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危ない魔法使い  作者: 一之瀬 椛
三章
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幕間、時の《おわり》


過ぎ去った時間が戻ることは無い。

過去を決して変えられはしない。

それが“自然”だからだ。


ならば、現在(いま)起きていることは……。


「まさか、ここまで大きな力とはな。……いや、()()()であるなら有り得ないことでもないか」


かつて、交わされた()()()()()

それを守れる様にと与えられたこの世に二つとして無い力、に因るもの。


「しかし、()()()()()()()()()()()()()()もこれ程ではなかった」


()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

永い、永い(とき)を見守り続け、(とき)の揺らぎを調整してきた者でも動揺してしまうことであった。

一度起きたことを無かったことに、言葉で否定することは簡単だ。そうではなく、()()()で事象自体が否定された。そして、その後の未来(じかん)も。

辿ろうとしていた未来(じかん)が否定され失われたことで、世界の(とき)は停まり。世界は、再び動き出す為に事象より前に戻された。本来ならば、少し前に戻るだけだった筈が、何故か数年前まで。

何者かの意思が働いたのかもしれない。


「これ程前に戻さなければ、調整が出来ないということか。だが、起きていないことは人の記憶にも残ってはいない。同じ選択をし、同じ道筋を辿るだけ。再び同じ事象が起これば、今度こそ世界は終わる」


否定された未来(じかん)は失われたまま。

同じ未来(じかん)に辿り着いても、刻むべき未来(とき)が存在しない。


「後、六年だ」


それまでに違う未来(じかん)を手に入れなければならない。

ただ、時を見守ることしか許されない者には何も出来ず、歯痒さを感じさせた。

もし、出来ることがあるとすれば助言だけだが、()()がここに来なければ、それも叶わない。


「どうか、あの子達を導いて下さい──エマ様」


今出来ることは、《(せかい)》の消失(おわり)が来ないことを、()()()()()()()()の幸せを祈ることだけ……。









【危ない魔法使い】






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