表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/31

我が名はタルトタタン

その日の午後、昨晩メイドが冷やしてくれたタルトタタンを持って書斎に出向いた。

もちろん、朝、湯あみを手伝ってくれたメイドにも朝ごはんを作ってくれたシェフ(一番知ってそうだった)やらスタッフのみんなを片っ端から捕まえてタルトタタンについて聞いてみたけど誰も知らなかった。

じゃあ、タルトタタンって名前じゃないけど、そのもの自体はあるんじゃないかって、口の肥えた我が家族なればだれか一人くらい(特にお母さま)知ってるんじゃないかって線香花火くらいの儚い希望を託してきたわけだけど。

お母さま「え、何これ、失敗したの?」

違います、こういうお菓子なのですよ、見たことございませんか、お母さま・・・!

「こんなぺしゃっとした見た目のはないわ、美味しいのかしら・・・んん?リンゴがキャラメルの味でおいしいわね!添えられたクリームとも合うわ、こんな美味しいものなら食べたとしたらやっぱり覚えているはずよ、ねえ、あなた、マリー、食べてみて、これ、知ってる?」

異口同音、みんな知りませんでした。はい、この世界にタルトタタンがないの、確定ー!

「これはジューンが発明したの?とても美味しいわよ」

発明したっていうか、失敗したっていうか・・・ごにょごにょ。

「お姉さまのお菓子つくりの腕は第二妃選定のポイントになるかもしれませんね!」

「そうだなぁ、せめて何か特技がないとだからなぁ・・・」

残念そうな目で見ないでほしい。

とにかく、第二妃選定は置いといて(考えたくない)前世に有ってこの世になくて、欲しいものや作れそうな料理やお菓子を片っ端から思い出すことにした。

まぁお母さまの強制力で色々覚えたりさせられたんだけどさぁ。

おばあちゃんの記憶を思い出してから、お父さまとお母さまが息子と娘に見えて、(マリーは孫)なんだかほっこりしていたら、最近お姉さまはとうとうボケている上にババ臭いとまで言われるようになってしまった。失敬な!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ