第39話 勇者ユミコの交渉権獲得
ユミコ争奪戦に参加した、俺以外の男は皆、ユミコに対して下心をいだいたヤツらだった。
そいつらをノシて、ユミコは俺たちのそばに戻ってくる。
「あーん、ユウタぁ、みんな魔王と戦ってくれないぃ。」
ユミコは俺に、泣きついてくる。
「私、嬉しかったのにぃ、みんなが私とパーティ組みたいって言ってくれて、嬉しかったのにぃ。」
ああ、だからか。
俺はユミコの言葉に、納得してしまう。
なんでユミコは、こんな争奪戦なんかを始めたのかを。
「無理もないさ。
この村は湯治場。みんな戦って傷ついたヤツばかりだから。」
と俺はユミコをなぐさめる。
「そんなの知ってるよ。
みんなここで傷を癒やして、また戦いに行くんでしょ。」
そっか、この村はタカスナの時代にも存在してたんか。
「だけどほら、この村元気なヤツばっかじゃん。
タカスナの時代とは違うんだよ。」
「そうなの?
じゃあ、ユウタの他には、魔王と戦う人は居ないの?」
「んー、どうだろ。
この村には居ないみたいだけど、どこかには居るのかな?」
「そう、なんかユウタかわいそう。」
「え?」
「だってひとりで魔王と戦わなくっちゃいけないんだもん。」
あー、そういや考えた事なかったな。
誰かと一緒に魔王と戦うなんて。
タカスナも四人パーティみたいだった訳だし、俺もパーティ組むべきかな。
ユミコとタカスナと、あとふたり。
残りのふたりの子孫を、探すべきなのか?
「でも、ユミコは一緒に戦ってくれるんだろ?」
「うん、そのつもりだけど、ごめんね、ユウタ。」
「別にいいよ、俺にも役トクあったんだからさ。」
「もう、ユウタのえっちぃ。」
と言ってユミコは俺から離れ、四人組の女性達に視線を向ける。
女性達は、バツが悪そうに視線を逸らす。
「なんだったんだろうね、この茶番。」
ユミコは笑顔で聞いてくる。
うん、それは俺のセリフだ。
「ほんと、なんだったんだろな、この茶番。」
なんか無駄に話数費やしたけど、これで良かったのか?
ユミコはこほんと咳払いして、会場の観客に声をかける。
「えー、私のパーティ加入権は、勇者ユウタが獲得しましたぁ!」
ユミコは右手で俺の左手首をつかみ、そのまま振り上げる。
なぜか静まる会場。
「あれ?」
ユミコも疑問の声を上げる。
しばらく静まったのち、会場はざわつきだす。
「ねえ、これってシリウスシスターズの、新規加入メンバーのお披露目イベントじゃなかったの。」
「だよなぁ、あの子が新規加入メンバーだよなあ、まだ名前も発表されてないけど。」
え、何?
シリウスシスターズ?
えと、解説のクマガイさん?仕事してくれる?




