第91話 勇者過去の真実を知る
精霊ルギアの口から、サーイターマルド誕生の秘話を聞かされる。
今人気絶頂の某海賊王になる漫画は、誰かが話した過去話を、後に描写する。何話もかけて。
この作品もコミカライズされたら、同じ道をたどるのだろうか。
「同じ神武七龍神でも、レッドドラゴンとグリーンドラゴンとでは、相性も悪く、実力差もありすぎた。
はたから見たら、レッドドラゴンの一方的ないじめにしか見えなかったと言うわ。」
「ごくり。」
ルギアの話しは、スケールがデカすぎる。
レッドとグリーン。
五行説的に言っても、グリーンドラゴンに勝ち目はないだろう。
「いつ果てるともなく続いたふたりの争いは、別の神武七龍神ブルードラゴンを巻き込んで、やっと終息したわ。」
そっか、レッドに克つブルーが味方してくれたんだな。
「でも、この争いで様々な厄災が生じてしまった。
全く、迷惑な話しよ。
サーイターマルドにも、厄災の種が芽吹いていたとはね。」
「それを、勇者ウラワが片付けた。」
「ええ、私はその時、黄金曼荼羅陣の完成を急いでいたから、気づかなかった。」
「ゴールド、それって、十二体のゴーレムの事ですよね。」
「ええ、二度と神武七龍神に踏みにじられないためにね。
だけど私のサーイターマルドに、厄災が生じてたのに気が付かなかったなんて、間抜けな話しよね。」
「ルギア様、」
「結局神武七龍神のブルードラゴンの眷属であるゴッドドラゴンが、3つの宝玉を勇者ウラワに授けて、厄災は撃退出来た。」
「3つの宝玉。それが幻の金水晶ですね。」
「ええ、勇者ウラワは3つの宝玉のうち、ひとつしか使わなかった。
まあ、この宝玉ってのは、ゴッドドラゴンの卵なんだけどね。」
「な、なんですと?」
つまり、幻の金水晶の他にも、似たようなアイテムがあったのか。
それより、神武七龍神の眷属の方が、格式のありそうな気がするのは、気のせいか?
「その3つの卵のうちのひとつから孵ったのが、竜王。
あなた達が魔王と呼ぶ存在よ。」
「な、それじゃあ魔王との戦いって、」
「だから言ったでしょ。
竜王とゴハンとの紛争にすぎないって。」
なんだよ、それ。
魔王は兄の形見を取り戻しただけなのか?
いや、弟かもしんないけど。
「じゃあ、俺が魔王を倒す意味って、なんなんだよ。」
俺は少し気落ちする。
魔王が現れたから、勇者の子孫であるこの俺が、ちょっくら倒してこようと思ってたのに。
「大丈夫よ、ユウタ。あなたが竜王を倒す意味は、充分あるわよ。
だってあいつ、ルギア神殿の総本山を、最初に襲撃したんだから。」
ルギアは、とびっきりの笑顔で言ってくる。
やべーよ。
ルギア様、思いっきり私怨はさんでるよ。
ほんとに偉い女神様なのか?




