表示。
かと思うと二枚目のウィンドウが現れた。
『=================
BATLLE RESULT!
=================』
あ☆ 戦闘結果の画面かな?
多分経験値がいくら手に入るか、とか、ボーナスがいくらもらえるか、とかだよね。
『=================
BATLLE RESULT!
=================
EXP 785
=================』
わ☆スゴイ☆経験値785も貰えるんだ♪
『=================
BATLLE RESULT!
=================
EXP 785
=================
レベル1ボーナス ×2
レベルギャップボーナス ×1.32
クラスギャップボーナス ×1.40
初期防具ボーナス ×2
ノーインターセプト ×1.5
オーバー・ハートボーナス×4
=================
×12.22
=================
=9,592
=================』
「わ☆ ボーナスもスゴーイ☆
785の12倍で経験値を9,592もゲット、」
『=================
BATLLE RESULT!
=================
EXP 785
=================
レベル1ボーナス ×2
レベルギャップボーナス×1.32
クラスギャップボーナス×1.40
初期防具ボーナス ×2
ノーインターセプト ×1.5
オーバー・ハートボーナス×4
=================
×12.22
=================
=9,592
=================
称号補正 ×0.00025
=================
【 GET 2 EXP!! 】
=================』
「――――――イラッ☆」
もう! 称号のせいでたった経験値たった2しか貰えなかったし!
最低最低最低! あんなに頑張ったのに!
レベルが一つも上がってなぁ~い!
『=================
【& GET 114,514 Z!! 】
=================』
わ!? お金、11万4千514Z!? 経験値は残念だけど、資金は一杯ゲットだネ♪
あ。ちなみにこの世界、通貨はZでオールデータマネーでーす☆
現金は流通してませーん☆
ま、思う所はあるけど成果としては上々じゃないかナ☆
そ☆れ☆よ☆り☆も☆
「やっほー☆ ミスティさーん☆」
ボクは無様に地面に這いつくばっているミスティさんに接近。
ところが――あれ? ボクの声、聞こえてない?
しゃがみ込んでミスティさんの顔を覗き込んでみる。
ミスティさんからはパンツ丸見えになっちゃうけど今更気にしないゾ☆
「あぁ……嘘ですわ……これは悪夢ですわ……」
あーあ。可ー哀想にー。死んだ魚みたいな目、してるゾ☆
でも話にならないから取り敢えず…☆
ばちんっ☆ と平手を一発☆
「アイタァっ!? な、何をしますの!? これ以上、私に何を、」
「ねえどんな気持ち?」
ぺちんっ☆
「レベル1のクソ雑魚ナメクジに負けるのってどんな気持ち?」
べしっ☆
「ボク、想像も出来ないの。レベル差が60以上も開いた初心者に負けた人の気持ち」
パチンっ☆ ぺしっ☆
「だ☆か☆ら☆ 教えてよ。ねえ? どんな気持ち? くすくすっ♪ うふふっ♪」
ぺしっ☆ べちっ☆ ぱちんっ☆
「いたっ、痛いですわっ、許し、あうっ、もう許してぇっ」
ああ^~無抵抗な子をほっぺをぺしぺし叩くの気持ちいぃ~☆
「てめえミスティ! お前、ふざけんな! どこに負ける要素があったんだよ!」
「お前がクソ雑魚ナメクジだよ! いや、クソ雑魚ナメクジ以下だ!!」
「は? だっさ。AFC抜けるわ」
「私も~。会長ザコすぎ~」
「う、うわああぁぁぁぁぁぁんっっ、ですわぁぁぁぁぁっ…!!」
あらあら泣いちゃったぁ~☆
で☆も☆ 人を散々煽り散らしたんだから、自業自得☆ だよね☆
けどま、可愛そうだからこの辺りにして、
[じゃ【ボーナスタイム】イってみよー♪]
「うん?」
そう言えばバトル前にライラさんが話してたっけ。
ボーナスタイムで、相手の経験値を吸収出来る――って。
でもボク、やり方知らないんだけど。
『=================
『ムフフ♪ ボーナスターイム♪』
=================
『勿論、美味しく頂きます♪』
『ちょっと好みじゃないかな…』
30
=================』
うーん? 初めて見る選択肢。でも上がイエスで下がノーだよね?
何だろうね~。でも『食べる』ってニュアンスだよね~。
そして『ムフフ』って感じなんだよね~。
って事はー、って事はー? つまりぃ?
「何ぼさっとしてんだー!?」
「会長のレベルを1にしてやれー!」
「サキュバスでしょ!? 一思いに『ぶちゅー』っとやっちゃいな!」
「お☆ お☆ そういう事ね☆ おけ☆ 把ー握~☆」
つまりぃ~『キ☆ス』で経験値を吸い取るって事だネ☆
うふふ♪ なんてエッチな世界なんだろうね☆
「い、嫌ですわっ、私からこれ以上何も奪わないで下さい!」
「はあっ、ふざけんな負け犬ぅ! 文句言う権利あると思ってんのか!?」
「で、ですが『吸精』のアビリティを持つサキュバスにキスされたら!
経験値をごっそり持っていかれてしまいますわ!」
あ、なーる☆『吸精』のアビリティは経験値吸収量も増加させるんだネ☆
うーん☆ サキュバスらしい、エッチな能力だ☆
そ☆れ☆にィ~☆
震えてるミスティさんの唇、よ~く見てみるとぉ――
とぉってもぉ、オイシソウ♪
薄く引いたリップ。瑞々しく『ぷるんっ☆』と張りのある唇。
その奥に若々しく、力強い精気がたーっぷり詰まってる☆
それにぃ…【オー】の余韻で荒くなってるミスティさんの吐息、とってもエッチ♪
呼吸に合わせて、ちょっと精気も漏れてるネ☆
「敗北者には慈悲は無え!」
「全部吸っちまえーっ!」
「キスしろーっ!」
「「「「キース! キース! キース!」」」」
あらら~。気が付けば試合開始前とは真逆の展開に。
「うんうん☆ こ☆れ☆は☆ 観客の皆の期待に応えないとイケないネ☆」
っていうかぁ――我慢できない♪ ミスティちゃん、超美味しそう♪
ぷるぷるの唇に、ボクの唇を合わせて、涎と一緒に精気を頂くんだ♪
『=================
『ムフフ♪ ボーナスターイム♪』
=================
『勿論、美味しく頂きます♪』
『ちょっと好みじゃないかな…』
09
=================』
おっと☆ 選択肢の制限時間が無くなっちゃう☆
それじゃ、『勿論、美味しく頂きます♪』をタッチし――
その時。
ふと。視界内に見知った人影を見た気がした。
その人物は、黒いローブで全身を覆い隠していた。
その人物は、センスの無い、ドクロの仮面を被っていた。
その人物はちょっと背が高くて。
野次馬たちに押し込めながらも必死にボクの方を見ていた。
仮面越しに何かを訴えるように。
挙動不審とも言えるその人物。それが誰か、考えるまでも無かった。
「――アイセ…さん…?」
それを認識した瞬間。
冷水でも掛けられたように、浮ついていた心が治まっていく。
ピンク色に染まっていた思考から、我に返っていく。
「――あ、ボク、今まで…」
何、してた? 何をしようとしてた?
ミスティさんに、キスしようとしていた?
それも――本物のサキュバスみたいに、あんなに嬉しそうに!?
ウィンドウに触れようとしていた指先がカタカタと震える。
まるで、悪夢から覚めた時のような気分だった。
心地よい、ずっと浸って居たくなるような高揚感は、もう消え去っていた。
ボク、途中から明かに正気じゃなかったぞ!?
そう、確か二回目のハートブレイク・アローの詠唱からだ!
次女式、羞恥心ポイポイ術の後!
なんか、気持ち良くなってた! 頭の中も【オーバー・ディザイア】した時みたいに完全にピンク色になっとった!
「――っていうか……」
メッチャ、ノリノリで、ボク、パンチラしてたよね?
「~~~~~っっっ…!!!」
まさに顔面発火。
詠唱時の破廉恥極まりないパフォーマンスを思い出し、顔が真っ赤になった。
あんな恥ずかしい事、良くできたなあワレェ!?
しかも下手しいアイセさんに見られてたんとちゃうんかああぁぁっっ!!?
「? なんだあのサキュバス? ヤらねえのか?」
「え? ちょっとちょっと! そりゃないでしょ!?」
「吸精しなよ!? あんたが勝ったんだよ!?」
「やかましいわ!!! 何が勝ちやねん!? どこが勝ちやねん!?
勝負には勝ったけどけどなぁ! こんな、こんな勝ち方あるかぁい!!」
男として色々なもん失ってもうたわ! 全然嬉しないし!
ボクは『ちょっと好みじゃないかな…』のボタンを躊躇なくタッチ。
「…貴方…どうして?」
予想外の展開だったのか。ミスティさんが少し呆けた様子でボクを眺めていた。
お金どころか経験値も奪われると思っていたのだろう。
「…勘違いしないで下さい。レベル1でもミスティさんに勝てたんです。
だからキスしてまで貴方の経験値を奪う必要性は無いってだけです…!」
それに十分な資金を得られた。
レベル1でも、金に物を言わせた戦略である程度は対応出来るかもしれない。
――いや、本当は違う。
誰かの唇を奪ってまで経験値を得るなんて、したくなかった。
そんな事をしたら、体だけじゃなくて心までサキュバスになったような気がして。
自分が男である事を全部否定してしまう気がしたんだ。
それに、そんな姿を…アイセさんだけには見られたくなかった。
「だから別にミスティさんに情けを掛けた訳じゃ、無いですからねっ?」
「貴方……私、勘違いしてましたわ。
貴方はどうやらそこらに沸いているビッチサキュバスとは違うようですわね。
成程、それでアイセ様達は貴方をパーティとして受け入れた訳ですか。
でも私は貴方の事を認めませんわよ!?
いつか必ず、リベンジして差し上げますわ…!」
「上等です。その時は、今回みたいな茶番じゃなく。
まともなバトルをしましょう。正真正銘の、ガチンコバトルを!」
ボクは地面に倒れたままのミスティさんに手を差し伸ばす。
彼女は呆気に取られた顔をしていたが、すぐにボクの手を掴んだ。
いがみ合った者達が戦いを通してお互いを理解し合う――
ああ、なんて素晴らしい事だろ!
もうボクとミスティさんは、ただの忌むべき敵同士ではない。
互いを認め合い、高め合う――好敵手だ!
[ボーナスタイムキャンセル! バトルフィールドを解除!
ミスティ対ハルのハンディキャップバトルを終了しまーす♪]
「てめークソミスティ!」
「一発殴らせろぉ!」
「ボコれぇ!!」
ドドドドッ!!
!? やばい!
円筒状のバトルフィールドが消滅し、野次馬達が何だか凄い形相でこっち来る!?
「ひっ!?」
特にミスティさんへの風当たりが悪いみたいだ。
彼女は真っ蒼になった顔で助けを求めるようにボクを仰ぎ見た。
きっとまだ足腰立たない状態なのだろう。
しかし、もう猶予は無い。
不満の爆発した野次馬達がボクとミスティさんを包囲するように迫っている!
このままここの留まれば、ボクもどんな目に遭うか分かった物じゃなかった。
だからね? ミスティさんには悪いけど――
「――えと…御免なさい☆」
てへぺろ、してからミスティさんの手を、無情にも振り払った。
「っ!? そんなっ」
絶望顔をするミスティさんを尻目に【跳躍】のアビリティで大ジャンプ!
小さな翼をはためかせ、【滞空】のアビリティで空中に留まる。
次の瞬間、野次馬達の群れがミスティさんを襲い掛かった!
「盛大に負け散らかしやがってこのクソアマ!」
「金返せ! 金返せ!」
「レベル1に負けるとかふっざけんなあああっっっ!!!」
ボコボコドカバキグシャっ!!
ひえっ。完全にリンチやん…! 巻き添え食らう前に退散しよ。
「でも金返せとか言ってるみたいだけど――何の話だろ?」
まあ、いっか。兎に角ここから離れて、アイセさんやライラさんと合流しよ。
ってな訳で、無事バトルに勝利したボクは、悠々と空から帰還するのであった。
前半ちょっとやり過ぎた。後悔はしたりしてなかったりしたりしています。
読者の皆さんが付いてきて来れているのか不安になりますが、今後もこんなノリがちょくちょく出てくるかもしれません。あしからず。
ところで少し残念な報告が一つ。
書 き 貯 め が 無 く な り ま し た (´・ω・`)
リアルも急に忙しくなり、これまでのように週2投稿は無理くさいです。
ただ週一回は投稿するつもりなので、これからもじょとボクを宜しくお願い致します。
尚次回投稿は8/31(月)AM8:00の予定です。
週初めにゲッソリしながら通勤する社会人の皆様に。
通学する学生の皆様に。
エッチで笑える元気よ! 届け! 届け!
尚、分量用法には気を付けて、特に周りの目には注意しながら摂取して下さい。
以下用語解説なオマケコーナー改め【プリーズテルミー! リリウム様!】のコーナー。
『================
跳躍
================
ランク:1 属性:――
消費:10SPMP 種別:移動
対象:自身 威力:――
発生:イイね! 追尾:――
射程:なかなか
================
説明
有翼種や高身体能力種の固有能力。
思いっ切りジャンプするよ!
効果はシンプルだけど使い道次第!
高所に登る、範囲攻撃を回避する、
等々。メチャ便利なアビリティ。
他にも使い道を探してみよう!
AGIが高い程大きくジャンプするよ!
================』
『================
滞空
================
ランク:1 属性:――
消費:2SPMP/秒 種別:移動
対象:自身 威力:――
発生:イイね! 追尾:――
射程:――
================
説明
有翼種の固有能力だよ。
羽をバタバタして空中に留まるよ!
慣れない内はSPMPの消費に注意!
高所からの偵察や地上への射撃、
使い道は色々あるよ!
AGIが高い程速く動けるよ!
================』




