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第7話 風の古龍との出会い

カクヨムにて数時間差ですが先行公開をすることにしました。マロン64で調べれば出ますので早く読みたい方はそちらでお読みください。



※6つの輪っか→4つの輪っかに変更しました

  3人は風の古龍が眠る部屋に入った。どうやらここからダンジョンに風が抜けていたようで、気持ちのいいそよ風が吹き抜けるのを感じた。部屋の中には古風な神殿のような彫刻や龍をかたどった像が間隔をあけて並べられていた


  奥には銀色の鱗に固そうな棘がいっぱいに生えた、日本の有名な漫画に出てきた東洋顔の大きな風の古龍の像が鎮座していた。


  「おおーー!! これゼ〇ダの伝説にありそうな感じだーー!!」

  「主人、何を言っておるのじゃ?」

  「フォッフォッフォ、何はともあれ、喜んでもらえて嬉しいですぞ」


  「懐かしい気配を感じるのう」

  重たくて、荘厳な声が俺たちの頭の中に響いた。なんだ、と警戒する俺をよそにひょうひょうとしているハルは突然遠くの方の大きな風の古龍をかたどった像に首を垂れる。


  「古龍様、今晩はご機嫌麗しゅうございます」

  「よいよい、ハルよ、固くなるな。我はまた試練に挑む者が出てきて嬉しいぞい」


  突然の展開に驚いている俺と妙に落ち着いているフェン。

  「もしかして妾は風の古龍に過去に出会っているのか?」

  小声でつぶやいた声は俺の耳にも届いた。だがそれに言及する前に風の古龍がまた頭の中に響く声を出す。


  「む? やはりその狼はアル坊の連れていた狼か、ずいぶん小さくなったのう」

  「これは妾が人間型の小さい体にしているだけじゃ。大きい体は疲れる故」

  「昔のことは覚えているかのう? 我のことは?」

  「あまり覚えておらんの。その口ぶりからすると妾はやはりお主とあったことがあるんじゃの」

  

  俺はあまり会話を邪魔したくなかったが気になることがあったので切り出す・

  「何? フェンは風の古龍と出会ったことがあるのか? なんでそのことを言わなかったんだ」

  「この場所に入るまで、忘れていたのじゃ。いや封印されていたというべきか」

  

  「そこの男は……なんと異世界人だったのか。しかもアル坊と同じ出身じゃのう」

  「ちょっと待て、フェンの前の主人はアルス……だったか? そのアルスは俺と同郷の異世界人だったのか?」

  「我がそういうとるじゃろう。お主、アルスの生まれ変わりか? いやその魂の欠片を受け継いだものというべきか」


  この会話を聞いたフェンが狼耳を震わせ、尻尾をブンブンと振っておれに飛びついた。俺は押し倒され、硬い石の床に横たわる。フェンはお構いなしにペロペロと顔をなめながら頬を震わせる。その姿は涙を耐えているようにも見えた。


  「主人、いやアルスよ!! なぜそんなことを黙っていたんじゃ!!」

  「フェン、お、落ち着け。俺は勝だ。俺はアルスじゃないんだ」

  「そんな適当なウソをつくでない!! 主人の気配は確かにアルスに似ているのじゃ!!」

  「良いか、フェン。風の古龍は俺がアルスの魂の欠片を受け継いだものと言ったんだ・生まれ変わりとは言ってねえ。後は俺は俺だ。勝なんだよ」


  「む、むう。そんな難しいことを言われても妾にはわからんのじゃ!! 今は女を甘えさせるのが男ってもんじゃないかのう!!」


  確かにフェンはその豊満な胸を惜しみなく俺に当てて覆いかぶさってきている。半泣きの顔はかわいらしさもあり、女としての魅力は申し分ない。


  

  なんで俺はこんなとりとめのないことを考えているんだ。思わず、男しての部分が反応しそうになる所を抑えながら興奮したフェンを俺の体から下ろすことにした。


  「むう、後で色々話してもらうぞ。色々とな」

  「わーったよ、しょうがねえなあ」


  「色々と取り込んだことは済んだか? まあ我の前でおっぱちじめてもよかったんじゃのう! わーはっはっは!!」

  

  こいつ典型的なエロおやじじゃねえか……!! なんか敬う気持ちを持つのが損に思えてきたぞ……!!


  隣のフェンはプルプルと震えていた。そうだよな。恥ずかしいよな?

  だが隣で聞こえてきたのは……

  「外でするなんて……いい、いいかもしれないのじゃ、ハァハァ」

  

  こいつ飛んだ変態野郎、いや変態女じゃねえか!!

  はあ、とため息をついて俺はもう諦めた。突っ込みはぜってえ入れねえからな。


  「それでお前さんはどんな試練を出してくれるんだ?」

  「我の出す試練はレースじゃよ、風を感じ、空を飛び、11頭の若い龍と争ってもらう」

  「おいおい、フェンは飛べないぞ?」

  「そこのフェンリルはスキル「魔の才能」があるじゃろう。風魔法には空を飛ぶ魔法もあるぞい。それに足場も用意してある」

  


  「フェン、お前飛べるのか?」

  「もちろんじゃ!!」

  「今回のレースはお主らだけ騎乗レースでもある。不公平かと思うかもしれんがメリットも多いぞい。これは主人と幻獣の絆も試しているのじゃしな」


  「騎乗レースか。初めてだからちょっと緊張するな」

  「何ビビっておるのじゃ? 妾に任せればいいのじゃ!! お主はコインを使って指示するのだろう? いつもの賭ケグルイっぷりはどこに行ったのじゃ!!」


  フェンの頼もしい言葉に力が湧いてくるのを感じた。そうか、俺はビビっていたんだな。要するにジェットコースターみたいなもんだろ! 楽しんでやる!


  今回のレースは何と台座の奥の空島の「絵画」の中で行うレースらしい。

  舞台は空島と周りの空を舞台にフェン含め12頭でレースを行う。

  4つの輪っかがあり、それを通らないといけない。それを通る順番は決まっているが、そこにたどり着く風は色々とあり、様々な風の流れを読みながらうまく追い風に乗る必要がある。逆走は禁止。ショートカットできる場所があり、そこは使ってもいい。


  地上部分と空を飛ぶ場所があり、どうやって攻略するかは自由だ。

  褒美をもらえる条件はもちろん1位だ。


  「主人よ、落とされるなよ?」

  「あたぼーよ!! こちとらジェットコースターは大好きなんだ!」

  「ジェット……なんじゃ? いやそれはアルスも言っていたのう……」

  

  初めての騎乗レースだし、気合を入れなきゃな!! 一位を獲って有用なスキルをもらうぞ!!


空を駆け抜ける風と共に、俺たちの絆が試される。


小説をいつも読んで頂きありがとうございます。面白かった、また読みたいという方は高評価やブックマークをお願いします。作者の励みになります\( 'ω')/


⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎を★★★★★にしてくださると作者が大変喜んで更新頻度が増えるかもしれません。よろしくお願いします。








今日の話では勝自身に触れる話が出てきましたね。これからどうなるのでしょう?


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