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14話 主権同盟とルオ

ハイクはアミラのいる執務室へ向かい

「おい!アミラ!大変だ!俺の部屋の窓が割られていてこんなものが机の上にあった!」 そう大声でハイクは叫び、ドアを勢いよく開け、手にさっきの木の板を握っていた...


「え...」とハイクは困惑する

ハイクはノックもなしに入ったことを少し間違いであったと考えた


執務室を開けた先にはアミラとソラがいた

しかしアミラはソラに白いお米を... 「あ~ん」とスプーンであげていた


「もう!そんな歳じゃない!」 とソラはアミラのスプーンから顔を遠ざけた


「いいじゃないの~」と頬を膨らませるアミラ


「ソラちゃんかわいいね」と幸せそうな笑顔を浮かべる


「あの...アミラ...さん?」 とハイクは猫背気味になり声を出す


アミラの笑顔はっスと抜け 席を立ち「どうしたの、ハイク」

と何事もなかったように返事をする


「アミラ...お前子供が欲しかったのか...」

と大げさに憐みの目をアミラに向ける アミラはハイクから目をそらし


「そんなことはありません」 とぼっそと言う

これはさすがにハイクのデリカシーのなさが出ているが それに対して突っ込みを言える人物はこの空間にはいない


ソラもこの世界の大人の女性が子供がいないことを気にする文化を知らない

「お姉ちゃん子供ほしいの?」 と子供ながらの純粋な疑問で問うソラ


「うん、まだ結婚したこともないしね」


「へぇ~」と興味なさそうな返事をするソラ ....


「おぉい!そんな話をしにきたんじゃない!」 とハイクが切り出す


「なによ、大きな声出してびっくりしたじゃないの...」

アミラはハイクの手元に持っていた木の板が目に入った

「そのマーク...主権同盟の...?ちょっと見せてもらえる?」

と言いアミラは片手を前へ出す


「んだ?その主権同盟とかいうの」と聞きつつ木の板をアミラに手渡す


アミラは木の板の文字を読む 「ルオを放て。領主は、ルオなり...」

読み上げた後、アミラは木の板を持っている手を下げる

「主権同盟にかんして私もよく知らないのよね...」

そういった後、アミラはふと1年前の記憶がよみがえる


それは旧屋敷の一室でアミラが軟禁刑のもとにあったときのことだ

アミラは部屋の中で本を読んでいたのだが

壁越しに怒鳴り声が聞こえる

「ルオ!貴様は主権同盟と接触したんだろ!」と酒の入った声

その声の主はアミラの父、バンスのものだった


「別に俺は関わってはいないけど、中央の連中の靴ぺろぺろしているバンスちゃんには主権同盟はひつようかもね」

と冷静な口調で火に油を注ぐのはルオの声だった


アミラは壁越しからかすかに聞こえる声を耳を澄まして聞いた


「お前ぇ!!今この場で殺してやることもできるんだからな!」

バンスは怒号をルオに浴びせる


「っふん、今この場で俺を殺してどうすんの?」

とあざ笑うかのように反論するルオ


「おい!警備!こいつを洞窟の檻に放り込め!!!」

それからルオは檻の中にいることになったあの日を思い出す


「あの時...解放同盟とルオがなにかありそうな感じのことを聞いたわ...」

アミラは解放同盟という名前に心当たりがあるアミラ


アミラは一歩前へ歩き、ハイクの横を通るときに

「ハイク、部屋の窓が割られていたのよね?少し見してもらえる?」

と聞く


「わ、わかった」

とハイクは返事をする、アミラは先に廊下に出てハイクの部屋に向かって行ったので

急いでハイクも後を追う


ッガチャとハイクの部屋の扉を開ける音が深夜の屋敷中に響く


「アミラそういえばどこ見るんだ?」

少し焦り気味のハイク


「布団の下以外よ」

と即答をする


ハイクは一瞬固まる。

(ん、なんで布団の下は見ないんだ....え?...いや、まさかな....)

「なんで、布団の下は見ないんだ?」

ハイクは一応聞いてみた。


「なんでだろうね、何かを隠しているかもしれないし。」


....


「仕方ないでしょ、このお屋敷のお掃除をできるの私しかいないし...」


.....


アミラは部屋の角に立ち背をかがませ手のひらで床をなでる

「やっぱりそうね、地下室に入られているわ」

手を折りたたんでいる膝の上に置きそう言い放つ


「地下室が俺の部屋にあるのか?」

ハイクはその事実に驚きを隠せない。

この1か月この部屋で生活をしているが、地下室のことを一切知らなかったからだ


「あえて教えていなかったというのもあるけどね」


「てかなんで入られてるってわかるんだ?」


「この地下室に続く道は閉じ方がすこし特殊でね、閉じ方を知らない人だと扉の部分がボコっと段差ができてしまうの」


アミラは再び床に手を置きボコっとした部分をなでながら説明をした

「地下室に入ってみましょう。中に人がいないといいけど...」


「おい、フラグみたいなこと言うなよ」

とハイクは猫背になりながら未来が少し不安げに言った


アミラはハイクの部屋の角にある地下室へつなぐ扉を開けた

扉が小さいため、地下室に入るには梯子を使いアミラが先に降り、ハイクもそれに続く


アミラ片足が地下室の地面につく

ドチャという泥の混じった音が地下室中に響く

ハイクも地に足をつけ周囲を見渡す


4畳ほどの小さな部屋であるが壁は木板で作られおり、床は土の上に布をかぶせただけの簡素なものであった。

ハイクは周囲を見渡す。

(地下室って言ったからなにかあると思っていたが....マジで部屋があるだけでなにもないな....)


「やっぱり...記録書がないわ...」

アミラは何もない気味の悪い地下室の真ん中にポツンとあった木箱の蓋をあけながらそうぼっそと言った。


「その盗られたものってそんなに重要なものなのか?」


「うん確かに重要、でも盗られたことより、記録書が主権同盟という、何かしらの政治的組織の手に渡ったこと、そしてなによりこの地下室の存在を知るものがうちの領地に非歓迎的態度であることの方が問題よ」

地下室の天井を眺めながら声を小さくし言った


アミラは後ろにいるハイクに振り向き

「ルオのところへ行きましょう」


ハイクはその名前を聞いた瞬間、ッドキとした

ルオはハイクにとって天敵的存在である


....


「ハイク?」


「な、なに...?」

ハイクはルオに対することでアミラに気を使わせてしまったのかと思い

平然を装う


.....


「いや、梯子先に登ってくれる?私のお尻を見たいなら別にいいけど...」

ハイクは自分に対する心配でなかったことに動揺する...すこし恥ずかしさもありながら


「あ、あ、そう、そういうことね、わかったわかった、先登るわ」

と焦りながら返事をする


そのまま梯子を上り深夜の中、屋敷の玄関から外に出て洞窟へ向かおうとした

しかし玄関の扉を開けた瞬間

「ヴルルルゥ....さっぶ...」

ハイクはこの世界に来てからずっと黒色の半袖一丁で過ごしていた

しかしアミラ領はとにかく寒い

深夜のアミラ領は特に寒すぎるのだった


後ろからアミラの声が聞こえる

「そんな格好だと寒いわよ、うちの領地は極東なんだから...ずっと寒いから服くらいもっておかないと...」

そこには厚めの服を着たアミラの姿があった


「極東って...俺の国も極東だったけど暑い時期もあったぜ...」


「それは天文学的にも地理学的にもありえないわよ....」


「どういうことだよ...この世界である地球は丸いから年がら年中寒いのは北極とか南...極南?だぜ?」

極南という言葉は定着されていない...ハイクの学のなさが表れている


「チキュウ...?大地は丸くないわよ、大地が丸かったら一方向に歩いて言ったら大地を一周できるわ。それに....一本棒を同じ時間にいろんな都市に立てて影を図る実験でも、影の長さは変わるけどそれは太陽との距離に比例して変わるわ。そのためこの大地は平であると古代の学者がとっくの昔に立証済みよ...これは世界どこでも夜は夜、朝は朝という事実もあって確実だと思うけど...」

アミラはこの地が平らである説明をした


ハイクはそこまで平面説をいわれると反論できないが、地球が丸いことは確信しいる


「あぁ...わかった。いずれわかるよ、この地が丸いことくらい」

と自分が立証することはできないため、反論することをあきらめ、いずれわかることに賭けた


「まぁいいわ、とりあえず上着を持ってくるわね、ここで待っていて寒いけど」

そういってアミラは屋敷の中に入っていってしまった


ハイクは一人で考え込む

「この世界はどうなってるんだ...」一人で夜中の空を見上げる

月の周りにポツリポツリと五芒星の星が5つ...

日本から見る空とは全く違う...

(この世界はどこかの星の上でなくて、マジで地が平面の世界と言われても違和感はないか....)


ハイクの両肩にッズシと何かがかかる

手を肩に当てると厚い布の感触があった


「男性用の服はルオのやつしかなかったわ」

そういいながら屋敷から上着を持ってきてくれたのだろう


「あいつのなんか...この服」

とブツブツと言いながら上着に袖を通し前を閉める


アミラはハイクが服を着たことを確認し、一歩前へ出て歩き始める

「いくわよ、主権同盟についてルオに聞きにいくわよ」


「まじか....」

ハイクはわかりやすくため息をつく

深夜の洞窟は空気を吸うたびにその寒さを実感できる

水滴がぽつぽつと落ちる音が鳴り響く

その寒さのなかハイクは洞窟を歩く


「あいつ、こんな寒い中一人でいるのかよ...忍耐力バケモンだな...」

大嫌いなはずのルオにこればかりはすごいなと感心したのである


アミラの足が止まる

ハイクは下を向き考え事をしながら歩いていたためルオの檻の目の前に来たことに気づかなかった


「うわ、びっくりした」

ハイクはいきなり止まったアミラを見ていう


左の方から聞き覚えの声が聞こえる

「またお前か...もう見たくもなかったのに」

片手に葉巻、口元から煙をふかしながら話しているのはルオの姿だ


「いやいや、それ俺のセリフだから」

ハイクは顔の前で手を左右に振り否定のポーズをしながら言い返す

(なんだろう...こいつと会うって聞いたからか心構えができてあの時ほど辛くはならなくなったな...)


「ルオ...あなた葉巻はおいしい?」

アミラは葉巻の効果について気になり質問をする

ほんの数時間前に渡したばっかりだが結果に興味が湧き出てくるのだろう


「これ、意外といいかもな。確かに吸い終わったあと、もう一回と思わせるものだよ」

ルオは胡坐をかきながら座っていたが、その足元には吸い殻が10個以上あった。


アミラは膝を折り吸殻を手にした

「これ、そんなに中毒性があるのね。商売には適しているのかも...」

と吸殻を眺めながら言う...そのまま数秒沈黙があった後


「ルオ...主権同盟の話をしましょう」

その発言にルオの動きが止まる


ただ葉巻の煙だけがモクモクとしている

ルオは「フゥー」と一息はく

お互いの顔の間に一瞬の煙が出た後

再びアミラとルオは目が合う

「俺は詳しくは知らない」

その一言だけ言って再び葉巻を口にする


「本当に詳しいことはしらないの?あなたがここに閉じこまれているのも主権同盟が関係しているのではないの?」


「こんな牢獄から出られていないこと自体が主権同盟について知らない証拠でもある」


「そう...」

アミラは顔をルオから背ける

「主権同盟があなたを欲しているということなの?この認識合ってる?」


ルオは葉巻の煙をはき

「少なくとも、俺から協力要請を出したこともないし、接触すらない。本当になにもしらない」


「ま、あなたが拘留されたのは主権同盟と関わっていた疑い以上に、バンスの領主という立場が危ぶまれたのが大きな要因だろうね。」


「あんな低能なおっさんが領主だったら俺はいつでも奪い取れた...」

ルオは静かにそう言う 

暫くの沈黙の後

「で、俺を釈放はなぜしないんだ?お前は...バンスはもういないだろ」


「あなたをまだ出すときではないわ。すくなくとも領政が安定するまではね」


ルオはハイクの方を見る

「まさか、この男を領政に...本気でよしてくれよな」


そのような言葉が来ることを身構えていたハイクは

「俺だって能動的にかかわっているわけではない。勘違いするなよな」

と反撃してみた


アミラは今にも口論に発展しそうなその状況で割り込み

「ルオ、あなたには歴史を学んでもらう必要があります。今のあなたの状況で領政に口を出す権利はない...1000年前に凶悪な魔物を絶滅させた大英雄様はそのまま人類の最高権威となりました。しかし、その大英雄様ですら(まつりごと)には大変ご苦労されていた。

いらゆる人は大英雄様の手法に文句をつけ、我こそはと持論を言いまわっていた。しかし大英雄様がそんな愚か者の持論を聞き入るわけもなく、側近に惨殺された。

しかし、賢いものは持論をいったんは封印し大英雄様の専属の料理人として関係性を築くことに専念した。

大英雄様と料理人は親密性を高めた後に持論を意見として述べ国の政に反映させました...」

アミラは1000年前の大英雄様と料理人の歴史話をしたあと

「ルオ、あなたは自分に自信があるのでしょうが、それを傲慢に振りかざすのではなく、まずはどうすればいいのかから考えるべきだわ」


ルオは黙り込む

その姿を見たアミラは

「また来るわ。主権同盟について教えてくれてありがとう。私が対処するわ」

と言って洞窟の出口へ向かい歩いてしまった


それから二人は屋敷へ帰る

2人は廊下を歩いているとき前からドーゲルが歩いてきた

「これはこれは、ハイク殿」

と会釈をしながら言う


「ど、どうも...えぇっと...ドーゲルさん」

と名前がうろ覚えの中、名前を言ってみた


「あら、ドーゲル今少し取り込んでいたところなのよ。主権同盟?という組織が...」


「えぇ、アミラ様存じ上げております。」


「そう、でもルオに聞いたけど知らないと言っていたわ」


「そうですか...では今夜は私が屋敷と領地をお守りするために見回りをしておきます。お2人はどうぞごゆっくりお休みください。」

そういってドーゲルは屋敷の玄関の扉を開けた


「ハイク殿。新たに第一騎士となられたということですので、明日は為政者としての勉学をと思いまして...どうですな?」


ハイクはその言葉を聞き

「えぇ!勉強っすか?嫌ですよ...俺高校中退してるし...」

と心から拒否をした


ドーゲルは少し笑いながら

「学びと言いましたが、為政者として軍人として知っておくべきことをと思いまして...」

と提案を続ける


提案であって断れば乗り切れそうな雰囲気ではあったが

ハイクはその気遣いに申し訳なさを感じた

「ま、わかりました...明日...勉強すっか...」

となくなく了解をした


「どうもありがとうございます」

といいドーゲルは玄関の扉を閉めて外に出て言ってしまった


「ハイク...勉強できないの?あんなに地は丸いと持論を出せていたのに...」

とアミラはハイクに言った


「いや、あれは常識というか...なんか知っていただけで、なんでそうなっているかはわからないしな...」

と知識だけであった自分に恥ずかしさを覚えた...


そのまま自室へ行きハイクは眠りについた...

また来る明日へ向け妄想をしながら...

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