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学校の七不思議

作者: 三春星秋

皆さんは学校の(なな)不思議(ふしぎ)というのご存知(ぞんじ)でしょうか?

七不思議と言っていますが、実際にあるのは六つしかないんです。色々な学校ごとに(うわさ)が違っていて、面白いですよね。今回は私の学校の噂を紹介しましょう。


一つ目

「永遠と続く廊下」

一生、「抜け出せなくなる廊下」に迷い込むと横たわる白骨死体が大量にあるらしい。


二つ目

「海に沈む教室」

放課後の教室に行くと「潮の臭い」がして教室に入ると溺れるらしい。


三つ目

「笑う声」

どこからともなく「笑う声」が迫ってきて驚かすらしい。


四つ目

「走る友達」

後ろから走ってきて「僕ら友達だよね?」と言ってきて追いつかれるとあの世に連れ去られてしまうらしい。


五つ目

()れる暖簾(のれん)

女子トイレの入口に現れて「暖簾のように髪を垂らして」人を食べるらしい。


六つ目

「見上げる月」

学校の窓から月を見上げると異次元の世界に飛ばされるらしい。


七つ目

「???」

七つ目は分からない。もし知ってしまうと何か「(わざわ)い」が起きるらしい。


私は幽霊や七不思議を信じていないので噂の正体を探りに夜の学校へ向かう。


私が最初に会った不思議は「永遠と続く廊下」おかしいとすぐ気づく。一向に終わらない廊下。種が分かり、簡単な事だ思った。

そうだ、そうだ、この廊下の先には鏡があるんだった。鏡の前について後ろを振り向くともう廊下はそこで終わっていた。鏡が廊下を映しているだけだった。

永遠なんてないじゃん。


次の噂を調査する。


「海に沈む教室」こんなの簡単。だって窓を開けると海が近いんだもん。そりゃ潮の臭いもするわ。


次の噂へと向かった。


三つ目の「笑う声」耳を()ますと聴こえる。ヒュウ、ヒュウ歌うように笑う声。あっここね。ひび割れていて壊れてる窓、隙間(すきま)から入る風が声に聴こえただけだった。


次の噂へ向かう。


分からない何一つ声が聴こえない。

後ろから、タッタタと走る音。あ〜なんだ、私の友達、ゆみちゃんだ。

「校門の前で待ち合わせって言ったでしょ?」

「ごめんごめん」笑いながら謝る。

分かった!「僕ら友達だよね?」この言葉。肝試(きもだめ)しに来た誰かが怖がる友達を置いて行って面白がった人が広めた(うそ)の噂だった。


「次、向かうよ」


「もう辞めようよ」


「辞めない」


次の噂へ。


女子トイレの前。入口に入ると何かが肩を撫でた。右を見ると()き出しのモップが上向きなっている。しょうもない。



実質、最後の噂へ向かう。


窓を覗き、雲に隠れた月を眺める。風に流れ、月が顔を出す。ほら、何にもないじゃん。



帰ろっと。るんるんで帰る。独りで帰る。



知らぬ間に消えてるゆみちゃんを忘れて帰っていく。


噂は紙一重(かみひとえ)

心霊スポットの噂には嘘や勘違いが含まれているかもしれません。ですがその中に本物の怪異が潜んでいて「あなた」を食らい、覗き、待ち構えています。呪術、呪物、呪いなども知らないだけで本物があるのかもしれません。紙一重なのですから。

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