3/8
穴の開いたバケツ
穴の開けたバケツを持っている私は、幼いころは褒められるどころか、いないものとして無視されていたことがある そんな私のバケツには穴が開いているんだ
ありがたいことに、大人になってから褒めてもらえることがある
それは嬉しくて、嬉しくて、注ぎ込まれていることに流れを感じ、嬉しいのだ。そこには、あった
でも、しばらくすると30分くらいだろうか スンっとなてしまい、そこにあった言葉の力は消えてしまう
おかしいなとのぞき込むと、そこには穴どころではなく、底が抜けているバケツだったのだ
私は、いつもこの底のせいで、ありがとうの思いと充実感が流れてしまっていたのかと……
でも、なら雨漏りしている時みたいに、新たなバケツを下に置けばいい
全てをこぼさないことは、できないかもしれないけど
大切な思いを少しでも、すくっておきたくて私は今日も、この底の抜けたバケツとともに生活をする
そこに残ったのは、相手へのありがとうという気持ちと、私も捨てたもんじゃないという思いを
ピチャンピチャンと音を残して、たまっていくんだ