お父さまからの呼び出し
自分以外の家族が書斎でミディアム家と私の未来を案じているころ、私と言えば料理人や給仕のスタッフが仕事を終えたキッチンを間借りし、お菓子を作るべく
リンゴを剥いていた。
「ジューンお嬢さま、ご主人様がお呼びです」
ん?お父さま?何かしたっけ・・。執事が呼びに来たのを聞きながら慄く私。
わかったわ、と答えながらリンゴが黒ずんでしまうな、と思っていると。
「ジューンお嬢さま、リンゴについてはメイドが対応いたします。早々に、ご主人さまの・・」
急いでいるらしい、手を洗って走ろうとすると
「ジューンお嬢さま、淑女たるもの・・!」後ろから声が追いかけてくる。
うちの執事。ジョンは優秀なんだが、小うるさい・・。小さいころから叱られていたしうちは親が三人いるような家庭だった。(うちはお父様もお母さまも執事も口やかましい・・)怒られない程度に早歩きでお父さまの部屋へ急ぐ。ドアをノックしながら「お父さま、ジューンです。」
部屋の中から入りなさい、と声がする。失礼しまーす、と部屋に入ると執事も入って来た。
部屋にはお父さまもお母さまもお父様の秘書も妹までいる。え、何、こわい。我が家の頭脳が全員いるよ・・。
この後、3話ほど、連投します。