第28話 勇者ユミコから離れる
イワツキの村で再会したユミコは、なぜか俺を拒絶する。
俺の仲間になりたいとか言ってたのに、この心変わりは一体、何なのか。
俺は女性不信症を患いながら、ユミコのそばから離れた。
「ねえ、私達とパーティ組みましょ。」
「あら、パーティ組むのは、私とよ。」
なんか、女性勇者同士でユミコ争奪戦が始まった。
勝手にやってくれ。
俺はその場から離れる。
「えー、どうしよっかなぁ。」
ユミコはちやほやされて、いい気分らしい。
はあ、そんなユミコさん、見たくなかったぜ。
先祖のタカスナも事もあり、ユミコさんには色々恩返ししなくちゃ思ってたのに、こんな仕打ちはないぜ。
「いや、パーティ組むなら、このイケメン勇者の俺とでしょ。ニヤ。」
「ボケぬかせ。このぴちぴちギャルと組めのは、このワシじゃ。」
「いいや、この俺とだ!」
なんか、俺が混じる前と、状況がにてきた。
まあ、俺はもう関わる事はないが。
ユミコの事なんて気にせず、先に進もう。
そうだ、囚われのローザ姫を助けに行かなくちゃいけないし、勇者ウラワの時代からさまよってる亡霊なんて、相手にしてられっかよ。
「ね、ねえ、あなたはどんなひとと、パーティ組みたいの。」
収集がつかなくなりそうな頃、女性勇者のひとりがユミコに尋ねる。
「そうね。」
ユミコは少し考える。
そんなユミコを見て、周りの野次馬は、静まり返る。
「んーと、私は強いひとと、パーティ組みたいな。
だって、絶対魔王を倒したいから。」
ユミコは笑顔でそう言うが、ユミコに拒絶された俺には、関係ない事だ。
俺以外の適任者と、パーティ組んでくれ。
「そ、そうね。」
「う、うん、魔王倒さなくっちゃね。」
ユミコの発言を受け、なぜかみんな、トーンダウン。
この場に居るのはみな、傷ついて魔王討伐を諦めた者ばかり。
近場で魔物退治はやっても、本気で魔王を倒そうとは、最早思ってもいない。
と言っても、この時の俺には、分からなかった事だが。
「で、でもこのひとと一緒なら、もう一度やってみようかな。」
「さっきの回復呪文といい、腕前は確かだ。」
「顔がいいだけの美人じゃないしな。」
何人かは、前向きに検討しだす。
それを見て、ユミコはニヤける。
「それでは、私をパーティに招待する権利を賭けて、トーナメント大会を開催しまーす。」
ユミコはなんか高々に宣言するが、その場を離れた俺の足は、ユミコの元に戻る事はなかった。




