表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幸せの宿る場所  作者: 坪原 衣音


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/11

引越しと蕎麦①

朝ご飯を頂き、畳の上でゴロンとしながら、天井を眺め、あぁ〜本当に来たんだな、と実感が湧いて来た。

これから、ここで暮らすのだ。

望んできた訳ではない。

選択肢が、ここしかなかったのだ。

部屋をぐるりと見回す。

長いこと空き家だったと聞いていたけれど、とても綺麗だ。手入れも行き届いていて、寸前まで誰かが住んでいたんじゃないか、と思うほどに。

ここの家の前の持ち主は、母のお兄さん、涼音の叔父さんに当たる人だ。

この山が気に入り、別荘地に家を建て、一人でこの山奥に住んでいたらしい。

数年前、病気を患ったことで、入院することになったとかで、山を下りて、そのまま亡くなってしまったと聞いていた。

異性の兄妹だったせいか、母も徐々に疎遠になり、あまり連絡を取っていなかったようだが、亡くなった後、高齢の祖母では、この家の管理は出来ないと言うことで、母が管理していたらしい。

そして、今回、涼音に回って来たのだ。

叔父さんは、少し変わった人だったらしい。

確かに、若くして、こんな山奥の何も無い所に、一人で移り住んでしまえる人だ。

だいぶ変わっている。

涼音は立ち上がり、お風呂場、洗面所、トイレ、キッチン、2階、それぞれの部屋を確認していく。

どこも綺麗に使われていて、掃除も行き届いている。

男の一人暮らしの家と聞いていたので、かなり汚い家を想像していただけに、これは有難い誤算だ。

家電も、古いけれど、コンセントを入れたら、どれも電源が入った。

きっと、ちょっとの入院で、すぐに帰って来て、またここで暮らすつもりだったのだろう。

食器なども、全て揃っている。

この家も、主人の帰りを待ち侘びていたのだろうか。

やっと帰って来たと思ったら、見ず知らずの女がやって来て…さぞ、戸惑ってることだろう。

そんなことを思いながら、家の中を見て回っていると、ふと、暖炉に目が止まった。

テレビや映画で観たことはあったけれど、本物を見るのは初めてだ。

海外の映画に出てくるような、レンガで囲われた物ではなく、黒い四角い鉄製の箱型で、正面には硝子の扉がついている。そしてその箱からは、鉄の筒状の煙突が天井まで伸びているような作りになっている。

扉を開けてみると、綺麗に掃除されてはいるが、使用したことがある感じはする。

でも本当に使えるのだろうか。

全く使える想像が出来ない。


そうこうしていると、また玄関の扉を叩く音がした。

外から、「すいませーん。宅急便でーす。」と声が聞こえて来たので、急いで玄関に向かい、ドアを開けた。

「お待たせしました。」

「原田 涼音さんで間違いないですか?」

「あっ、はい。間違いないです。」

「じゃあ、コレ。ここにサインお願いします。」

「はい。」

サインを書き、荷物を受け取った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ