第79話 勇者過去のセクハラ疑惑で脅される
ちゃーちゃちゃちゃちゃちゃちゃーん。
この世に邪悪がはびこる時、必ずや現れると言う希望の闘士、勇者が現代のサーイターマルドに甦った。
精霊ルギアの怒りに触れたユミコを救うため、十二時間以内に十二の宮殿を突破しなければならない。
急げ、ユミコの勇者たちよ。
シリウスシスターズのユアが、ニヤニヤと俺に近づいてくる。
「会いたかったよなぁ、ユウタ。」
「いえ、会いたくなかったです。」
俺はユアから目をそらす。
「おいおい、あんなに私を辱めたんだ。そんなはずないだろ。」
「ひい。」
ユアは俺の首元に、クダ状の武器をあてる。
このクダ状の武器は、持ち手の意思によって変幻自在。
このままライトセイバーみたいに刀身を伸ばして、俺の頭部を一瞬にして貫く事も可能。
「おまえは、私の弱みを握ったんだ。
つけ込みたいって、思ってるよなぁ、えーおい?」
「そ、そんな事、思ってません。」
や、やべーよ。
ユアさん、イワツキでの事、根に持ってやがるよ。
「もうよせ、ユア。」
ここでマインが止めに入る。
良かった、マインさんは根に持ってないみたいだ。
「そいつをいたぶるのは、後でゆっくりやればいい。
今はユミコさんの救出が、最優先だ。」
ひい、マインさんも、根に持ってやがる。
「ちょっとふたりとも。陰湿すぎるわよ。」
ここでリムが、ふたりを注意する。
流石はリムさん。やっさしー。
ツンデレキャラの見た目はダテじゃない。
「ふん。」
ユアとマインは、そっぽを向く。
やっと俺は、ユアの恐怖から解放される。
たくぅ、あれはユミコのおかしな実況のせいで、ああなったんじゃん。
恨むぜ、ユミコ。
「さてユウタ。戦闘面で言えば、我々はおまえよりも数段強い。」
気を取り直して、マインはそう言う。
だけどあんた達、俺に負けたじゃん。
「セクハラ攻撃なんて無ければ、我々は負けない。」
俺の心をよんだのか、マインは俺をにらむ。
ですよねー。
「だからユウタ。ゴーレムとの戦闘は、我々に任せろ。
おまえは、ユミコさんを救う事だけを考えろ。」
「お、おう。」
マインの申し出に、俺はうなずく。
「それじゃあ、過去のわだかまりは水に流して、そろそろ行きますか。」
ここで今までセリフの無かったケイが、一歩前に出る。
「は、はい。みなさん、よろしくお願いします。」
俺は四人対して、頭を下げる。
「だから私たちに、任せなさいって。」
と言ってリムは走り出す。
ユアとマインは、無言で走り出す。
ケイは俺の肩をポンポンと叩いて走り出す。
俺も四人に続いて走り出す。
そしてひとつ目の宮殿にさしかかる。
そこで待ち構えるゴーレムは、黄金色の羊の姿をしている。
そして近づく俺たちに反応し、黄金の騎士の姿に形を変える。




