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第3話 勇者魔物と遭遇

 カスカベの街への道すがら、なんか魔物と遭遇してしまった。


 バスケットボールに目と口をつけたような感じで、なんかこちらの行手を遮っている。

 どうしたものかと思ってたら、いきなり襲いかかってきた。


 よく弾むその身体で、思いっきり体当たり。

「ぐお!」

 その一撃をお腹にうけて、俺はうずくまる。


 ドッジボールで思いっきり狙われたよりも、数倍痛かった。

 相手は魔物なんだと、再認識させられる。

 再度襲ってくるが、なんとかかわした。

 と言いたいが、かわしきれなくて、お腹をかすめる。

 かすっただけでも、結構痛い。


 お城に逃げ込もうかと思ったが、目の前でポンポン弾むそいつは、俺を逃してくれそうもなかった。

 やるしかないのか。

 でも、どうやればいい?

 とりあえず蹴ってみるか。


 ドゴっ。


 サッカーのロングシュートの感覚で蹴ってみたが、魔物は数メートルしか飛ばなかった。

 魔物は目と口しか無い顔だが、それで表情をしかめる。

 どうやらダメージはあるらしい。


 つか、俺の足も痛い。

 ボーリングの玉とまではいかなくても、硬めのボールを蹴ったみたいだ。

 もう一度同じ勢いで、蹴りたくはない。


 魔物はまた体当たりしてくる。

 俺はなんとかかわした。

 そして魔物が振り向くより早く、魔物を攻撃。

 先ほどとは違う足で、魔物の背後から蹴り飛ばす。


 あれ?

 さっきよりかは、足も痛くない。

 魔物にも、硬い所と硬くない所があるみたいだ。


 こちらを振り向いた魔物は、涙目だ。

 涙目で俺をにらむ。

 かなり憎しみのこもったその瞳に、俺はかなりたじろぐ。


 そんな俺に、魔物は再度体当たり。


 パシん。


 魔物の体当たりを、俺は両手で受け止める。

 魔物もダメージを受けていて、その攻撃も最初の頃のような勢いはなかった。


 俺は両手で持った魔物を動かして、魔物と目をあわせる。

 魔物は無表情で俺を見る。

 冷や汗を流す様なその表情に、俺は勝利を確信する。


 俺は魔物から両手を離すと、地面に落ちる魔物を、思いっきり蹴り飛ばす。


 ズギャん!


 いい音をたてて、魔物は弾け飛んだ。

 魔物が消え去ると、そこには3円落ちていた。

 俺はその3円を拾うのだが、これからどうしたものかと、少し悩む。


 オオミヤ城へは、五分で帰れるが、カスカベの街へは三時間かかる。

 今の戦闘で受けたダメージを、回復させる手段が、オオミヤ城にはない。

 カスカベの街の宿屋に泊まるしか、おそらく回復手段はない。

 今の戦闘を、何度も繰り返せるだけの体力は、俺にはない。

 甘めに換算しても、三十分に一匹、三時間で六匹は遭遇するのではないか?


 とりあえず俺は、カスカベの街を目指す事にした。

 バスケットボールみたいな魔物とは、二度遭遇した。


 一度見た相手なので、次からはそんなに苦戦する事なく、対処できた。

 とはいえ、カスカベの街に逃げ込むのが少し遅ければ、俺は死んでいたかもしれない。

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