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幸せの宿る場所  作者: 坪原 衣音


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7/11

朝のおにぎり③

バッグには、銀紙に包まれたおにぎりが2つと、

長細いタッパーに入った汁物、小さいタッパーには漬物が入っていた。

保温バッグに入れてくれていたおかげで、まだ温かい。

涼音は銀紙に包まれた、おにぎりを一つ掴み、剥いていく。

中からは、赤、緑、白、黒のカラフルなおにぎりが顔を出した。

よく見ると、白はシラス、赤は梅干しだ。そして、黒胡麻の黒。緑は何だろう。

一口、頬張った。

大葉だ。

シラスの塩見と、大葉の香りが口の中いっぱいに広がった。

梅干しの酸味も効いていて、サッパリしていて、食欲をそそる。

そして、黒胡麻のプチプチが良いアクセントになって、楽しい。

もう一口、もう一口、と食べていて、ふと目に止まったのは、長い筒のタッパーに入った汁物だった。

おにぎりを置き、蓋を開けと、出汁の香りがふわっとした。

一口啜ると、優しい野菜の甘さと、豚肉の旨味、味噌のコクが、いっぱい詰まった豚汁だった。

身体中に染み渡り、冷えていた身体を温めてくれる。

こうどれも美味しいと、小さいタッパーも気になる。

開けると、黒い棒状のものと椎茸の佃煮、それから赤い兜の漬物が入っていた。

どちらも箸休めにピッタリだ。

豚汁と、シラスと梅のおにぎりを、半分位食べたところで、もう一つのおにぎりも開けてみた。

見た目は、至って普通のおにぎりだ。

真っ白のお米が、キラキラと輝いている。

パクッと一口頬張ると、程良い塩加減の塩結びだった。お米の粒がしっかりしていて、しかもモチモチ。塩味のお陰で、お米の甘さが際立っている。

これはお米が美味しいんだな。

味の付いたおにぎりも良いけれど、シンプルな塩結びも良い。甲乙付け難いとは、正にこの事を言うのだろう。

あっという間に、全て平らげてしまった。

ふぅ〜、っと息を吐き、手を合わせ、

『ごちそうさまでした。』

と、1人の部屋で、呟いた。

一人で寂しいと思う事が多かったけれど、今この瞬間は、とても幸福感に包まれていた。

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